283系特急気動車の消滅
9月15日に発表されたJR北海道社長談話にでてきた来春のダイヤ見直しについて。そのうち函館線南部の駅廃止についてはすでに書いた(森町の悲運)。今回のはあくまで談話ということで不確定要素もある予定であり正式な発表はまだだけど、それ以外にもいろいろと気になる部分がある。そのひとつが石勝・根室線の特急「おおぞら」の全編成261系化だ。現状で3往復残っている283系列車をすべて261系に置き換えるとのこと。283系はすでに函館方面からは撤退しているし他に転用する計画もないので、これで283系列車は消滅しすなわち廃車になってしまうのだろう。それより古い281系がまだ現役だというのに。いやそれをいうならさらにもっともっと古い183系すらまだ老体に鞭打って走り続けているというのにだ。いやー、なんだかなあ。
283系気動車は1995-2001年の製造だから新しい車両はまだ20年しかたっていない。既存の旧形特急気動車の置き換え用として1992年から製造された当時最新の振り子車両281系の経験を生かして、満を持して後継車両としてより性能アップしてつくられたのが283系だった。本来であれば北海道中を席巻してもおかしくない形式だったのだけどいろいろと問題点もあり、なかでも死命を制したのが2011年の石勝線トンネル内火災事故だった。あれ以来283系に限らずすべての列車で減速運転を強いられるようになり、車両更新計画にも大きな影響があったことは間違いないだろう。特急車両の増備は性能よりも安定性を重視したオールマイティの261系へと舵を切り、夢の高速車両285系の開発は試作車落成まで漕ぎつけながら泣く泣く中止に追い込まれた。
それにしても形式消滅は早い。ぼくは何回乗ったろう。詳しい記録がないけれど数えるほどだと思う。なくなるとなるともう一度乗っておきたいところだが、どうだろうか。
根室本線の芽室 - 大成間を走行する、キハ283系気動車による釧路行き特急「おおぞら」1号
(MaedaAkihiko, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons)
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