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2021年12月

2021年12月31日 (金)

2021.12月の総括

 12月の総括。今朝9時時点のあいの里観測点の積雪は52 cmで、平均値(39 cm)、昨年値(43 cm)をいずれも上回った。昨年の同じ総括に「12月中にこれだけ降るのは久々だなという感じ」などと書いてあった。今年はそれのさらに上だ。11月は記録的少雪で浮かれていたが、まあこういうことになるんだよな。

 ともあれ、今年もなんとか無事に大晦日まで漕ぎつけた。個人的にはまあ小さいことはいろいろあったけれど、終わってみれば大過なく年の暮れを迎えられたといっていいだろう。ただ悔しいのは、来年はどっか行くぞと昨年末に書いておきながら、結局どこへも行けなかったこと。今年は2回書いておこう。来年はどっか行くぞ、来年はどっか行くぞ。

 来る年がすべての人にとってよい年になりますように。

 12月の記録 (11月比)
  エクササイズ日数 28 (+12)
  走行距離 (換算km) 139.5 (+37.1) 年間 1877.2 km (前年比 +77.1)
  総エクササイズ (Ex) 161.0 (+33.0)
  体重 (kg) 67.0(+1.0)
  体脂肪率 (%) 16.3 (-0.3)

 

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定点観測(家の裏)

2021年12月30日 (木)

北海道マラソン2022

 これは朗報といっていいのだろう。2020年、2021年と2年連続で中止(公式には中止ではなく休止)になっていた北海道マラソンが2022年は8月28日(日)に開催されることが決まった。詳細は2月に発表されるとのことだが、ニュースによれば東京オリンピックのレガシーを生かしてコースを一部変更し、駅前通りをゴールとすることを検討しているほか、制限時間をこれまでの5時間から6時間に緩和し、定員も17,000人から20,000人に拡大するらしい。

 来年は各地でマラソン大会が再開されるという報道をちらほら目にするようになったし、オミクロン株の感染拡大動向はともかく、ワクチン接種が行きわたって治療薬も実用化され始めたので、そろそろ各種イベントも感染対策をとったうえでゴーサインが出るようになってきた。北海道マラソンはこれまでも十分密だったのに、さら定員を増やすというのがぼくとしてはちょっと?だけど、制限時間の緩和もあいまって喜んでいる人も多いだろう。この流れで洞爺湖や千歳も開催してくれるとうれしいな。あと気になるのは北オホーツクだけど、さてどうなるか。

 

 

2021年12月28日 (火)

年末の大雪

 今日は御用納め、などということばはもう使わないのかな。ぼくは在職中は御用納め御用納めと言っていた気がするな。そうじゃなくては年末感が醸し出されない。きっと「御用納め」というエントリを書いているはずだと思ったらちゃんとあったし。とはいえ、もう御用はしていないので納めるものもなくふだんと同じ一日。

 それはともかく、御用納め前後に大雪が降って難渋することがちょくちょくあったように思う。確率として有意に多いことはないだろうから、格別記憶に残りやすい時期だからなのだろう。今年のそれが当地では一昨日夜から昨日だった。今季これまでは、ふだん雪の多いわが家周辺よりも市内中心部の方が雪が多く、先日の統計開始以来最高の55センチというのが記憶に新しい。あのときはうちの方は半分も降ってなかった。雨と違って雪は風次第で局地的に降るのでこういうことがままある。今回はちょうど逆で中心部はほとんど降ってないのに、あいの里観測点は2021年12月27日18時までの24時間降雪量が52センチに達した。先だっての記録には及ばないが、かなりの大雪には違いない。

 昨日は月曜日。朝は遅れてはいてもJR学園都市線は動いていたから、在職時なら吹雪の中を雪を漕いで駅まで歩き、大学へ向かわなければならなかった。今は家にこもってぬくぬくしているだけ。ありがたいことだ。

 

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あいの里観測点の降雪量(札幌市webページより)

2021年12月27日 (月)

物語は終わらない

 数日前に、久しぶりにジュンク堂へ出かけて1時間ばかり店内を散策してきた。前にも書いたかもしれないが、札幌の書店のなかではここが一番のお気に入り。大規模店で品ぞろえが豊富なこともそうだけど、いつも空いていてゆっくり静かに書棚を眺められる。こんな本が出てたのかという掘り出し物にぶつかることも多い。月に一度くらいは通いたいなと思いつつ前回来たのはいつのことやらだ。なにより場所が悪い。ジュンク堂の位置する南一条界隈は三越・丸井を擁しかつては商圏の中心だったが、いまやその軸足は札駅近辺に移っている。ましてや8年後に迫った新幹線開業に向けてその勢いはさらに加速するだろう。ここもよく撤退しないでがんばってるなといつも思ってるくらいだ。

 それはともかく、今回見つけたのがローレンス・ブロックの「石を放つとき」という中短編集。2020年末刊だから1年前に出てたのだ。知らなかった。短いとはいえマット・スカダーものの新作がまた読めるとは望外の喜びだ。前に、「物語の終焉」というエントリでクルト・ヴァランダーシリーズのことを書いたときに、そういえばあれもそうだと思っていたのが、全17作で幕を閉じたこのシリーズだ。帯にある堂場瞬一の解説文の「凝った構成も、あっと驚くどんでん返しもない。しかし本作品は、何とも言えない味わいを残す。」、がまさに的を射ている。シリーズのおしまいの方は、スカダーとミック・バルーが夜更けにぽつりぽつりと昔話をする、そんなシーンばかりが心に残っている。もう終わったものと思っていたあの静謐な世界に今一度浸ることができるとはなんという幸せだろう。とまれ、読んでしまうのがもったいない。もうしばらくは眺めているとしよう。

 

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ジュンク堂の掘り出し物

2021年12月25日 (土)

七十従心に向けて

 10月下旬のある日、元の職場のI氏から、同窓会誌に寄稿してくれないかという依頼メールがはいった。北大農学部には札幌農学同窓会という同窓会組織があり、2年に一度同窓生の寄稿を集めた会誌を発行している。今年がその発行年にあたるのだ。だまっていても原稿が集まるなどということはないので、その時期になると各学科長から研究室あてに原稿を書いてくれそうな卒業生を推薦するようにと号令がかかる。ぼくも現役時代はそのたびごとに心当たりの卒業生にお願いをして回ったものだ。因果は巡る。そのお鉢が今度はこっちへ回ってきた。

 しかしこんな時期だったかな。しかも〆切が11月第1週だという。もう10日ちょっとしかない。いくらなんでもそんな急な依頼はありえないだろう。同氏は同窓会の理事も務めているそうだから、これはなんらかの急な事情で原稿が足りなくなったのだな。無理なら断っていいとのことだったけれど、どうせ暇はあるでしょと足元を見透かされているのが見え見えだ。I氏とは長い付き合いだし、それより何よりこれまで卒業生たちにさんざん寄稿依頼をしてきた手前、自分は書きませんとは口が裂けても言えず、引き受けることとなった。

 その寄稿「七十従心に向けて」が掲載された札幌農学同窓会誌2021年第25号が出来上がって、昨日届いた。A5判204ページという分厚さにまず驚く。むむと思って2年前の前号を引っ張り出してみたら、全138ページだったから1.5倍近い増量である。なんだよ、こんなに内容が充実しているならぼくなんぞのしょうもない駄文なんて不要だったのでは。しかも送稿後に編集担当のH氏からたってのお願いがあって、いらぬ写真まで送ってしまったし。それはともかく力作が並ぶ本誌は読みでがあるので、機会があればぜひ手に取って...といいたいところだが、同窓会員以外が目にする機会はほとんどないかも(過去の会誌会報類を札幌同窓会のwebページで公開する計画はあるらしい)。

 

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札幌同窓会誌第25号 

2021年12月23日 (木)

難解ばか詰

 Web Fairy Paradise(フェアリー将棋のwebマガジン)の最新号をぱらぱら見ていたら、巻末に長谷繁蔵さんの特集が組まれていた。全然知らなかったが最近亡くなられたのだそうだ。お名前だけは昔の詰将棋パラダイス誌上でよくお見かけしたが、そういえば最近見なかったな。長期にわたって活躍された詰将棋作家という印象だったけれど、フェアリー作品もたくさんあり、特にばか詰(協力詰)を得意とされていたとは知らなかった。ご冥福をお祈りします。

 そのWFP162号に紹介されていたばか詰5手詰作品がすばらしい。簡素な配置で簡単に詰みそうなのになかなか詰まない。しばらく眺めて、え、これほんとに詰むのと疑いだす。1日考えてやっと詰んだ。いやあこれは傑作だろう。年末にぜひお考え下さい。ばか詰(協力詰)なので攻方は王手をかけ、受方はできるだけ詰むように逃げる。変化は考えなくてよい。7手なら簡単だけど5手で詰めるには。

 

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長谷繁蔵氏作ばか詰5手
(詰将棋パラダイス2004年4月号フェアリーランド1番)

2021年12月22日 (水)

七冠八起では

 今年の最優秀創作四字熟語は「七菌八起」に決まったそうだ。と言われてなんのことだかわからなかった。七転八起のもじりだということはわかるけれど、しちきんばっき、てなんだろう。そうではなく、ななころなやおき、と読むのだそうだ。何度コロナの波がきても負けずに起き上がる、という意味なのだ。フリガナ振ってよ、読めないよ。

 しかし。ななころびをななころなと読み替えるセンスはさておくとしても、そこに「菌」を当てるかい。もう絶望しかない。コロナ(ウイルス)が菌でないのはコロナが人でないのと同じようなものだ。応募した人はともかく、選んだ審査員は誰も違和感を感じなかったのだろうか。教育的にもきわめてよろしくないと思うがな。コロナは冠だから、せめて「七冠八起」にすりゃいいのに。字面もいいし韻も踏んでいる。

 菌で思い出したけど、先日発表になった今年の漢字というのもあって、それはまた「金」になった。前に書いたようにオリンピックの年はいつも金だ。よほど金メダルが好きな人が多いと見える。メダルに届かなくても健闘した選手はいっぱいいるのだし、こちらもせめて「輪」にしてはどうかね。

 

2021年12月20日 (月)

「いまこそ輝け!北のキハ183系」

 JR北海道のニュースリリースによれば、年明けの1月18日から特急「オホーツク」、「大雪」に今年新製した261系5000代車ラベンダー編成が使用されるそうだ。といってもこの合わせて4往復ある特急には1日3編成が必要なので、運用上3日に1度しか回ってこないことになり、その充当される予定日も掲載されている。新車が投入されるのは喜ばしいことだが、残りの2/3は従来からの183系旧式車両のままなわけで、落差が際立つ結果になっている。

 JRもそれを気にしてか、それと同時に「いまこそ輝け!北のキハ183系」というキャンペーンをやるのだそうだ。これは期間中に上川、遠軽、北見、網走で上記特急のグリーン車指定席券を購入して窓口で合言葉「いまこそ輝け!北のキハ183系」を伝えると、「幻の乗車証明書」がもらえ、さらに4駅コンプリートすれば特製ペナントがもらえるというもの。新車のラベンダー編成にはグリーン車がないので、183系利用の差別化としてこんな企画を考えたものらしい。

 はまなす編成、ラベンダー編成と2編成ある261系5000代車は、もともと老朽化したなんちゃらエクスプレスという企画列車向けリゾート車両の置換え用として整備されたもので、夏場の繁忙期はそっちへ使用されるだろうから、今回のような定期列車使用は閑散期のサービス向上という意味合いだ。先日詳細が発表された2022年3月12日ダイヤ改正でも石北線特急には変化がないので、相変わらず最古参の183系が道内で唯一走り続けることには変わりがない。JR北としては苦心のキャンペーンなのだろうけれど、どれだけ効果があるか。

 もうひとつ、それに伴って183系の先頭車とグリーン車を1両ずつ昭和61年デビュー当時のオリジナル塗装に復刻するとのこと。国鉄時代の復刻塗装ははやりだからわからないでもないが、なんで2両だけなんだろう。4両編成のうち半分では中途半端でかえって美しくないんじゃないか。というより、ぼくはいまの青系のHET色の方が好きだし前面貫通型の現編成には似合っていると思うから、よけいなことしないでほしいと思うけど。

 

 

2021年12月18日 (土)

統計開始以来

 今季は雪が遅い少ないこのまま少雪だといいな、などという浅はかな希望をあざわらうかのような突然の大雪。札幌では24時間降雪量が統計開始以来最高の55センチ、小樽でも同じく53センチを記録したというニュースが全国版でも取り上げられていた。まあ大雪には違いないし、話を盛っているわけでもなく、新記録というのに間違いはないのだが、これは相変わらずのメディアの都合いいとこどりだ。

 まずこの24時間降雪量というのは最大になる24時間を切り取った値であって、札幌の場合は2021年12月18日午前5時までの24時間、小樽は同2時までの24時間に降った量だ。そして統計開始以来というとずいぶん昔からのように聞こえるが、実際は1999年からのことであって、たかだか20年ちょっとの期間でしかない。たぶんそれ以前は日降雪量(0時~24時)の記録しかなかったのだろう。

 日降雪量でいうと札幌の2021年12月17日は50センチで、この値は気象庁の記録によれば1953年以来では8位タイでしかない。ちなみに最大は1970年1月31日に63センチを記録していて、60センチを超えているのはこの日だけだ。不思議なのは2位タイとして2001年12月10日と2000年2月25日に56センチという記録があることだ。これらは24時間の記録でもあるのだから1999年以降の記録になるはずで、だとすれば昨日から今日にかけての55センチは3位ということになるのでは。

 

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札幌の時間当たり降雪量(気象庁webページより)

2021年12月17日 (金)

優勝旗どこ行った

 気がつけばあと2週間で正月。正月といえば箱根駅伝、いやその前にニューイヤー駅伝。そのニューイヤー駅伝で今年優勝した富士通が受け取った優勝旗を紛失したというニュースにはびっくり。富士通によれば6月まではあったことは確認されていたが、その後保管していた総務部門のフロア移転があって、その最中に所在不明となったという。誤って廃棄物といっしょに廃棄されたとか盗難とかの可能性もあるというが、実態は不明だ。誤廃棄といっても、縦1メートルで30×30の黒い専用ケースにはいっていたというようなものを中身も見ないで捨てるかね。ケースには優勝旗とかなんとか書いてなかったのだろうか。

 優勝旗を授与した主催元の日本実業団陸上競技連合からは厳しい叱責を受けて、歴代優勝チームに謝罪するようにとのことで、日程調整中だというから大変だ。形あるものだから壊したり紛失することだってないわけではないし、直接の担当者は気づいたときにさぞや血の気が引いたことだろう。大事なものをけしからんとは思うけど、故意にしたわけではなし担当者の心中を思うと気の毒な気もする。他チームにしても直接の被害者というわけでもないから、謝られても困るのではないか。

 優勝旗だの金メダルだのは形に残るから注目されるけれど、形あるものはいつかは失われる。それよりも大事なのは優勝したという事実やそのときの記録などの形にならないものの方だと思う。優勝旗がなくなったからといって優勝した事実がなくなるわけではないし、その価値が下がるわけでもなかろうに。ネットでは富士通は袋叩き状態だが、なくなってしまったものは仕方ないし、誠意をもってきちんと謝罪と補償をすればそれでいいのでは。甲子園の優勝旗も最近新調されたという話があったし、実業団の優勝旗もこれを機会に新しくして再スタートすればいいのでは、と気楽な外野席の爺は思うけど。

 

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このときはちゃんとあった(デイリーwebニュースより)

 

2021年12月15日 (水)

uシート値上げ

 例年だとそろそろJR北海道から来春ダイヤ改正の詳細が発表される頃だけれど、今年はまだアナウンスがない。そんななかで今日ひとつだけ社長会見の内容のなかに、「快速エアポート「uシート」へのチケットレスサービスの導入及び座席指定料金見直しについて」というのが発表された。これは9月の社長会見の「来春のダイヤ見直しについて」という予告には載っていたかったものだ。3月のダイヤ改正ではなく4月1日からの実施ということなので別扱いなのだろう。

 チケットレスサービスは、すでに一部の特急で行われているようにエアポートのuシート指定席券をスマホなどからえきねっとで事前に購入し、そのままチケットレスで乗車できるシステムを導入するというもの。時間が決めやすい新千歳空港行きはともかく、飛行機の到着時間が読みにくい新千歳空港発のエアポートは前もって指定席券を買いづらかったが、これで到着前の機内からでも買うことができるようになったのは便利だ。ロングシートの733系編成が充当されることが多くなったので、uシートの差別化が大きくなったこともあり、売り上げ増加にもつながるだろう。

 それはいいとして、サービス向上にともなって料金見直しも行われ、札幌~新千歳空港間の指定席料金が530円から840円へ値上げとなる。う~ん、840円かあという感じ。5年前の2016年までは310円だったからそれからすると2.7倍にも上がることになる。他空港のアクセス列車と比べても割高だ(下記)。経営難のJR北としてはエアポートはドル箱だから取れるところから取ろうということで、しようがないところか。

 JR北「エアポート」uシート:840円(新千歳空港~札幌:37分)
 名鉄「ミュースカイ」特別車両券:360円(中部国際空港~名鉄名古屋:28分)
 南海「ラピート」レギュラーシート:520円(関西空港~なんば:37分)
 JR西「はるか」指定席料金:530円(関西空港~天王寺:32分)

 

 

2021年12月13日 (月)

透明駒問題を解く

 詰将棋パラダイス12月号で結果発表があった「透明駒入門」発刊記念作品展の4題はいずれもおもしろく、ぼくのような初心者には勉強になる作品ばかりだった。そのなかでぼくが間違えた4番上谷直希氏作をとりあげてみたい。なお、透明駒って何?という方は「透明駒とは何か」を、より詳しく知りたい方は「透明駒入門」をご覧ください。

 

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(A)詰将棋パラダイス9月号「透明駒入門」発刊記念作品展4番上谷直希氏作
詰将棋3手 透明駒0+1

 

 受方に透明駒が1個ある詰将棋3手の問題(A)。盤面に受方の玉がないのでこれが透明になっているとわかる。まず正解手順を追ってみる。

 

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(B)初手23金の局面(★は透明駒位置の可能性)

 

 初手は23金(B)。これによって受方玉位置の可能性は23金によって王手がかかる位置、すなわち32か13だと決まる。2手目は逃げる「X」、Xで取る「同X」、角で取る「同角」の3通りがある。

 

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(C)2手目「X」には22金で詰み

 

 2手目「X」の場合。玉位置が13なら逃げられないので32玉だったことになり、逃げる位置の可能性は31か43ということになる。そこで3手目に22金とすれば詰みだ(C)。玉位置が43なら詰まないではないか。いや22金と指したということはこの手が王手でなければならないので、43に玉がいる可能性(×)はない。すなわち玉位置は31しかなく詰んでいるのだ。
 2手目「同X」の場合。玉位置が32でも13でも23金を取ることができるが、この場合玉位置が23に決定(可視化)されるので、22角成で詰み(図省略)。

 

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(D)2手目同角の局面(★は透明駒位置の可能性)

 

 2手目「同角」の場合(D)。これがすばらしい。玉位置は依然として32か13か両方の可能性がある。金を取られてしまったので王手のかけようがなく、22角成くらいしかないと思える。玉が13なら詰みだが、32なら42や43に逃げられて詰まない。

 

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(E)3手目22角不成で詰み(×位置だと王手にならない)

 

 これでだめだとぼくはあきらめたのだが、ここで22角不成という手があった(E)。13玉ならこれでも詰み。32玉ならやはり詰まないのでは。いやいや32玉な22角不成はそもそも王手にならない、すなわち22角不成が王手になるということは玉位置が32である可能性はないのだ。結局すべての変化が詰んだのでこれが正解。

 

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(F)初手43金の局面(★は透明駒位置の可能性)

 

 ぼくが間違えたのは初手43金(F)。この場合受方玉位置の可能性は、32、52、53の3通り。

 

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(G)2手目「X」には22角成で詰み(★は透明駒位置の可能性)

 

 ここで2手目「X」とすると、22角成とすれば詰む(G)。22角成が王手になるような可能性は、32にいた玉が31か23に移動した場合に限るからだ(図の×位置は王手にならない)。

 

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(H)2手目同Xに対して22角成とした局面(王手がかかっていない!)

 

 2手目「同X」ならどうか。このときは22角成が王手にならないのでその可能性はない。というのはいわゆる勝手読みだ。この場合、2手目同Xという駒取りの手で受方玉の位置が43に決定してしまう(H)。だから3手目の22角成で可能性を排除するというのは間に合わない。後出しじゃんけんだ。というかそもそも王手にならないので22角成とは指せないのだ。初手23金のときに43Xと逃げる可能性を最終手22金で排除できたのは、それが可能性だったからであり、43金を同Xと取った場合は43Xの位置は可能性ではなく決定だ、というのが文字通り決定的な違いだ。いやいや勉強になりました。

 

2021年12月12日 (日)

詰将棋パラダイス2021.12月号

 詰将棋パラダイス12月号、到着日は11月30日。結果稿は9月号分で、詰将棋学校は短12以外は解けていたはずとみると、なんと中15と高12でまさかの誤解。中15は単なる変化手順の見落としでの変別解で弁解の余地なし。高12は桂打ちを防ぐための飛中合は見えたのに二段飛車を見落とした。一段だと取ってしまえば桂が打てるのに、飛車取っても使い道ないしという思い込みが間違いのもとだった。う~ん相変わらず粗忽すぎる。まだ2ヶ月分の結果が出てないのにここでこんな失点するようでは年間500点が危ういぞ。といってももうすべて解答は出してしまったのでどうしようもないが。

 詰パラ読者なら知る人ぞ知る福村努さんという雲の上の解答強豪がいて、なんと12年連続(だったと思う)詰将棋学校を全題正解という大記録をもっておられる。年間250題だから12年間3000題連続正解したわけだ。解図力も解図力だけど、この間ひとつのミスもなく解答を書いて送るというすごさ。到底人間業とは思えない。ただただ尊敬するしかない。棋力や解図力が及ばないのはいかんともしがたいが、そのうえこういうつまらないミスをしているようではお話にならないな。

 9月号には「透明駒入門」発刊記念作品展があって、その結果発表も本号だ。これはまたこれで驚きの結果だったのだが、長くなるのでそれはまた別エントリにしよう。他はフェアリーランドは10題中8題正解、推理将棋は3題中2題正解で、まずまずというところ。他に目を引いたものとしては、「国士無双」というネーミングのデパートの5番が、なんと13種移動合作品だと知ってびっくり。ふつうは7種合だけど移動合なら成駒の合駒もできるから全部で13種という仕かけ。それで国士無双とはピッタリだ。まさに無双の作品でもちろんぼくなんぞには自力では解けないけれど、こういうのが解けたら感動も一入だろうな。解いた人がうらやましい。

 今月号は年末恒例の短編コンクールがあり、今年は9手詰が50題出題されている。このくらいの手数だと大体はさくさく解けて気持ちいい。50人の作者のうち15人は昨年のコンクールの上位者がシードされているはずだけど、あれあの人がいないなと気づいた。調べてみるとシード者のうち4人の作品がなかった。いろいろ事情もあるのだろうが、いつもおもしろい仕かけを見せてくれる作者だけにちょっと残念だ。

 今月の1作は表紙作品にした。表紙詰将棋の結果発表は他コーナーより1月早いので、10月号の相馬康幸氏作15手詰。右左右とリズムに乗って銀不成を繰り返す軽い趣向作。いたって易しくすらすら解ける。とかく難しいものが評価されがちだけど、詰将棋の楽しさは難易度ではないのだよと教えられるような小品。

 

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詰将棋パラダイス2021年10月号 表紙詰将棋 相馬康幸氏作

2021年12月10日 (金)

ヘッドマーク売ります

 JR北海道がネットショップJREモールで北斗星ヘッドマーク実物など鉄道部品のオークション販売をしている。受付期間は12月9日12:00から12日18:00まで。
 ちょっとのぞいてみたらいろいろ面白かった。なんといっても目玉は寝台特急「北斗星」ヘッドマークで、すでに3件の入札があって最高額は1,002,000円となっていた。参考価格として以前同じ寝台特急「エルム」ヘッドマークが売られたときは約100万円だったと書かれているので、それを意識した値付けだろう。格としては「北斗星」の方がずっと上だから終了時までにここからどれだけ上がるか見ものだ。ついでながら北斗星ヘッドマークは実際の製造工場で同素材・同加工法・同サイズで完全再現されたレプリカも販売されていて、こちらはJRキヨスクで275,000円。実物の希少価値を考慮すると100万円では安いような。

 あとはDD511102の番号板なんてのもあって、これも実物機関車のものだからほしい人はいるだろう。現在516,000円(入札24件)。キハ183系の指定席/自由席表示板、これは車内ドア上掲示のやつかな、35,500円(35件)。同じくJR北海道の銘板というのもあって35,500円(20件)。まあここまではいいとして、車内の号車札さし(四角い外枠のみ)が4,500円(5件)、愛称札さしが23,500円(8件)となると、こんなものまで売れるのかという感じ。中にさす札ならともかく外枠をほしい人なんているもんだ。これならもっとなんでも売って経営の足しにすればいいのに。

 

 

2021年12月 8日 (水)

最後の一冊

 前に書いたようにニコリのバックナンバーを買って順に解いている。定番ものから新しいオモパまでその時々の多様なパズルが解けるのはいいのだが、好きなパズルをもっとたくさん解きたいと思うこともある。そんなときのためにパズルごとにまとめられた分冊ものが売られている。ニコリは定期の季刊誌のほかにこのような単発やシリーズの刊行物がやたらたくさんあって、何がどう違うのかよくわからない。数独なんて30種類くらいあるんじゃなかろうか。しかも古いのを増刷しないで新しく出しなおすのではないかと思うくらい年々ラインアップが移り変わる。内容を見ようにも一般書店にはまずおいていないので見られない。

 というわけでえいやっと買うしかないので買ったうちのひとつが写真の右側のやつ「ひらめきパズルナンバーリンク」、本日到着。上級編と書いてあるが初級中級があるわけではなく、このときにはこれしか出ていない。2015年7月刊行だが、たぶんぼくが入手したのが最後の一冊だ。検索をかけるとAmazonや楽天などネットショップがたくさんヒットするけれど、どこにも現物がない。唯一みつけたのが版元ニコリの直販ショップで、なんと在庫わずか(残り1冊)の表示だった(今ではSOLD OUT表示になっている)。

 この本にはペンシルパズル選書ナンバーリンク1という2021年2月刊の後継書もあるけれど、価格も改定されているし、なにより最後の一冊というインパクトには抗しきれない。写真の左は昔買ったやつ。今はなき新書判シリーズで1996年3月刊、96題収録されて本体600円。今回買った右側のは四六判100題になって本体750円だから20年後の後継書としては割安で、上級編と銘打っているだけあって旧版よりも大きいサイズの問題が多いのもうれしい。しかもこれを解き終えても、ちゃんとさらに後継書があるので安心という寸法だ。よい買い物だった。

 

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ナンバーリンク問題集

 

2021年12月 7日 (火)

大雪

 大雪が降ったのではなく、今日は二十四節気のひとつの大雪。といっても全然雪がないので実感がない。そもそもまだ冬至前なのになんで大雪なんだろう。こういう決まり事に文句を言ってもしようがないが、寒さと雪はいっしょにくるのに、立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒、立春という並びはおかしいな。
 それはともかく、今季は札幌は雪が少なくて11月は降雪量が4 cmで2000年以降で2位タイの記録だった。12月になってちょっと降ったけれど、暖かい日が続いて積雪がゼロになってしまった。根雪初日の平年値は12月6日だが、今週は季節外れの暖かさが続き、まだしばらくは根雪になんぞなりそうもない。
 そういえばニュースで札幌では11月に降雪量が少ない年は12月にドカッと降るという話をしていたので、ちょっと過去のデータを調べてみたら次のようだった。

年, 11月降雪量, 12月降雪量
2021, 4, -
2020, 19, 50
2019, 44, 54
2018, 18, 106
2017, 62, 102
2016, 39, 198
2015, 49, 101
2014, 32, 130
2013, 20, 101
2012, 13, 212
2011, 32, 106
2010, 25, 58
2009, 8, 98
2008, 32, 116
2007, 10, 63
2006, 25, 136
2005, 4, 147
2004, 18, 110
2003, 2, 67
2002, 25, 112
2001, 34, 200
2000, 113, 95

 ん~、なんともいえないな。2005年や2012年はたしかにそうだけど、2003年や2007年はそうでもない。これをみると昨年と一昨年は12月の降雪量が2000年以降最小1位2位だったのだ。今年もそれに近い少ないほうになるといいけど。

 

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札幌の2週間気温予報(気象庁webページより)

2021年12月 5日 (日)

百年記念塔

 東京オリンピックといえば東洋の魔女や裸足のアベベだよな、というのはぼくのようなひねくれ爺だけで、もう大方の人にはTOKYO2020のことになってしまっているだろう。札幌オリンピックもいずれそうなるのだろうか。1972年の前回に続いて2030年へ向けての招致計画が動き出している。その是非についてはまた別の話として、1972年冬季五輪からもうすぐ50年がたつ。札幌の街のインフラはこのときに向けて整備されたものが多く、その前年の1971年に開業したものがみんな今年で50周年を迎えている。11月開業の札幌地下街はすでに記念展が開催されているし、12月に開通した高速道路は記念セレモニーが行われ、同じ12月開業の市営地下鉄の記念ホームページも立ち上がった。一方で9月に開業した商業施設4丁目プラザは建物老朽化のために来年1月閉店が決まっている。いずれも50年という節目なのだ。

 その冬季五輪より先立つこと4年、1968年には北海道開道百年と札幌市創建百年というこれまた大きな節目があって、大規模な記念式典が開催され、中学生だったぼくらも駆り出されたのをおぼえている。真駒内で大博覧会が行われ、野幌に百年記念塔が建設され、旭山記念公園が造成された。その百年記念塔は1970年に落成し、1971年4月に一般公開が開始されたので、それからも今年がちょうど50年ということになる。開道百年のモニュメントとして野幌森林公園に建てられた高さ100 mの壮大な記念塔はどこからでもよく目立ち、道民に長い間親しまれてきたことは間違いない。

 その百年記念塔も50年を経て老朽化が進行し、すでに塔体は立入禁止となっていて道は解体の方針を決めている。それに対して市民の間には保存運動が動き出しており、今後どうなるかが注目されている。道の試算では今後50年のコストシミュレーションで、維持するには26億円余がかかり、解体するにも4億円がかかるとのことだ。あれだけの大建造物なのでどちらにしても大変だ。今あるものだからなくするのはさびしい気もするけれど、もともとはなかったものなのだから元にもどしても仕方ない気もする。たかだか50年では歴史遺産というわけでもなし、大金をかけて将来に先送りするというのもどんなものか。

 百年記念塔というと思い出すのが中学時代の弁論大会だ。各クラスから1人ずつ代表が出て好きなテーマで弁論をふるって優劣を競うというものだ。たしか2年のときだったと思う。隣のクラスのある生徒が、記念塔建設が決まったことについて堂々と批判的な論陣を張って優勝をさらった。そのときの「記念塔に昇って絶景かな絶景かなと喜べる人ばかりではないのです」という彼のことばを今でもおぼえている。たかだか記念モニュメントのために大金を費やさないでもっと有効に活用すべきだという論旨だった。みんなが百年記念で浮かれているときだけに、ぼくはとても感心して聴いたものだ。名前も忘れてしまったけれど、いまこのニュースを見て彼は何を思っているだろう。

 

211205 
百年記念塔(北海道博物館webページより)

 

2021年12月 3日 (金)

予約開始

 いよいよ阿佐海岸鉄道のデュアル・モード・ビークル(DMV)の運転開始日が12月25日と決まった。実用化に向けて開発研究を続けてきたJR北海道が経営難で正式断念したのが2016年だからそれから5年、意外と早く日の目を見ることになった。まあどこであれこういうおもしろい乗り物が増えるのは喜ばしい。

 阿佐鉄ニュースをみると乗車は予約制で、開業当日はすべて抽選、それ以降の2ヶ月は大手バス予約サイト発車オ~ライネットからの予約(12月2日12:00開始)となっている。そうなのか。当日は混雑しそうだからしようがないにしても、その先もずっと予約制とは。定員が22名でそのうち座席が18席しかないのに、そのうち予約分が16席ということだから、予約が埋まっていたら、2人分しか席がないことになる。そもそも地元客のアクセス利便性向上のために鉄路と道路をモードチェンジして走れるDMVを導入したんだろうに、予約しないと乗れないって不便じゃないんだろうか。

 いつもそんなに予約が埋まるとも思えないから、当日空きがあれば乗れるんだろうけれど、観光客グループに押さえられてしまうことだってありかねない。地元のじいちゃんばあちゃんにインターネット予約サイトは難しいだろう。発車オ~ライネットは四国遍路のときにずいぶんお世話になってなじみがあるので、ちょっと予約状況をのぞいてみたところ次のようだった。心配するほどではないのかな。

 12月27日(月)残席状況(12月3日16:53現在)
  下り便(阿波海南→宍喰)始発から順に
   16,15,14,15,11,13,13,15,11,13,14,16,15
  上り便(宍喰→阿波海南)始発から順に
   15,13,13,12,8,8,15,12,14,16,16,16,16

 

 

2021年12月 2日 (木)

オミクロン

 最近のトレンドはオミクロン。24個あるギリシャ文字のなかの15番目だが、ふだんはめったにお目にかかることのない文字だ。WHOでは新型コロナウイルスの変異株のうち注目すべきものにαから順にギリシャ文字を振っていて、話題のオミクロン株はその13番目になる(直前のニューとクサイは諸事情から飛ばされた)。ついこの間デルタ株が第5波感染拡大を引き起こしたばかりなのに、いつのまにかもうオミクロン。その間にイプシロンだのイータだのカッパだのが全部あったのだろうけれどそれらは話題にならず、突如オミクロンが現れた感がある。

 ギリシャ文字自体は自然科学ではいろいろなところで使われていて、化学の世界でも、α-アミノ酸、β脱離、π電子などなどおなじみだし、数学や物理学ではもっといろいろと使われている。しかしオミクロンというのはあまり聞いたことがない。たぶんギリシャ文字のοがローマ文字のoと似ていてまぎらわしいからだろう。ひょっとしてオミクロンがこんなに話題になるのは有史以来初めてではないか。

 と考えていて思い出した。ひとつだけあった。くじら座のο星ミラだ。星好きなら知っているだろう。星座の中の恒星を昔は明るい順にαβγ...と振っていたので、ミラはくじら座の15番目の星になる。α星、β星などはともかく15番目が表舞台に出てくることはまずないのだが、ミラは特別だ。長周期変光星の代表格で、ミラ(不思議なものの意)という固有名がついていることからわかるように昔から有名な星だ。ちなみにそのミラ、今年は7月下旬に極大光度になったそうだ。残念ながら今はもう暗くなってしまっているけれど、くじら座は初冬の星座で12月初めだと21時頃南中だからこっちのオミクロンを見るなら今がチャンス。

 

211202
くじら座ο星ミラ(AstroArts webページより)

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