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2021年12月 2日 (木)

オミクロン

 最近のトレンドはオミクロン。24個あるギリシャ文字のなかの15番目だが、ふだんはめったにお目にかかることのない文字だ。WHOでは新型コロナウイルスの変異株のうち注目すべきものにαから順にギリシャ文字を振っていて、話題のオミクロン株はその13番目になる(直前のニューとクサイは諸事情から飛ばされた)。ついこの間デルタ株が第5波感染拡大を引き起こしたばかりなのに、いつのまにかもうオミクロン。その間にイプシロンだのイータだのカッパだのが全部あったのだろうけれどそれらは話題にならず、突如オミクロンが現れた感がある。

 ギリシャ文字自体は自然科学ではいろいろなところで使われていて、化学の世界でも、α-アミノ酸、β脱離、π電子などなどおなじみだし、数学や物理学ではもっといろいろと使われている。しかしオミクロンというのはあまり聞いたことがない。たぶんギリシャ文字のοがローマ文字のoと似ていてまぎらわしいからだろう。ひょっとしてオミクロンがこんなに話題になるのは有史以来初めてではないか。

 と考えていて思い出した。ひとつだけあった。くじら座のο星ミラだ。星好きなら知っているだろう。星座の中の恒星を昔は明るい順にαβγ...と振っていたので、ミラはくじら座の15番目の星になる。α星、β星などはともかく15番目が表舞台に出てくることはまずないのだが、ミラは特別だ。長周期変光星の代表格で、ミラ(不思議なものの意)という固有名がついていることからわかるように昔から有名な星だ。ちなみにそのミラ、今年は7月下旬に極大光度になったそうだ。残念ながら今はもう暗くなってしまっているけれど、くじら座は初冬の星座で12月初めだと21時頃南中だからこっちのオミクロンを見るなら今がチャンス。

 

211202
くじら座ο星ミラ(AstroArts webページより)

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