詰将棋パラダイス3月号、到着日は3月2日。結果稿は12月号分で、短編コンクールの結果発表がある。9手詰が50題。特に問題になるような作品はなかったなと思っていたら、なんと2題も間違えた。8番井上氏作、連続不成にばかり気を取られての手順前後。これはまったく不注意としかいえない。それから22番鈴川氏作、と金そっぽの見落とし。中合したときに飛がブラだと逃れか、そこまでは気がつかなかった。先月結果稿の高25でも中合を見落としたのだったが、最後まで気を抜いてはいけない。両作とも誤解者が多数でていたが、もちろんちゃんと正解している人はいるわけだし情けない。
今期のトップは46番柳原氏作、これはまあ納得の結果だろう。ぼくは評価点をA16個、B27個、C7個つけたのだが、A評価の16作のうち上位20位にはいっているのは10作しかなかった。一方、C評価7作のうち40位以下だったのは5作。いつもぼくの主観評価は大勢とはずれていることが多いのでまあこんなものだろう。ちなみにぼくがA評価をつけた16作品のなかで最も総合順位が低かったのは、28番武氏作でなんと36位。こういうシンプルで狙いのあるのは好きなんだけど、一般的には易しすぎるという評価なのだろうな。
その他の結果では、幼稚園は全題正解だったはずなのに名前がない。というか先月までずっと全解で連続正解者に名前があったのに今月はどこにも名前がない。これは単純な記載の脱落だろう。まあいちいち修正依頼は出さないけど(後記:事実誤認でした、失礼しました)。 同人室はあまり解けなかったが、中で気に入ったのは7番金子氏作。ほんとにこの人の作品はいつもおもしろい。あとはなんといっても15番の馬屋原氏作なんだけど、残念ながら途中の63桂成を同玉と取る変化が詰められず白旗。どうせこっちは変化なんだろうから飛ばせばよかったんだよな。変なところがまじめで損をする
フェアリーは年に2回の神無一族。コアすぎて手が出ないことも多いが、今回はなんとか1,2,4の3題解けた。4番は長手数だが繰り返しなので鍵に気づけばそう難しくない。飛角の開き王手の組み合わせを1サイクルごとに交互に変えるのがミソで実にうまくできている。しかしこういう作品を創作する人の頭の中はどうなっているのだろう。ほんとに感心するしかない。
ところで、推理将棋は2題しか解けなかったけれど先々月に続いてまた当選者に選ばれた。ほんとにここは当選確率が高い。おすすめだ。。
出題作の方では今月号は短大が豪華ラインナップという触れ込みだが、それをいうならぼくにはデパートが負けず劣らずの豪華さに見える。時間があればじっくり取り組みたいが、今月は諸事多端なのでたぶん無理だろう。
今月の1作は個人的な推しということで、上述の短編コンクール28番武紀之氏作(9手詰)にしたい。おっという初手の後はリズミカルな守備銀の千鳥移動という簡単な一幕もの。こういう作品の場合、易しさは長所だと思う。
詰将棋パラダイス2021年12月号 短編コンクール28番 武紀之氏作