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2022年3月24日 (木)

肥薩線の復旧費用

 一昨年の豪雨で大きな被害を受け不通になっているJR九州の肥薩線八代~吉松間の復旧費用が概算で235億円と算出された。通常の災害復旧スキームではJRが半分、残り半分を国と県が負担するので、JR九州の負担額は100億を超える。とうてい一企業で拠出できる金額ではない。しかも新幹線などのドル箱路線ではない。肥薩線は大赤字線で輸送密度は八代~人吉が414、人吉~吉松は106で、営業赤字は年間9億円にのぼる。最近取りざたされている赤字路線廃止の目安となる輸送密度は2000だから。そんな赤字路線の復旧に100億円はありえない。

 今回、JRと国、県の三者での肥薩線復旧検討会議で、国交省は復旧費用の半分以上を占める流失した球磨川橋梁を河川対策工事と一体で再建する、すなわち国が負担する案を提示した。仮にこの部分の125億円をまるまる公共事業として扱えば、JRの復旧費用負担は残りの110億円の半分すなわち55億円となる。それでも大きな金額であることには違いはなく、さらなる負担軽減策も考えられているという。仮に復旧して運行再開しても年間9億の赤字まで国が面倒見てくれるわけではないので、JRとしても頭の痛いところではあるかもしれない。もちろん公費負担ということは税金を投入するわけだから、一地方の大赤字線にそれが妥当なのかという議論にもなるだろう。

 それにだ。北海道民としては考えてしまう。すでに廃止になってしまったJR北海道の日高本線鵡川~様似間の場合、当初の高波被害が26億円、その後の台風被害も加わって復旧費用総額は86億円になった。このうち大半は海岸線の護岸保全工事であり、このときは国がその部分を丸抱えするというような話はまったくなく、最低でもJRが半分負担するとなると43億円で、もちろん復旧後の赤字解消の目途があるわけではなく、廃線という結論になった。もし肥薩線のケースのように国が護岸工事部分を肩代わりしてくれたからといって、残りをJR北海道が負担しきれたかはわからない。しかし、護岸工事だって国土保全という点では河川対策と変わらない公共性があるのではと思う。どこからこういう国の対応の差が出てくるのだろう。

 

 

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