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2022年3月22日 (火)

鉄道と道路の差

 福島県沖地震(3/16)での東北新幹線脱線のニュースにびっくりした話を前に書いた。それからほぼ1週間、その後の調査によって新幹線関係の被害は予想以上に甚大で1000ヶ所以上にも及ぶことが判明し、全線での運転再開は4月20日頃になる見通しとされている。1ヶ月超の運休というのは東日本大震災以来のことだ。しかしなんでまた同じ3月なんだろう。偶然とはいえ、人の流動の多い時期に大変な影響があるだろう。

 被害が大きく復旧に時間がかかっている新幹線に比べて高速道路の復旧は早く、東北自動車道は地震の翌日には全線で早くも通行止めが解除された。東日本大震災のときも復旧までに49日を要した新幹線に対し、高速道路は驚くことに翌日には仮復旧ができて許可車両の通行が可能になったのだそうだ。もともとの被害の度合いも違うだろうし、高速運転で精度を要求される新幹線の線路とゴムタイヤ車両で自由度の高い道路という違いがあるとはいえ大きな差だ。災害時のライフライン確保の観点では道路の方が格段に有利なのは間違いない。確かに、地震に限らず台風などの災害時でも、被災した鉄道の復旧は困難でも並行する道路の復旧が早いのは常だ。それどころか鉄道の場合は復旧できずに廃線になってしまうところが、高千穂鉄道、JR岩泉線、日高本線(部分)、日田彦山線(部分、予定)などたくさんあるが、国道や県道などで災害で付け替えもなく廃道なんて話は聞いたことがない。道路の復旧の方が簡単なこともあるし、鉄道は道路で代替できるが逆はできないからでもある。結局、赤字路線廃止問題もそこに行きつくのだ。

 復旧作業も鉄道の場合は一企業でやらなければらなないのに、一般道は国や都道府県が管理しているのだからその違いも大きい。先年廃止になった日高本線だって、鉄道会社が崩れた海岸線の護岸工事からやらなければならないのだから大変だ。鉄道も上下分離して国道相当の幹線は国、都道府県道相当の地方交通線は都道府県が路線を管理し、JR各社は列車運行だけを担うようにすればいいんじゃないか。今回のケースも高速大量輸送機関としての新幹線の役割は大きく、いくら高速バスを増便したり航空臨時便を飛ばしたりしても限度があるだろう。ならばなおのこと国土の骨組みである新幹線網は国が運営(少なくとも路線部分は)するのがいいように思う。

 

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