スタチンの威力
さて、投薬開始から2ヶ月後の診察日がやってきた。血中コレステロール値(LDL-C/HDL-C)は、前回が164/96だったのが今回は93/116となっていた。驚いた。たった5 mgの小さな錠剤を1日1回服用するだけでこんなに下がるのか。さすがスタチン。大したもんだなあ。
体内のコレステロールは食餌由来と内生由来とがあり、外来から入ってくる量によって内生合成量がコントロールされているので、その比率は1/2~1/4といわれている。とすると計算上は体内生合成量の60%くらいが阻害されていることになる。
いや薬はよく効くんだよ。それは身にしみてわかっている。1992年に研究室を移って以来定年までの26年間、ぼくは食品機能化学研究室に在籍して、食品中の機能性成分の探索研究を行ってきた。そのときにポジコンに使うのがたいていは同じ活性をもつ薬剤で、そのほとんどは食品中の成分など足下にも及ばないくらい高い活性をもっていて、いつもため息しか出なかったものだ。もちろん日常的に食べる食品に薬剤ほども高い活性の成分がはいっていたりしたら逆に危険でもあるので、ほどほどの活性というほうが望ましいという面はあり、要は使い分けということになるのだが。
スタチン系薬剤にはまれに筋損傷という副作用があり、薬剤師さんに筋肉痛とか出ませんかと訊かれた。それは感じないけれど、今日の血液検査項目のなかでクレアチンキナーゼ(CK)活性がいつもより高く、上限値を少し超えていた。単なる一過性のものかもしれないし、CKは運動などでも上昇するので春先になって運動量が増えたせいかもしれない。これは次回の課題ということにしておこう。
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