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2022年5月

2022年5月30日 (月)

ローカル私鉄の輸送密度

 これはおもしろいデータが公開された。鉄道統計年報から個人(タビリス運営の鎌倉淳氏)が独自に算出した数字ということで公式のものではないが、JR各社については赤字路線存廃議論に付随して公表されているものの、他の私鉄に関してはこの種のまとまったデータはみたことがないので興味深い。

 昨今のJR各社の路線存廃基準のひとつである輸送密度が2000以下に相当する私鉄は56路線もあって、そのうち500未満が15、500-999が20、1000-2000が21となっている。輸送密度が500未満というといつ廃止協議に入ってもおかしくないレベルだが、その大半は国鉄時代の赤字路線を継承した第三セクター路線で、赤字は織り込み済みで地元自治体が支えることによって持続している路線だ。その自助努力がどこまでもつかというのはともかく、よそものがどうこういう筋合いではないだろう。

 このうち、タビリス記事でも触れられているように、1位の阿佐海岸鉄道はDMVに転換して再生が始まったところだし、2位の南阿蘇鉄道は熊本地震から復旧の途上、3位の紀州鉄道は民間企業の広告塔の意味合いが強いということで、今すぐどうこうということはない。それより問題なのは4位以下で、ぼくからみても4位の秋田内陸縦貫線、10位の津軽鉄道線などはよくもっているなとしか思えない。秋田内陸はもともと大赤字の国鉄阿仁合線と角館線を三セク化し、中間部(鷹角線)を開業して直通化したものだが、どう考えても直通工事を中断して廃線にしてもおかしくないところだった。津軽鉄道はもともとからの私鉄だが、残っているのが奇跡だ。

 それ以外の路線も、観光鉄道として期待される門司港レトロ線や三陸リアス線、貨物の動脈である道南いさりび鉄道線以外は、どこも大変そうだ。ぼくはもちろんすべてに乗ったことがあるが、ほとんどの三セク路線は国鉄時代に乗ったものだから現況はよくわかっていないけれど、沿線状況が大きく変わっているとも思えないし。現在問題になっているJRの赤字路線も仮に三セク化して存続したにせよ、ここのリストにはいることは間違いないだろう。一時的に延命したとしてもどうみても先行きが明るいとは思えない。

 

2022年5月29日 (日)

十二国記

 久しぶりにブクログの本棚を更新。このブログの開設当初はその都度読んだ本の感想を書いていたが、一昨年の再開からは本の感想はすべて専用サイトであるブクログに移行している。読み終わるとあまり間を開けないうちに感想の下書きは書いておくのだが、手直ししてアップするのがめんどうでいつもたまってしまい、最近は月末にその月の分をアップというのが通例になってしまっている。というわけで今回のは5月分。みると十二国記ばかりだった。

 小野不由美は好きなので前々から気にはなっていたのだが、さる人の紹介文にあってこの際えいやっと読み始めたものだ。読んでみるとおもしろい。いや、すこぶるおもしろい。たちまちのめりこんだ結果がこれだ。この壮大なファンタジーの魅力についてはいろいろな人がいろいろなところで書いていて、まさにその通りだと思うのでここには繰り返さない。実はあと最後の1作というか文庫4冊が未読なので、戴国の行方がどうなるのか興味津々というところなのだが、いずれにしても著者の意向としてはそれでどうも本編はお終いということらしいのが残念だ。

 せっかく十二国のシステムを構築したのに、ここまでの物語はほぼ北東3国のしかも日本から流れ着いた胎果・海客の話に限局されている。それが主題なのだといえばそれまでだが、それからはずれている痛快無比の恭の珠晶の話(図南の翼)がサイドストーリー扱いなのはもったいない。十二国のうちには舜などという得体のしれない国もまだあるし、山から流れてくる山客というシステムも生かされていない。まだまだ物語として広げようがあると思うけどなあ。いや、それは先走りというものだ。まずは最後の「白銀の墟 玄の月」を読んでからだな。

 

2022年5月27日 (金)

BRTひこぼしライン

 2017年の水害で不通になり、その後鉄道での復旧を断念して一部区間を専用区間とするBRTとして再開することが決まっていた日田彦山線添田~夜明間が、2023年夏に開業することが決まった。「BRTひこぼしライン」という愛称がつけられたBRT区間全40キロ(久大線夜明~日田間を含む)のうち、延長4379メートルの釈迦ヶ岳トンネルを含む彦山~宝珠山間の約14キロが鉄道路線敷を利用した専用道となる。峠越え区間を短絡する長大トンネル前後のみを専用道として、その前後はアクセスしやすい一般道という妥当な経路といえるだろう。分水嶺である釈迦ヶ岳トンネルは福岡・大分県境なのかと思っていたら違って、ここは福岡県内で県境は専用区間の終点である宝珠山駅だとは知らなかった。

 国交省のローカル鉄道路線の見直し方についての「鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会」で、赤字ローカル線をJR運行のBRT転換を積極的に推進する姿勢が示されているという話だし、こういうBRT転換は今後のモデルケースとなりうるのかもしれない。同じ九州で同様に大水害で不通になったままの肥薩線のことをつい考えてしまう。あちらはなぜか復旧支援に国が積極的なのがこちらとは大違いだが、とはいっても復旧後の赤字負担問題が残されているのは変わらない。JR九州としてはここをひとつの前例としたいというのが本音かもしれないな。

 

2022年5月25日 (水)

花畔・銭函間運河

 今日の札幌は快晴、最高気温27.0 ℃という夏のような好天で、家にいるのがもったいない。たまたま石狩市民図書館で先週借りた本を返さなければならないこともあり、ウォーキングを兼ねて歩いて行くことにした。わが家から道のりで7.5 kmほど。車なら15分かからないが、歩くと往復3時間かかる。何度か歩いたこともあり、自転車で走ったこともあるので、道中特に目新しさはないが、途中にはちょうど「興産社」、「砂山」という三角点もあり、ついでに立ち寄ったりしてのんびり歩いてきた。

 ところで、図書館には何度も来ているのに、そのすぐ裏の茨戸川寄りのところに運河跡を記念した石碑があるのに初めて気づいた。花畔・銭函間運河というのが明治中期に開削されて舟運に使われていたということだ。花畔から札幌へは現在の創成川にあたる札幌・茨戸間運河があるので、銭函からの荷は両運河を経由して札幌へと運ばれていた。その花畔・銭函間運河は新川から東側はここの茨戸合流点近く以外ほとんど痕跡が残っていないが、西側の手稲山口地区は山口排水川・ポンナイ川として現存している(新旧地図参照)。

 そんな運河があったとは知らなかった。車で来ては気づかない。自転車でも速度がありすぎて見落としてしまう。歩いてみてちょっと脇道にそれるといろいろな発見がある。

 

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石狩図書館の裏手にある運河跡の碑(右手が茨戸川)

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裏面の説明文

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茨戸川との合流部

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合流部近くから銭函方向への水路

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位置図(国土地理院地図(電子国土web)に一部記入)

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新旧地図比較(今昔マップ on the web)

2022年5月24日 (火)

路面電車無料デー

 へえ、札幌でもやるんだ、と思ったら市電だけなのか。最近ちらほら見かけるこの種のイベント。ふだんは公共交通機関を利用しない人に利用してもらって利用拡大につなげるとともに、新型コロナで客足の減っている街中に人を呼び込もうという趣旨で、熊本とか岡山ではバスと電車を1日無料にして大きな集客効果を上げているそうだ。

 札幌規模の街でバスもというわけにはいかないのかな。それなら地下鉄も加えてはどうだろう。札幌市電は1路線しかないから市電だけではかなり限定的にしかならないような気がする。ただ、逆に言えば市電は沿線の人以外まず乗る機会がないだろうから、この機会に電車ならではの魅力を体験してもらうという効果はあるかもしれない。子ども連れて乗ったら喜ぶと思うな。ぼくは昔沿線に住んでいて通学に毎日乗っていたけど、前方にかぶりついて見てるとなかなかおもしろいよ。

 

2022年5月22日 (日)

マスク着用指針

 今さらという気もするが、政府が新型コロナ対策でのマスクの着用についての考え方を公表した。それに先立って専門家会議が指針を示していたのでそれを受けてのことだ。マスク着用は義務でも強制でもないので、公共交通機関とか個々の店舗内などでそれぞれの指示がされている場合以外は基本的に個人の自由だと思うが、同調圧力の強い日本社会では他と異なるのを異様に嫌うから、政府がこんなことまで指針を出さなければならない。

 そもそも十分に距離の取れる屋外ではマスク不要というのは前々から言われていたんじゃなかったろうか。ぼくも夏場はずっと外を走っているが、マスクしたことは一度しかない(苦しくて一度で懲りた)。LSDなどで途中でコンビニに寄ったりする場合は、持って行って店内にはいるときだけ着用はするけれど、それは例外だ。走るのは一人でもちろん会話はしないし、ハーハー息が上がるようなスピードでもないし、すれ違う人がいるときは十分に距離をとるし、そもそもほとんど周りに人がいない。まあそれでも気づかないうちにどこかで白い目で見られていたのかもしれないが、政府のお墨付きが得られたのでこれからは大威張りだ。

 

2022年5月21日 (土)

只見線の復旧

 ついにというかよくやったなというか。JR東日本の只見線会津川口~只見間が2011年7月の豪雨被害で不通になって以来11年ぶりに復旧し、10月1日から運転再開するとのこと。復旧工事に11年もかかったわけではなく、もともと不採算路線だったこともあってそのまま廃線も視野に議論されたうえで、沿線自治体の強い意向で約90億円の費用をかけて2018年から復旧工事が進められていたものだ。90億円の費用のうち1/3をJR東日本、残りを国の補助金を受けて福島県と沿線17市町村が負担したという。このうち国の補助金については、本来黒字企業であるJR東日本への助成はできないことになっていたため、県と地元自治体の強い要請により議員立法による鉄道軌道整備法の改正を行って助成が可能になったものだ。さらに復旧後の運営は上下分離になるため、年間2億円を超える路線維持管理費も県と沿線市町村が負担する。10月の再開後は1日3往復の列車が走るそうだ。

 そうまでして復旧後の列車運行がたった1日3往復。部外者がとやかくいう問題ではないが、なんでそんなにしてまでと思わないでもない。ここまでこぎつけた地元自治体となにより福島県の熱意がすごい。これくらいの熱意があれば同じ豪雨災害で不通のまま自然廃線状態になっている北海道の根室本線東鹿越~新得間の復旧も可能だろうし、その前の日高本線鵡川~様似間の復旧だってできたかもしれない。こうなると地元市町村というよりも福島県と北海道の姿勢の違いだろうな。道内の被災路線復旧に関して北海道はまったくといっていいほど積極的な介入をしていないし。もちろん一ローカル線への福島県のここまでの積極姿勢が今後是と出るか非と出るかはわからないが、彼我のあまりの違いには考えさせられる。

 

2022年5月19日 (木)

石狩川と羊

 昨日はおだやかな好天で、久しぶりに札幌大橋を渡って当別川堤防へLSD。2時間超を走ったのはなんと3年ぶりだ。さすがに疲れた、というかここ数年の衰えを感じてしまう。こんなでフルマラソンなぞ走れるのだろうかという感じ。

 それはともかく、橋を渡った対岸の本庄陸男石狩川文学碑のところになにやら囲いができていて、行ってみると驚いたことに羊がたくさんいる。なんでまたと注意書きをみたら、「堤防除草のコスト縮減を目的として、ひつじによる堤防除草(試験)を実施しています」とのこと。行きには小屋掛けの日陰には20頭ばかりの羊が固まって休んでいたが、帰りにみたらほとんどが草地に広がって草を食んでいた。羊ヶ丘のような丘陵ならともかく、広大な河川敷と羊というのもちょっと意外な風景だ。

 帰って調べてみたら昨年の道新ニュースに載っていた。昨年7月~11月に試行が始まったそうで、継続予定とのことだから今年も再開されたのだろう。当初羊は10頭だったから今年は倍増と規模が拡大されたようだ。羊が逃げないようにと電気柵で囲われてはいるが、当別町側はクマの出没地帯だから被害にあわないといいけど。

 

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石狩川右岸の堤防除草試験風景 
(左が学園都市線橋梁、右が337号線札幌大橋)

 

2022年5月17日 (火)

お色直し

 4月下旬に始まったわが家の塗装工事、昨日足場を外してすべての工程が完了した。まずまず天気にも恵まれたこともあり、連休をはさんで約3週間、実働14日間くらいの作業期間だった。基本的な色調は変わらないが、屋根、外壁ともに少し渋めの色合いになってきれいに化粧直し。内部は変わらないがやはりちょっと気分がいい。新築時はもっと赤っぽかった気がするが、塗り直すたびに落ち着いた色合いになっていくのは年齢とともに好みが変わっていくせいか。上の子が小学生、下の子が年少組の夏に引越してきてからもう31年目になる。まだまだがんばってもらわねば。
 というわけで、今日から遅ればせながら庭仕事の開始。5月半ばとあってすでに春先の花は終わってしまい、ムスカリと遅咲きのチューリップが満開、手前のライラックも蕾がほころびかけている。

 

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ピッカピカの31年生

2022年5月16日 (月)

急行「花たび そうや」号

 一昨年も昨年も予定されていながらコロナ禍で運行できなかった宗谷本線の企画急行列車「花たび そうや」号が、3度目の正直ということで今年はやっと先週末から運行が始まった。キハ40改造車の「山明・北海道の恵み・紫水」の3両編成で土曜日に旭川→稚内、日曜日に稚内→旭川という運用で5/14-15, 21-22, 28-29, 6/4-5の4往復が予定されている。

 宗谷本線沿線特に北部は自然景観に恵まれているし、低迷する輸送密度を少しでも上げるための観光需要の掘り起こしという点で、JR北海道や地元市町村期待の列車だっただけにとりあえず運行に漕ぎつけたことはめでたい。しかしたったの4往復なのか。この時期週末限定というのはやむを得ないだろうが、これから夏にかけてが北海道のもっとも美しいシーズンなのだから、夏休み期間まで毎週末、その後は平日も隔日運行すればいいのにと思ってしまう。もちろん企画にあたっては市場調査とかやっているのだろうから、そんなには集客が期待できないということなのかもしれないが。

 ぼく自身はこういう企画列車は嫌いだから乗らないし、赤字路線維持のための一過性の観光イベントには否定的だけど、真の北海道を体感したいなら、稚内空港から利尻・礼文とか、女満別空港から知床とか、釧路空港から釧路湿原とかへ直行するのではなく、やはり少なくとも千歳あるいは札幌から列車に乗って稚内なり網走なり釧路なりまで行くべきだと思う。だから、なかでも最も列車頻度が脆弱な宗谷本線にこういう列車が走る意味は大きいし、もっともっと宣伝してひとりでも多くの観光客に乗ってほしい。4往復じゃもったいないよ。

 

2022年5月14日 (土)

厳選スーパージャイアントvol.1

 ついに出たニコリのスーパージャイアントだけを集めた傑作選。ニコリのパズルをやっていると、やはりより大きいサイズのものをとエスカレートしていき、1ページ大の大判パズルを集めた別冊パズル・ザ・ジャイアントシリーズを買うようになる。それでも飽き足らなくなると、2ページ大のスーパージャイアントということになるのだが、これは本誌の付録にしかないので欲求不満が募ろうというものだ。そんな声に応えて満を持しての発売だ。

 さてどういう体裁になっているのかなと開けてみると、ニコリ本誌と同じサイズの紙の折ケースに通常は巻末に二つ折りで綴じられているスーパージャイアントの色印刷紙が。綴じないままでバサッと20枚はいっていた。大判地図を折って紙カバーに差し込んで本の体裁にしてあるやつがあるが、ちょうどあんな感じだ。ぼくはいつも本誌から切り取ってA4紙にコピーしてから解いているので、切り離す面倒がなくてうれしい。

 裏表印刷が20枚で計40問。パズルの内訳はニコリのwebページにも載っているが、ニコリ本誌既発表作の再録ということなのに、初出の一覧が見つからなかったので以下に書き出してみた。バックナンバーをたくさん持ってるよという人や、過去に解いた問題はすべて暗記してるぜというスーパーな人は参考にしてほしい。

 カックロ(126-5, 140-5, 128-5, 138-5, 116-5, 124-5, 94-5, 118-5, 120-5, 90-4)
 スリザーリンク(139-7, 131-8, 143-7, 113-8, 119-7, 97-7, 117-7, 103-7, 89-7, 109-8)
 ぬりかべ(139-7, 97-6, 93-6)
 へやわけ(100-7, 144-7, 115-6)
 美術館(138-7, 105-19, 116-6)
 天体ショー(107-6, 112-4, 136-7)
 ましゅ(141-7, 121-6, 110-6)
 ナンバーリンク(111-21, 99-7)
 フィルオミノ(101-6, 123-20)
 浮き出しメイロ(92-2)

 時期でいうと、89号(2000年冬)から144号(2013年秋)までが収録範囲となっている。ぼくの手持ちのバックナンバーでは1題だけすでに持っているのがあった。10年以前ということで、最近のパズルではシャカシャカ、のりのりあたりの新しいのがラインアップから外れているのはわかるが、ましゅがあるのなら同時期登場のヤジリンもいれてほしかったな。あと、カックロとスリリンが定番で収録数も多いのは納得だけど、この値段(税込み1760円)なら欲をいえばこの2種についてはハイパージャイアント(4ページ大)の新作を裏表で収録してくれてもよかったのでは。それはともかくこれからしばらく楽しめるぞ。

 

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ケースと内容物

2022年5月12日 (木)

詰将棋パラダイス2022.5月号

 詰将棋パラダイス5月号、到着日は5月2日。結果稿は2月号分。3ヶ月ぶりに幼稚園を全題正解して、ちゃんと上半期1回目のところに名前が載った。これからもミスしないようにがんばろう。それはともかく保育園と幼稚園は解答者が多いので、毎月毎月解答を送っていてもなかなか各3人の当選者に選ばれない。今月は解答者が140名くらいなので倍率は45倍、ということは4年連続応募していれば1回くらいは当選する確率だ。ぼくが解答応募を始めたのは2018年1月号からだから今年が5年目。そろそろ当たってもいいころだ。

 小学校、中学校は無事通過、高校はとみると今月も結果稿が休載だ。2ヶ月連続となると担当者はどうしたのだろうと心配になる。毎月の選題はされているのだが、そちらには今月で担当を交代するとの言葉が載っていた。手数順問題でずいぶん消耗されていたみたいだし、毎月毎月の原稿に追われて大変だったのだろうな。お疲れさまでした。
 短大の前半は名前を見ただけでぜひ解いてみたくなる作者が並ぶ。斎藤仁士さんは相変わらず軽快で楽しく、青木裕一さんはたくらみのある手順でつい間違えた。初手34飛だと当たり前すぎるよなあ、ストロボ合なんて初めて聞いた。そしてもうひとりのサイトウさん、齋藤光寿さんには脱帽という話はすでに書いた。後半はうって変わって名前を見ただけで敬遠したくなる作者が...(すみません並べてもいません)。

 あとの単発コーナーはほとんどパス。どうも今年は気合が入らないな。フェアリーランドはがんばったけど、2題のばか自殺(協力自玉)詰ができなかった。どうも自玉詰は苦手だ。なんで相手玉を王手で追いながら自玉を詰むようにもっていかねばならないのか、論理の倒錯が性に合わないのだよな。トリッキーなキルケは好きなので最後の6番はおもしろかった。
 推理将棋と将棋パズル雑談はどちらも全題正解。推理将棋の今月の問題には久しぶりに(3年ぶり?)殿様将棋が出題されてうれしい(王様将棋になってるけど)。いつもながらの独善的手順で楽しめる。ぜひどうぞ。将棋パズルの出題分75番は「先手玉は18に配置する」という条件が脱落というメールが担当者からきた。ご注意を。

 今月の1作は短大の齋藤光寿氏作はもう別エントリを立ててしまったしどうするかな。たまにはこんなのはどうですかねということで、谷川浩司九段の光速流双玉ルームの問題を。この連載、3月号が第9回なのだけれど恥ずかしながらこれまで1問も解けていなかった。初めて解けたのがこの問題。時々はこれくらいやさしいのもお願いします。

 

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詰将棋パラダイス2022年3月号谷川浩司の光速流双玉ルームより

2022年5月11日 (水)

もうひとりのサイトウプロ

 詰将棋パラダイス5月号の話は別に書くとして、結果発表にあった齋藤光寿奨励会三段の作品のお話。サイトウプロの詰将棋といえば、まずは名人戦七番勝負真っ盛りの斎藤慎太郎八段が浮かぶ。この間の第三局は渡辺名人の見損じでの逆転勝利だった。まだ内容はあまりよくないのかもしれないが、これをきっかけにしてなんとか盛り返してほしいものだ。話が逸れた。その斎藤八段に勝るとも劣らないのが、もうひとりのサイトウプロ齋藤光寿三段の詰将棋(厳密には奨励会員はまだプロではないのかな)。このへんの話は前にも書いたことがある。

 さて、詰将棋パラダイス2022年2月号短大8出題の25手詰。これが詰みそうで詰まない。ぼくは2月の半分くらいはこればっかり考えていた気がする。結局解けなかった。解答をみると、ああ何で気づかなかったかなあ、決して難しい手順じゃないのにとがっくり、そして感心した。なんてうまいんだろう。

 

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(A)詰将棋パラダイス2022年2月号短大8齋藤光寿氏作

 

 図Aが出題図。持駒がないので初手は34飛か54桂くらいしかない。飛車は左に使いたい気もするのでまずは54桂と跳んでみる、とすかさず48歩中合がくる。これは取るしかないが次いで47歩と連続の中合だ。これも取るしかないが馬筋が二重にブロックされてしまうので、順序としてまず34飛43玉を効かせてから連続中合を取ることにして、53玉と逃げた局面が図Bだ。

 

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途中図B

 

 図Bから62銀生64玉と追うと、歩2枚しかないので65歩同玉くらいで後続手がない。このとき47の香車が飛車だったら67飛の両王手で詰みだ。そうかそうか、図Bのときに43香成同玉47飛とすればよいのだ(図C)。53玉と逃げればこんどこそ62銀生64玉以下詰む。

 

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47香を飛に変えた図C

 

 ところがそうは問屋が卸さない。図Cでは45歩という小癪な中合があって、同飛ととると53玉62銀生64玉となったときに馬筋が通ってしまったので65歩が打歩詰めだ。さりとて55歩が邪魔で飛車が回れない。これで香を残すと詰まないし、飛に変えると打歩という寸法になって手も足も出ない。凡人のぼくは気づかなかったが、経験を積んだ人ならここでははーんとなるのだろう。図Bへもどって47香をおいたまま62銀生64玉65歩同玉の局面でさらに66歩と打つ手がある(図D)。取られて詰みそうもないと思ってしまったが、同玉には39馬と寄る手があって詰んでしまうのだ。

 

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途中図D

 

 なので66歩には64玉ともどるよりない。そこで73銀生53玉ともどすのが二の矢だ。73銀生を同玉なら82飛成64玉62桂右成以下簡単だ。62銀生64玉の局面では54の桂馬を動かせないのでついこの順が盲点になり玉を戻すという発想が浮かびにくくなっている。この2点に気づけばあとは簡単なのだ。53玉ともどったところでこんどは43香成同玉47飛と回ることができる(図E)。

 

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途中図E

 

 図Cとの違いは66歩があること。なので図Eで45歩と中合しても、取って6筋に追ったときに65歩突きで詰んでしまう。というわけで図Eからは単に53玉と逃げて、62銀生64玉65歩同玉67飛までのきれいな両王手詰みとなる。わかってみれば打歩詰解消のために事前に歩を置いて突き歩にするというよくある手筋のひとつに過ぎないのだった。わかってみれば、ね。恐れ入りました。

 

 

2022年5月 9日 (月)

連休佳日

 ほとんど何もしないまま終わってしまった今年のゴールデンウィークだが、最後にほんの近場へお出かけ。体調もなんとか回復した7日の土曜日に孫のひとりを連れて百合が原公園へ行ってきた。おりしもチューリップとムスカリが満開で、ひととき鬱屈を忘れて癒されてきた。
 3人いる孫のうち真ん中の孫姫は1歳10ヶ月。とにかく活発な子でリリートレインに乗ってしごくご機嫌だった。2年前の夏に上の孫がほぼ同じ年恰好のときにも来たことがあって、そのときは最初はこわがってなかなか乗りたがらなかったのとは対照的だ。ひとりひとり個性があってまったく違うのがおもしろい。来年、下の孫を連れてきたらどうかな、楽しみだ。

 

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春の百合が原公園

2022年5月 8日 (日)

NHKカメラが走路妨害

 これはいくらなんでもひどすぎる。ネットニュースで事故が起こったのは知っていたけれど、実際に動画で見てびっくり。
 昨日の陸上日本選手権男子10000メートル競技で、トップ選手がゴールした直後に近づこうとNHKのカメラマンがフィールド内からコースに出てしまって周回遅れの選手にぶつかったという事故。周回遅れの選手がぽつんと走っていて目に留まらなかったのかと思っていたら、全然違った。まだ選手はたくさん走っていてレース真っただ中ではないか。なんでカメラマンの目に入らなかったのか不思議だ。カメラのファインダーでゴールする選手をずっと追っていて、周りが全然見えなかったのか。動画のそのシーンでは、後ろからアシスタントが止めようと手を出しているのが間に合わなかったように見える。カメラマンもカメラマンだけどアシスタントももっと早くに止めるべきだろうし、周りに他に人もいただろうに。
 ぶつかった選手は病院の検査では異常がなかったとのことだけど、ケーブルが引っかかった首の痛みで静養中だそうだ。無事に回復されることを祈りたい。

 

2022年5月 6日 (金)

消えた三角点

 このゴールデンウィークは久々の行動制限なしの連休となって、どこも大幅に人出が増えたとニュースでやっていた。そうかもうどこでも自由に行けるわけなのか。おりしも外を出歩くのによい時候でもあり、勇躍3年目の三角点めぐりに足を延ばしたいところだが、あいにく今年はいろいろと個人的な支障があってまだ出かけることができないでいる。そのかわりに地図を眺めては次はどこへ行こうかと思いめぐらすだけの日々だ。

 それで気づいたのだが、一昨年2020年9月24日に探し回って見つからずにいたJR苗穂駅近くの三等三角点「苗穂町」、その表記が国土地理院電子国土Webの地図上から消えているではないか(下図青矢印)。当時書いたブログ記事にも追記したように、ここはその後基準点成果情報に2021.9.30付で「手続中(廃点・停止)」と表記されるようになっていたので、いずれなくなるのだなとは思っていたがほんとに地図上から抹消されてしまった。どういう経緯なのか、公園内の造作変更工事かなにかの折に、市街地でもあり利用価値がもうないと考えてなくしてしまったのだろうか。電子国土Webの地図はまめにアップデートされていて、JR線廃止とか先日のロイズタウン駅開業なども即日反映されているので、三角点についても同じことなのだろう。

 正式な廃止日はいつかわからないが、たぶんここ数ヶ月以内のことだろう。ただ実際にはすでに2年前にぼくが行ったときにはなくなっていたわけで、ずいぶんタイムラグがあるものだ。探索して不明に終わった三角点はほかにもたくさんあるけど、こういうこともあるのかもな。

 

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国土地理院電子国土Webより(左:2020.9.28、右:2022.5.6)

 

2022年5月 4日 (水)

生薬効果

 昨日の話の続き。次は本線の感染性胃腸炎に処方された薬について。ぼくはふだんあまり医者にかからないので、薬をもらってくると物珍しくつい調べてしまう。といっても今は薬局で説明を書いた紙を一緒にくれるので手間暇はかからない。写真の左からガスモチン・アルサルミン・レベニンS(3剤混合散薬)、ストロカイン(錠剤)、フェロベリン(錠剤)、チアトン(カプセル)の4種類。散薬なんてのはいまどき珍しいような。いかにも胃薬という感じがする。

 それはともかく、おおと思ったのが薄橙色のフェロベリン錠剤で、成分がベルベリン・ゲンノショウコエキス配合だという。生薬ではないの。ベルベリンならよく知っている。代表的なイソキノリンアルカロイドでメギ科植物成分だ。メギ科というのは原始的被子植物である多心皮群に属するちょっと変わった分類の植物で、昔興味を持ってちょっと成分探索を試みたことがある(後記:ぼくの植物分類の知識は40年前の水準なので現在は変わっていると思います)。といってもここいらで見られる種はほとんどなく、低山の林内に今頃花を咲かせるサンカヨウくらいしか手に入らなかった。その根の成分として簡単に結晶性成分が得られ、調べてみたらポドフィロトキシンというリグナンの1種だった。既知化合物だったのでそれはそこでおしまいとなったが、その縁でうちの裏庭にはサンカヨウが1株植えてある。ゲンノショウコのほうもよく知られた生薬で、よく効くから「現の証拠」と名付けられたというのは有名な話。ゼラニウムの仲間でこちらは豊富なタンニン成分が活性の元となっている。

 ぼくは特に天然自然志向というわけではないが、こういう天然生薬をみると親近感をおぼえて、なんとなくこいつは効きそうだなと思ってしまう。昔は天然物化学屋のはしくれだったもので。

 

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感染性胃腸炎の処方薬

 

2022年5月 3日 (火)

新型コロナ抗原検査

 5月の幕開けは散々なスタート。一昨日夜から強烈な下痢と嘔吐に見舞われてほとんど眠られず、翌朝には38度の発熱という症状に。これはウイルス性胃腸炎かな、食べ物に思い当たるものはないし同じものを食べている連れ合いはなんともないけど。朝になってもむかむかして何も食べられないし、さりとて熱があると気軽に病院にも行けないしどうするかなと思っているうちに、連れ合いがさっさと発熱外来紹介窓口に電話をかけ出した。住所はどこですかと聞かれて近くの病院を紹介してくれるのだが、篠路といわれて二の足を踏む。試しに近所のクリニックに電話してみたところ、幸いにも発熱外来をやっていて13:15に来てくださいということになった。

 こんなのは初体験なので興味津々で行ってみると、まずすぐに一番奥の隔離室へ連れていかれて、検査結果が出るまではそこに缶詰になる。問診票を書いて待つと、医者が簡易防護服を着て現れて、アクリル板、顔面シールド、マスク越しに会話。その後、テレビでよくみるように、鼻から細長い綿棒を差し込んでぐりぐりと検体を採取された。これはけっこう痛い。経鼻内視鏡はやったことがあるがあれは麻酔してるからな。結果が出るまで30分かかりますといわれて医者は消え、放置される。しかたないので携帯で時間をつぶす。30分後に呼び出されていつもの診察室へ。これで陰性だったかなとわかる。あとは型通りの診察で感染性胃腸炎でしょうと薬を処方される。コロナ検査の結果は、キットを見せてくれて陽性だとここにもう一本バンドが出るので、陰性ですと説明された。

 ずいぶん簡単なキットなんだな。ネットで調べると、キット表面の六角形に検体溶液を滴下し、右の橙色部分をギュッと押して正確に30分待つだけという。「r」表示部がコントロールで、コロナ抗原があると「T」の位置にもう一本バンドが出る。見かけは電気泳動っぽいがどうみてもそれは無理だ。裏返してみると単にろ紙片様のものがはさまっているだけで拍子抜け。想像するに橙色ボタン部分の裏にふくらみがあるので、ここを押すと溶離液が染み出していってペーパークロマトのように左へ展開されていき、ちょうど30分で目的抗原がマーカー位置にくるようになるのだろう。後処理もなにもないのであらかじめ抗体や発色剤は入れてあるのだな。使用前の写真を見るとコントロールはあらかじめこの位置に塗布してあるようだ。短時間で数をこなすためのキットだから単純化されているのだろうが、うまくできているものだ。

 

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キット表面(上)、裏面(下)(スケール入れるの忘れた、全長8.5 cm、全幅1.5 cm)

 

2022年5月 1日 (日)

2022.4月の総括

 心配することなどなにもなく、ちゃんと季節は移ってサクラも咲いた。先月の総括のときには開花予想が4/24だったのが、実際にはそれより早く開花が4/23(前年比+1日、平年比-8日)で、満開が4/25(前年比-2日、平年比-11日)だった。しかも例年は5日かかる開花から満開まで2日というスピードだ。雪が解けてからの気温の上昇が早かったことがわかる。うちの近所のあいの里公園のミズバショウも例年通り4月下旬には盛りとなっている。ただし雪解けが遅かったのも事実なので、庭の春咲き球根類は1週間遅れという感じだ。

 個人的には、4月も下旬になってやっと身辺が落ち着いてきてやれやれというところだ。気候も良くなって庭仕事に精を出す時期だけれど、あいにく今年は10年ぶりの家の塗装工事が真っ盛りとなって庭に出られない。外を軽装で走れる時期になったのが救いではあるが、ここのところのクマ出没騒ぎで、あまり人気のない川沿いのコースはちょっと行きにくい。なんて言っているうちにすぐカラス襲撃の季節になってしまう。ああ、そういえばコロナってのもまだあったな。

 4月の記録 (3月比)
  エクササイズ日数 28 (+1)
  走行距離 (換算km) 162.7 (+45.8)
  総エクササイズ (Ex) 201.0 (+50.9)
  体重 (kg) 65.8(-0.6)
  体脂肪率 (%) 16.1 (0.0)

 

220501
定点観測(家の裏)

 

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