只見線の復旧
ついにというかよくやったなというか。JR東日本の只見線会津川口~只見間が2011年7月の豪雨被害で不通になって以来11年ぶりに復旧し、10月1日から運転再開するとのこと。復旧工事に11年もかかったわけではなく、もともと不採算路線だったこともあってそのまま廃線も視野に議論されたうえで、沿線自治体の強い意向で約90億円の費用をかけて2018年から復旧工事が進められていたものだ。90億円の費用のうち1/3をJR東日本、残りを国の補助金を受けて福島県と沿線17市町村が負担したという。このうち国の補助金については、本来黒字企業であるJR東日本への助成はできないことになっていたため、県と地元自治体の強い要請により議員立法による鉄道軌道整備法の改正を行って助成が可能になったものだ。さらに復旧後の運営は上下分離になるため、年間2億円を超える路線維持管理費も県と沿線市町村が負担する。10月の再開後は1日3往復の列車が走るそうだ。
そうまでして復旧後の列車運行がたった1日3往復。部外者がとやかくいう問題ではないが、なんでそんなにしてまでと思わないでもない。ここまでこぎつけた地元自治体となにより福島県の熱意がすごい。これくらいの熱意があれば同じ豪雨災害で不通のまま自然廃線状態になっている北海道の根室本線東鹿越~新得間の復旧も可能だろうし、その前の日高本線鵡川~様似間の復旧だってできたかもしれない。こうなると地元市町村というよりも福島県と北海道の姿勢の違いだろうな。道内の被災路線復旧に関して北海道はまったくといっていいほど積極的な介入をしていないし。もちろん一ローカル線への福島県のここまでの積極姿勢が今後是と出るか非と出るかはわからないが、彼我のあまりの違いには考えさせられる。
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