詰将棋パラダイス7月号、到着日は7月4日と遅かったが、これは郵便の土曜配達がなくなったせいなので致し方ない。
結果稿は4月号分。まず幼稚園を確認するのが習慣になってしまった。ちゃんと上半期2回目のところに名前が載っていて一安心。4月号で2回目だからやっと勝率5割になった。あとは、あれ高校に名前がないぞと思ってよく解答を見返したら、高19の12手目同飛寄の「寄」を書き落としていた。この作品、取れる飛車をわざわざ逃がして反対方向に桂馬を跳ぶというのを2回繰り返すおもしろい作。同飛引だと飛車取って余ってしまうから「寄」と限定しないと不正解なのだ。相変わらず不注意だ、ほんと最近こういうの多いな。
短大は19が無解だった。初手24龍だろうなと思ったんだけど下辺へ追い出してからがわからなかった。そんなに難しい手順じゃないのにな。あとは推理将棋は易しかったので全問正解、フェアリーランドも苦手なばか自殺詰の5番以外はできていた。驚いたのがデパート。ぼくは1番の斎藤慎太郎氏作が解けて満足していたのだけど、4番の岩村凛太朗氏作がすごいすごいと褒められていたので、並べてみたらほんとにすごくてびっくりした。こんなことできるのか。こういうのが自力で解けたら楽しいだろうな。今号の目玉である看寿賞発表を見てもわかるように、最近のデパートはほんとに目が離せない。
さてその看寿賞、ぼくが自力で解いたのは短編賞作品だけなので、これしか評価のしようがない。いやこれはおもしろいなと思ったので受賞は納得だ。それはともかく毎回思うことだけど、選考過程の各委員のことばを見ていると、もう個人個人の感じ方考え方というしかない。絶対に客観的な評価基準があるわけではないので、それは仕方のないことだ。ノーベル賞などどんな立派な賞だってそれは同じで、結果がすべてで文句をつけてもしかたがない。なので長々と25頁(全108頁の約1/4)も誌面を割くのは無駄だと思う。選考経過はwebページにでも載せればよいのでは。
そういえば今号では妖精賞の発表もあった。フェアリーランドの作品みたいだけど、こちらは誰がどういう基準で選んでいるのか一切書かれていない。これも極端だな、もうちょっと説明があってもいいと思うけど。ぼくとしては、こっちは短編部門と長編部門作品をリアルタイムで解けたのがちょっとうれしい。長編は繰り返し手順の切り分けに感心したし、短編はあまりのばかさ加減に感心した。ふだんは「ばか詰」より「協力詰」の語の方が好ましいと思ってるけど、こういう作品はまさに「ばか詰」だなと納得してしまう。
というわけで、今月の1作は妖精賞短編部門の青木裕一氏作ばか詰11手(フェアリーランド2021年8月号フェアリーランド3番)。持駒を順に打つだけ、ぜひ究極のばか詰を味わってください。
詰将棋パラダイス2021年8月号フェアリーランド3番
青木裕一氏作 ばか詰11手
(第33回妖精賞短編部門受賞作)