詰将棋パラダイス9月号、到着日は9月1日。結果稿は6月号分。この月は詰棋校がお休みで、その代わりに年に一度の順位戦があった。順位戦は15手以内だから高校クラスなのだけど、力のこもった作品が多いのでなかなかに手ごわい。まともに全部解けたためしがない。それにしても今年は成績が悪く、A級が5題中4題、B級が8題中5題、C級が10題中5題しか解けなかった。ついでにいえば手練れの作品で複雑怪奇な難問が少ないので好きな同人室も16題中10題、こちらも楽しみにしているやさしい大学院にいたってはひとつも解けていない。今年の不調ぶりがうかがえる。
というわけで感想を述べるほど自力解答ができていないので個々の感想は割愛。となるともう書くことがない。いやいやちゃんとある。6月は神無一族の氾濫の月だ。これも楽しみの一つ。5題中2-4の3題はそれぞれ楽しめた。5題目のたくぼんさん作の長編はいつも眺めるだけだが、1題目の神無三郎さんの「スガレ狩」は、狭いところの追い回しでおもしろそうなのでずいぶん考えた。ふむふむ合駒で歩を稼いで突歩詰にするのだなと予想して、角で追い回す。あれ簡単じゃんと思いきや、あああ二歩だ。2筋に攻方、3,4筋に受方の歩が立たないのだ。というわけで格段に難しくなる。どうやって歩合させるんだ。半月くらい考えたけどギブアップ。おかげで順位戦まで手が回らなかった、ということにしておこう。
そういえば、推理将棋もなかなかだった。510番中村雅哉氏作。これもずいぶん考えた。月が明けてもまだ考えていた。どうやっても生銀だけの連続王手で詰めるのは不可能というのが結論だった。結果稿の最終図を見て驚嘆。ああこの手があったか。なるほどねぇ。頭固いなあまったく。
あとは、ちえのわ雑文集にヤン詰の昨年度成績が載っていた。首位予想は12回中10回的中で3位タイだった。全的中者はなく最高が11回だからなかなかの成績ではないか。といいつつ今月号掲載の6月号結果でははずしてるし。しかし2位を16ポイントも引き離して40%もの解答者が首位予想に投票したダントツの作品が首位をとれなかったというのも珍しいのでは。首位は予想者の多寡ではなくあくまでABC評価で決まるのでこういう逆転もありえるのだ。
今月の1作は、詰将棋デパート1番ローマ在住のブルータス氏による「カエサル手筋」。まったく作者名から作品名まで人を食った作品だ。ブルータス手筋のパロディだなと思ったが、そもそもブルータス手筋をよく理解していないので、解いてもいまひとつ意味がわからない。伊佐間氏の短評を読んで実によくわかった。なるほどそういうことか。考えつくだけでもすごいがつくっちゃうってのがすごい。誰ですかこれ。
詰将棋パラダイス2022年6月号詰将棋デパート1番
ブルータス氏作「カエサル手筋」