西九州新幹線開業
西九州新幹線武雄温泉~長崎間が昨日開業した。本来は九州新幹線の新鳥栖から分岐して新鳥栖~長崎間をつくる予定だったが、途中の佐賀県の反対にあって新鳥栖~武雄温泉間が着工の目途すら立たず、先っぽの長崎県部分だけを先行開業したというのは周知のとおり。おかげで実キロで66 kmと最も短い新幹線となった。所要時間は最短で23分。これに博多~武雄温泉間の54分と乗り換え時間3分を足すと、博多~長崎間は1時間20分になる。これまでの在来線特急「かもめ」が1時間55分だったから35分の短縮だ。まあ違うといえば違うけれど、博多からリレー特急に1時間弱乗って、武雄温泉で対面ホームとはいえ3分で急いで乗り換えて、新幹線に乗ったと思ったら20分で到着、というのも慌ただしくないか。ぼーっと2時間座っている方が楽な気がするが。
新幹線開業というと華々しいイベントのはずなのに、昨日はニュースでも台風15号に押されて控えめだった感がある。いわくつきの部分開業で手放しで喜べないという事情もあるのかと勘ぐってしまう。先端部分の先行部分開業というと九州新幹線のメインルートである鹿児島ルートを思い出す。こちらも先っぽの新八代~鹿児島中央が2004年に先行開業して、その後2011年に博多~新八代間がつながった。どういう規格で建設するかについてすったもんだあったためにこういうことになったのだと記憶する。あちらは曲がりなりにもつながったからいいものの、今回の西九州ルートはまったく中間部分の見通しが不透明で、着工どころかルートすら決まっていない。最悪、部分開業ではなくこれで最終形態ということにもなりかねない。中途半端も極まれりだ。
佐賀県の言い分もわからないではないが、こういう問題は地元の県とJRだけで解決できるものなのかという気がするな。全国新幹線網は国の骨格なのだから、国が主導して計画・実施すべきだと思う。話は違うがリニア新幹線の静岡県問題もそうだ。JR東海と静岡県庁がいくら話し合っても平行線のまま進まない。こちらは優良上場企業であるJR東海の丸抱え工事だから事情はちょっと異なるとはいえ、リニアは完成すれば莫大なインパクトのある国家プロジェクトともいえるだろう。どちらも建設の是非はおくとしても、他人事のように傍観せずに国が率先して議論・調停に乗り出すべきだ。沖縄の辺野古基地移設ではあんなに県の意向を無視して建設強行しているくせに、基地問題に比べれば新幹線なんて所詮どうでもいいと思っているのだろうか。まあ重要ポストの国土交通相を他党に譲っているのだから自民党政権の認識なんてそんなものだ。
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