文庫解説目録
続いて今読んでいるのがジル・チャーチルの「ゴミと罰」。こいつは老人ものではなくて主婦ものというべきか。こういうのも結構多いジャンルな気がする。日常生活が主題になるから捜査中心の警察小説などより書きやすいのかな。それはともかくこのタイトル。もちろん「罪と罰」のパロディだ。で、原題はというとこれが「Crime and Punishment」ならぬ「Grime and Punishment」ときた。原作者の茶目っ気はもとより、洒落を洒落として訳した邦訳の秀逸なこと。この人もぼくは初読なのだが、このシリーズものすべてがこの調子の名作パロディタイトルだというから驚く。おそらく訳者が最も頭を悩ませたのがタイトルの訳に違いない。
ところで、昨日といい今日といいこういう変わったタイトルの本をどうやって選んでいるかというと、東京創元社解説目録というのを最近入手して、そこから選んだものだ。文庫解説目録というと、昔は各社それぞれのが書店の書棚の横とかに吊り下げられていたものだが、最近とんと目にしない。検索はwebページで手軽にできるようになったので、冊子体のはなくなってしまったのかと思っていた。それが、たまたま大型書店(コーチャンフォー新川通り店)で文庫の棚に数冊おいてあるのを見つけた。文庫サイズ500頁を越える厚さで、勝手にもらっていいものか迷ったので店員さんに確認してもらってきた。昔と変わらない体裁で、1頁に5冊分が収録され、それぞれ細かい字で30字×5行の内容説明がつく。どれもぴったり150字前後でまったく余白がないという芸にも驚くが、なによりパラパラ読んでいるだけでも楽しいし、選書には絶好だ。創元を入手したからあとハヤカワ文庫のがあれば鉄板だな、どこかにないかな。
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- パズルBOX15(2024.02.06)
- 幻影城再読(2024.01.30)
- 2023年の一冊(2024.01.10)
- パズル通信ニコリ185号(2024.01.05)
- パズル通信ニコリ184号(2023.09.25)
コメント