二ヶ月経過
「学び直し」進捗報告その2。前回は300ページを越えたところだったが、それから1ヶ月で588ページまできた。遺伝子の複製に続いて、転写、翻訳、それらの調節というセントラルドグマの中心を概観し、一転して生体分子の分析法、観察法へと進んだところだ。
いろいろ盛り沢山で相変わらず驚くことばかりだが、たとえば複雑な遺伝子転写の制御メカニズム。真核生物では数十から場合によっては数百のタンパク質が共因子として一度に働いていると。うーん、数百なんてどうみても話盛ってるだろうとしか思えない。数百人の人数に個別の指令を与えて共同作業を過たずしかも短時間にこなさせるとしたら、どれだけ訓練に時間がかかるだろう。タンパク質は神か。こんな複雑精緻な機構を細胞内にもっている人間が、なんで愚にもつかない過ちばかりおかすのだろうか。
それはともかく、その仕組みのプリミティブなところで大腸菌のLacオペロンがでてきた。懐かしい。これは学部の講義で習った。発見されたのが1960年代後半だ。ぼくの学生時代は70年代半ばだから、当時は最先端の知識だったのだ。考えてみるとDNAからRNAを経てタンパク質への流れはさすがにそれ以前から知られていたものの、実際の詳細の解明はもっと新しく、たとえばエクソン、イントロン、スプライシングなどが見つかったのすら70年代後半だというからびっくりだ。学生時代にはまだ知られてなかったのだ。そりゃ昔の知識なんて役に立たないわけだよ。一事が万事こんな調子だ。それ以降どこかの段階で断片的に知識としては得てはいたものの、体系的かつ網羅的に学ぶ機会などなかったのも当然だ。今の学生がうらやましい。
まあ、そんなことを知っただけでも学び直しの意味はあるということだな。こうなると学び直しというより学び始めといった方が的確だろうけど。
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