詰将棋パラダイス2023.3月号
詰将棋パラダイス3月号、到着は3月2日。結果稿は12月分で、例年通り短編コンクール、同人室、やさしい大学院、神無一族の氾濫といったところ。
短コンは7手詰50題で、12月号の感想に書いたかもしれないが、図抜けたのがなくてどれも似たような印象だった。解いて行って評価をつけるとCがいくつかのほかは全部Bになってしまった。これでは差がつかないので再度見直してめぼしいものにAをつけたが、それでもA評価は8作にしかならなかった。いつもはシード権内の15個にAをつけるのが目標だから半分だ。結果をみるとぼくがAをつけた8作のうち15位以内にはいったのは2作しかなかった。トップ作はともかくとして、15位が2.50点、25位が2.40点だから本当に差が小さかったことがわかる。みんな評価には苦労したろうな。
なかでダントツの1位作はまたというかやっぱりというかの山路さんだった。最遠打に桂中合でそれを跳ねさせての詰みという大仕掛け。改めてみると納得なのだが、実はぼくはAをつけていない。この作者だから驚かないというのもあるが、それよりこの構想は最低7手かかるので、最短で達成したともいえるし、逆にそれしかないともいえてしまう。序奏も余韻もなく、正直、え、これで終わり、という感じなのだ。7手詰コンクールなのだからしかたないが、前後をつけてせめて11手くらいにしたら質が上がるんじゃないかなあ。なので、ぼくとしては、翻弄物とか2手くらい好手をいれた手筋物の方が、完成度が高く見えてしまう。もちろん個人的な好みの問題だけど。
同人室はやさしかったのか久しぶりに全部解けてうれしい。やさ院はこの頃あまりやさしくないので3番だけ解けた。手数と最終手とハの変化はあってたのでたぶん正解だったのだろう。本作のみの解答者3名のうち1名はぼくだ。あとはデパートが久しぶりに全部解けたのもうれしい。いずれもすこぶるおもしろかった。4番と5番はちょっと考えたけど、からくりがわかりさえすれば、試行錯誤しているうちに解けた。5作を通じて誤解者ゼロというくらいだからいずれも考えやすかったのだろう。
ちょっと残念だったのが神無一族だな。なんとか4題解いたのに2題しかあってなかった。正解できたのは1番と4番。1番はぐるぐる考えてなかなか手数が合わずに苦労したが、最後に19角打を発見。なるほどこのための受先だったのね。4番の歩王詰には爆笑しかない。ルールもルールだし、こんなことよく考えるな。玉が歩の動きなのだから簡単に詰めそうなところを、なんと玉不成として自らの動きを制約することで打歩詰誘致するとは。間違えたのが2番の点鏡。よし、と思ったのに全然違ってた。点鏡は落とし穴がいっぱいで難しい。5番の安南詰はうまく解けたつもりだったんだけど、書いた詰手順がまるでおかしい。なんか初期配置を間違えているみたいだ。盤に並べて解いたのに変だな。
さて今月の1作。たまには初級者向けキッズルームから、2番神品和男氏作5手詰。ずいぶん長い間眺めていてやっと解けた。キッズルームあなどれないわ。
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