« あれから12年 | トップページ | 詰将棋パラダイス2023.3月号 »

2023年3月13日 (月)

鰻の寝床

 そういえば数日前に北海道新幹線の札幌車両基地のデザインが報道されていて、ほほうと思った。詳細が見たいと思って元ネタをさがしたところ、札幌市のwebページの北海道新幹線のページに鉄道・運輸機構による事業概要説明というパワポ資料があった。これがとてもわかりやすい。

 北海道新幹線のメインの車両基地は函館なのだろうが、札幌延伸時には車両の留置や仕業検査などのためのサブ基地を札幌近辺に置かざるを得ない。それをどこに造るかというのは難題だ。在来線の車両基地は苗穂と手稲にあって、このうち東側の苗穂運転所は苗穂駅のすぐ北側にあるから、新幹線の高架線をそのまま延長して敷地内へ下ろせばスペースの捻出くらいはできそうだが、新幹線は在来線の南側なので、在来線の線路をまたがねばならないという大問題がある。もともと在来線の高架化のときに地上線の北側に高架を新設して、元の地上線部分を新幹線用地として確保した経緯があるので、これはどうにもならない。かといって反対の西側はすぐにトンネルなので地上にアクセスする場所がそもそもない。

 というわけで窮余の一策として、在来線苗穂駅手前まで高架を1.3キロ延長して、その高架上に細長い保守基地をつくるという珍案に落ち着いた。設計図をみると、在来線高架の南側の元の地上線部分の空き地になんとか3線分の幅を確保して、札幌駅寄りから着発収容庫、仕業検査庫、保守基地を縦に並べるというデザインになっている。先端の保守基地の端はもう苗穂駅ぎりぎりの位置にくる。在来線は苗穂駅までに地平に下りてしまうが、保守線はずっと高架のままで文字通り苗穂駅橋上駅舎にぶち当たっている。しかも雪対策のためにすべて上屋で覆う構造となっているので、まさに鰻の寝床だ。

 完成すれば札幌・苗穂間の在来線の南側はすべてこの細長い建屋で遮蔽されてしまう。車窓もさえぎられるし鬱陶しいことになるな。それとともにこういう構造にしてしまうとなると、万が一にもさらに旭川あるいは新千歳空港方面への延伸は、ゼロではないにしろほとんどありえないということか。

 

230313 
鉄道・運輸機構の事業概要説明資料より(札幌市webページ)

« あれから12年 | トップページ | 詰将棋パラダイス2023.3月号 »

鉄道」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« あれから12年 | トップページ | 詰将棋パラダイス2023.3月号 »

CLICK !

  • おもしろ有機化学ワールド



twitter

2023年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ