三ヶ月経過
進捗状況も3回目(→2回目)。半分が過ぎて794ページまできた。細胞内の膜、構造体と物質輸送などなどへはいる。話が細かくなって、知らないことばかりで、なかなかしんどくなってきた。総論や基礎は理解しやすいが、各論しかもミクロからマクロに話が移ってゆくこれからが胸突き八丁だなと思う。
細胞が進化の過程でそれらの精緻な仕組みを作り上げてきた。何度も何度も驚かされてきたが、もう今はそれには驚かない。それは神様が設計図を引いているからに違いないからだ。しかし、その教科書に載っている巧妙なからくりは、すべて誰かが明らかにしたわけだ。こうなっているのではと推論して、なによりすごいことはそれをきちんと実験的に証明して発表した。それが一般的に受け入れられているからこそこうして教科書に載っているのだ。もちろん旧来の知見がその後ひっくり返されることはままあるが、それだって一連の研究の成果には違いない。
たとえば、ER膜上でタンパク質に付加される糖鎖構造の構築。ドリコールリン酸に細胞質側から基底部の数残基が結合した後で、分子全体がフリップして未完成糖鎖がルーメン側を向き、残りの数残基が付加される。なんでそんなことになっているのか。そして誰がそんなことに気がついたのか。どうやって証明したのか、というかそんな重箱の隅みたいなことをなんで証明しようとしたのか。神様もすごいが研究者すごいと思う。そんな細かいことのほとんどがたかだかこの10年か20年の成果なのだ。いやほんとこの本おもしろい。ヘタな小説よりおもしろい。
最近の主役の一つのER。日本語では小胞体と訳されるのが不思議だった。別にミクロソームという語があって、こっちは直訳すれば小胞体だ。なんで?と思っていたら、ERを実験的に取り出して試験管内で小顆粒状になったものがミクロソームすなわち小胞体なのだと知った。これは紛らわしくないか。ERは語訳して膜内網状体とかしたほうがいいんじゃね。
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