詰将棋パラダイス5月号、到着は5月1日。結果稿は2月分で、今月も短大まで全題正解とは珍しや、ということはありえないので、ちゃんと小学校を間違えた。いかにもたくらみのありそうな小9。26名もの誤解者を出している。手順前後ねえ、できたできたと解答を見直さないからこういうことになる。この作者こういうのも作るんだ。まだ解いてないけど今月の高25も要注意だな。
推理将棋の534番はすごかった。18手目の選択肢が400通り以上もある18手詰。成る手と同のつく手が各1回、という条件。400通りはすごいなとちょっと考えてみると、よほど頑張らないとそんな局面はつくれないことがわかる。逆に言えば局面が限定されるわけだから、それを見つければよいということなのだが、それが難しい。これは推理将棋というより将棋パズルじゃんと思って結構考えたのだがギブアップ。それもそのはず、将棋パズル雑談に投稿されたものがこちらに回されたものだそうだ。しかし11名も正解者がいたなんて信じられない。
さて今月はその将棋パズル雑談の掲載月。前回の問題は正解だったけど、84番の問題文に「金・歩と玉2枚を含む計6枚を配置」とあるのを、最初「金・歩だけで4枚」と誤読して頭をひねったのは内緒。そんな条件でできるわけがない。これは「金と歩を含む4枚」なのだった。今月の問題もまたおもしろい。なるほど考えたなという88番。帽子問題か。自分のかぶっている帽子の色を当てるあれね。これだけで答えが決まるのがすごい。それはともかく、87番が難問。これ解ける気がしないのだが。
フェアリーランドは6題中2題が2解作品。駒の位置を動かすツインと違って、同じ盤面配置で2つの詰手順がある。普通ならそれ余詰じゃんというところだが、フェアリーだとそれがアリなのだ。むろん、全然統一性のない手順なら趣向として成り立たないが、今回の2題はいずれも手順の対比が生きていておもしろかった。6番のキルケばか自殺詰だけ解けなかった。最遠打の王手に対してキルケで合駒を発生させて逃れること2回。これは知ってなきゃ解けないな。
どうでもいいことだけど、ずっと読み進んで最終ページ。編集室だよりの柴田さんのことば。人生百歳時代ということで、名曲ライブラリーがあと26回で300回、そのときに卒寿を迎えるとのこと。卒寿といわず白寿までも元気に書き続けていただきたい。してその向かいの詰将棋デパートには、今年度で20歳になるとの担当者のことば。これぞ対比の妙と言わずして何と言おう。
さて今月の1作。短大6番吉田響太氏作21手詰。簡素配置でいかにも軽快に詰みそうなのに、これがのらりくらりと詰まない。これが初入選とは驚きだが、宮田敦史七段の弟弟子で奨励会員というから納得だ。
詰将棋パラダイス2023年2月号短大6番吉田響太氏作