詰将棋パラダイス6月号、到着は6月1日だったかな。結果稿は3月分で、今月はえらく低調だった。だいたい高15が解けなかった。というか見るなりげんなり。76玉ともぐりこまれたら絶望的なのに43角とは打てない。しかたなく54角とすると56玉とかわされて、開き王手してもこれ詰むのという形。26とや47歩があるからたぶん詰むんだろうけど、ぼくには詰ませられなかった。さらに今月は短大も全滅だ。短11は解いたけど最後の逃げ方を間違えるというおそまつ。まあ実力と言えばそれまでだけど。もどって中11が秀逸。これは今月の1作で。実は次の中12藤井氏作に感心して、ぜひ今月の1作に取り上げようと思っていたのだけれど、まさかの2020年7月出題済みというのにびっくり。全然覚えてなくて詰ますのにえらく難儀したのだ。自分の記憶力がほんとに心配になる。
さて今月号では昨年の解答順位戦結果が発表になっていた。昨年は435点で38位と前年に比べて点数で71点順位で4位の低下だった。点数が大幅に下がったのに順位はさほど変わらないのは、昨年が難しかったというよりは、400点台後半はもともと人数が少ないせいだろう。低空飛行ではあるけれど、とりあえず三段格とされる420点はクリアしたからよしとしよう。今年は大丈夫かな。
今月は門脇芳雄賞の発表というのもあって、昨年に続いて該当者なしとのこと。前にも書いたかもしれないが、今一つ意義がわからない賞だ。詰将棋の普及に功績のあった人を顕彰するものらしく、歴代受賞者もそんな顔ぶれではある。スマホ詰パラの管理者とか、詰将棋を孫に伝える会?の世話役とか、良質な詰棋書を制作販売している人、とか候補者はいろいろいそうだけどな。その第一回受賞者である加藤徹さんのおもちゃ箱だよりに、コンピュータ将棋選手権の話が載っていた。ふーむと思ったのは将棋は先手必勝かという話。これはぼくも常々気になっていたのだが、長くなりそうなので日を改めて。
今月は詰棋校はお休みで年に1度の順位戦がある。力作ぞろいなので、頑張ってうんうんいいながら解いたこともあったけど、根が続かないのでちょっと今年はパスだな。そのかわりにいつも力の抜けた解きやすい作が多い同人室の方が楽しみ。今回は邪魔駒消去2枚以上という課題で、いかにもというのからこれが邪魔駒?というのまで多彩でおもしろい。それからこれも半年に1度の神無一族の氾濫。毎回びっくりの独自ルールだが、今回は多玉なるものが登場。杏玉多玉協力自玉詰11手(受先)とか、えーこれ何をどうやって詰めるの? 毎回苦労するけれど、ちょっと今月はついていけないかもしれない。
おっと忘れるところだった。最終ページの編集室に、パズル通信ニコリの取材を受けた話が載っていてびっくり。実は、次ニコというニコリ編集者のブログがあって、そこに取材に大阪に出かけた話が建物の写真とともに載っていて、さてどこ行ったのだろうと考えていたのだった。あれが詰パラ編集部だったのかと得心(右手の幟の立っているビルね)。ニコリと詰パラは結構どっちもコアな雑誌だけど、謎解きという共通性がありぼくのように両方の愛読者もかなりいるらしい。ニコリの当該号は10日に発売済みだけどまだ入手していないので、そっちの記事が楽しみだ。
さて今月の1作。中学校11番岩村凛太朗氏作9手詰。どこのことばか開き王手(両王手)をする組合せ駒をバッテリーという。何もないところに詰方がバッテリーを組み上げてそれで詰ます作品はよく見るが、本作は逆に玉方がバッテリーを組み上げて、それで詰みを逃れようと画策するというもの。すごい発想だ。しかも9手という短手数。バッテリーを組むのに4手かかるから、5手目の王手にバッテリーを生かした受け、最後の手と3手足して理論上の最短は7手だそうだ。本作はバッテリー駒を出すのにどちらも合駒にしているので、一旦玉を動かす必要があって2手延びている。そのうち7手作が出てくるのだろうな。それはともかく作者は奨励会三段の高校生。いつもおもしろい作品で楽しませてくれる。斎藤光寿三段ともども期待するところ大だ。
詰将棋パラダイス2023年3月号中学校11番岩村凛太朗氏作