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2023年6月27日 (火)

駅のトイレ

 どうもトイレのニュースには反応してしまう。JR東日本の外房線永田駅(千葉県大網白里市)で、JRが経費削減を理由に駅トイレを市に公衆トイレとして譲渡することを提案し、市がこれを断ったため、2月から閉鎖される事態になったとのこと。永田駅は1日乗客数が775人でトイレ利用者数は日に10人未満、トイレの維持管理費は年間34万円(清掃費・消耗品含めず)だそうだ。

 たかだか年34万円で1日乗客数が700人もいる駅のトイレを閉鎖するというのも、JR東は大人げないように思える。同規模の駅のトイレを閉鎖したら、北海道なんて駅のトイレはほとんどなくなってしまうだろう。電車のトイレを利用してくださいといっても、混雑時や乗り合わせ車両によっては利用しづらい場合もあるし、お年寄りや子どもなど乗車前に済ませたい人だっているだろう。たしかにJRは民間企業であり経費削減が重要なのはわかるが、公共交通を担う公共性ももちあわせているのも事実だ。駅施設とはいっても、電車利用者以外の一般の利用者もいるのだから、公衆トイレとして自治体が管理すべきだというのも一理あるけれど、電車に直接乗る乗らないにかかわらず、周辺住民あってこそ交通機関は成りたっているのでもあり、もうちょっと太っ腹に考えてもいいのでは。

 ただ、ここで気になるのはJR東管内の他の同規模駅の扱いはどうなのかという点だ。ニュースではそういうことには一切触れられていないので、同様のケースはないのだろうか。なら、なんで永田駅だけがという疑問がわく。何か裏に特殊事情があるのではと勘ぐってしまう。他の駅についても今後同様の方針がとられるのか、ニュースとしてはその辺の掘り下げが足りないのが不満だ。

 われらがJR北海道では利用者数1日3人以下の駅の維持管理費を自治体負担とするよう要請を始めている。年間100-200万円くらいだったと思う。これはトイレだけではなく駅全体であり、特に北海道は冬季の除雪費がかかるから金額も大きくなる。複数の駅をかかえる過疎自治体ではおいそれとは払えないだろうが、トイレの閉鎖だけならともかく、駅自体が廃止されてしまう方向性が示されているので、問題はより深刻だ。たしかに駅は町の顔でもあるから、鉄道会社まかせにせずに行政も含めて今後こういう議論をきちんとしていくべきだとは思うな。

 

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