PPM
PPMというと何を思い浮かべるだろう。ウィキペディアで引くと10を超える略称がずらずらと並ぶ。ぼくにとっては長い間parts per millionすなわち百万分率だった。職場で頻繁にお目にかかっていた。でも、もうそんな時代は過ぎた。PPMといったらそれはピーター・ポール&マリーだろう。忘れていた彼らの音楽が脳内再生される。なつかしい。
さる小説を読んでいたら、被害者の父母の名前がピーターとマリアだった。ずいぶんベタな名前だが、それを見てパッとぼくの脳裏に思い浮かんだのがPPMだった。もう何十年も聴いていない。そういえばマリーが亡くなったというニュースを聞いたおぼえがある。それもずいぶん前のことだったような。調べてみたら2009年9月16日没だという。14年も前のぼくの誕生日だ。
PPMのアルバムはまだもっている。買ったのはたしか中学生の頃だ。200枚くらいあるLPレコードの中でもずっと最初の頃だ。物入れの隅で埃をかぶっていたレコードプレーヤーを引っ張り出して、何十年ぶりかでミニコンポにつないでかけてみた。演奏が流れ始めると瞬時に時間が巻き戻る。50年以上前に繰り返し繰り返し聴いた音楽が、まだ体に沁みついている。ちゃんと歌詞もおぼえていて一緒に口ずさめる。
彼らの数々の反戦歌を聴いていると、どうしてもその時代を思い出してしまう。ベトナム戦争や70年安保の頃、日本でも反戦フォークが全盛だった。あれほど戦争はいけない戦争はやめようとみんな歌っていたのに、50年以上たっていまだに戦争が続き、人は殺しあっている。人間はこんなにも歴史からなにも学べないのかと絶望的になる。
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