詰将棋パラダイス2023.9月号
詰将棋パラダイス9月号、到着は8月30日。え、もう来たの。全然解き終わっていない8月号を前に嘆息。結果稿は6月分。そうか学校はお休みの月だ。代わりに順位戦と同人室がある。順位戦をガシガシ解いていたこともあったけれど、最近は難解作は敬遠することにしているので、今年もまったく並べてすらいない。なんで順位戦てこんなに難しいのばかりなんだろうね。15手以内なのに各クラスとも全解者がせいぜい30人くらい。ふだんの高校の半分だ。難解作が高評価されるのってどうなんだろうと思ってしまうが、それはできないものの僻みだな。
そこへいくと同人室は楽しい、というようなことを毎年書いている気がする。今回のお題は「邪魔駒消去2枚以上」とわかりやすい。解くうえでも大きなヒントになるかというと、いったいどれが邪魔駒なんだかわからないものもあって、そうともいえないか。なかでもぼくが感心したのは10番山田康平氏の作品。これは今月の1題として末尾に取り上げたい。しかし、評価基準は人それぞれとはいえ、この作品が13題中10位の得点で、C評価が4名もいるんだから驚きだ。
学校休みの月のお楽しみがもうひとつあった。神無一族の氾濫だ。しかし今回は奇抜なルールすぎて手も足も出ずに一つも解けなかった。解説を読むとなるほどなあと思う。「ルール名は複雑でも狙いは明快。フェアリーではそんな作も多いので、ややこしそうな作でも一度は解図を試みてください」とは担当者のことば。まったくおっしゃる通りでぐうの音も出ない。次回の12月号でがんばろう。
そういえば忘れちゃいけない末尾のデパート。またこれがもう頑張って解くしかないでしょというすごいラインナップ。順位戦をパスしたので時間はたっぷりある。いや期待に違わぬ好作ぞろいだった。なんといっても4番岩村氏作、まず32歩生と開き王手すると33歩合が打歩詰で打てないというカラクリに気づいてびっくり。そこで受方は歩が打てるように攻方に利き駒を発生させる、という攻防に二度びっくり。どうやったらこういう笑っちゃうような発想が出てくるのだろう。奨励会三段にしておくにはもったいない才能だ(冗談)。
今年は何年ぶりかで詰将棋全国大会が開催されて、そのレポートが今号に掲載されている。相変わらずおっさんの写真ばかりが並ぶ。参加者名簿が載っているが女性らしき名はほとんどない。詰将棋が男の世界だというのがよくわかる。ニコリで同じことをやったら女性比率はもっとずっと高い気がする(先日届いた185号の投稿者を数えてみたら全体の1/4くらいが女性と思われる)。同じ頭脳パズルでなんでこんなに違うのだろう。あと、作者側と解答者側を分けると作者側の人が圧倒的に多いように思った。もっとも、こういう会は出たい人と出たくない人が分れるので、これで全体を推し量ることはできないのだが。
さて今月の1作は、上に書いた同人室10番山田康平氏作29手詰。手数からいっても、短大の最後におかれそうな自然な配置の一作だ。普通に解いてみると、玉がどんどん上部に逃げ出していって、龍で追っていくのだが詰みそうで詰まない。変だな。よくみると自駒の桂と香が邪魔になっているのだ。これがなければ詰むのに。というところで今回のお題に思い至る。そうか、このいかにも自然な置き駒が実は邪魔駒だったのだ。たしかにとうてい邪魔駒に見えない必要そうな駒が実は邪魔駒だったという作品はあるけれど、これはまた初期配置がきれいすぎて、まったく気がつかなかった。邪魔駒作品というお題でこういうのをサラリと作るセンスと技術、これぞ同人作家。
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