詰将棋パラダイス2024.3月号
詰将棋パラダイス3月号、到着は3月1日。結果稿は12月分。学校はお休みでかわりに短編コンクールと同人室があった。短コンは久々に11手詰。11手詰が50題となるとぼくには結構しんどい。解答者数が100名を切っているのもむべなるかな。まずしょっぱなの1番が難しい。とっつきやすそうな好形で手を出したくなるのに、これがどうやっても詰まない。ずいぶん考えさせられた。53桂打から32角とは見えないよねぇ。あと難しかったのは、11、14、22、35、47あたりかな。そのなかでなんといっても11番。頭4手はこれしかないところだが、そこから7手詰なのにこれが詰まない。58桂を取ってくれれば簡単だが56玉とかわされるとどうやってもダメ。桂馬は48から打つとは驚くほかない。最終図もこれで詰んでるのかと盤に並べていても不思議なくらい。こんなのを暗算で解く人の頭はどうなってるのだろう。これが解けたときはうれしかった。全題正解はおまけのようなものだ。今回の短コンは手数が長いせいもあってか、力作がそろっていたように思う。ぼくがA評価をつけたのは22題(1, 7, 8, 11, 16, 17, 21, 22, 26, 27, 29, 30, 32, 33, 35, 36, 38, 39, 41, 42, 43, 50)もあった。そのうち最高位は50番の2位、最低位は17番の41位だった。2位は納得だけど、41位はちょっと気の毒な気がする。これは最後に紹介しよう。
短コンの難問に時間がとられたせいで同人室は10題しか解けなかった。8, 9, 11が無解で解けたうちのA評価は3, 5, 6, 10, 12の5作。短コンと違ってこちらは大方の評価と一致している感じだ。なかでは5番の三角さん作はほれぼれとする。ほんとにこの人センスあるなといつも感心する。
続いて推理将棋。こちらはうれしい全問正解。しかも全問短評が採用された。ぼくが短評を書くのは推理、パズル、フェアリーだけだが、これにはびっくり。
そして、フェアリーの神無一族の氾濫。これは12月号の感想に書いたように激ムズ。3番以外は手も足も出なかった。みなさん同じのようで全解答者16名のうち1題以下正解者が9名と過半数だ。ところで、このコーナーは当選者が5名もあってそのうちに選ばれた。誌代入帖かと思ったら...という話はTwitter(Xか)に書いた。しかし倍率3倍というのはなんとももったいない。半期に一度の力だめしというのは理解できるけれど、もうちょっと客寄せも考えたらいいんじゃないかな。今回ひとつだけ解けた3番はやさしくてとても楽しい作品。これを1番においたらよかったのでは。
今月の1作は、上記の短編コンクール17番佐宗章弘氏作11手詰。初形が「7'」で詰上りが「8'」という立体曲詰で、使用駒が盤面玉2枚、角2枚、金4枚、持駒銀4枚という駒種趣向という珍品。手順はいたって平易だが、条件を鑑みればよく作ったものと感心せざるを得ない。時節柄、藤井七冠→八冠達成の祝賀詰だろうとは予想がつく。しかし「'」がちょっと意味不明だなと思っていたら、解説記事によれば、「'」の位置にあるのは攻方玉なので、これは7王→8王の意だとのこと。そこまで考えてあるのか。あっぱれでしょこれ。なんで41位なの。
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