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2024年4月

2024年4月23日 (火)

四等三角点「ゴルフ場」

 「苗穂道」を無事発見した後、自転車で堤防道路をもどりながら考えた。草の枯れているこの時期なら、いつも横を通りながらあまりの草藪で近づくことすらできないでいた「ゴルフ場」も到達可能ではと。というわけで帰り道に寄ってみることにした。探訪日は同じく2024年4月13日。

 「苗穂道」のD地点から堤防道路を北上し、学園都市線橋梁と続く国道337号札幌大橋をくぐって抜け、北側に出る。札幌大橋のたもとからさらに1.7キロ進むと茨戸川緑地への分岐がある(B地点)。ここから左に下りて緑地内を南下すると国道337号との交点に出る(ここが「山口向」のA地点、市内からのアクセスは「山口向」の項を参照)。分岐からさらに堤防道路を1.3 キロ進むと左手にゴルフ場が見えてくる。夏は見通しが利かないくらいの草藪だが、この時期は草が枯れてゴルフ場まで歩いて渡っていける。ゴルフ場の横を50 mくらい歩いて行くと右側の農地との段差の縁の木の間に三角点が見える。すぐ横をゴルフ場園路が通っていて、境界には白杭が立っている。

 点の記によると設置は1974年。保護石4個に囲まれた立派な三角点だ。点名の「ゴルフ場(ごるふじょう)」はあまりにもベタな名前だが、ここのゴルフ場は1966年の開設と歴史のあるコースで、三角点よりも先輩なので、まあ致し方ないか。

〇四等三角点「ゴルフ場」
 北緯 43°11′33″.3943
 東経 141°23′42″.4860
 標高 (m) 5.77

 

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国道337号から茨戸川緑地への入口(「山口向」のA地点)

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茨戸川緑地北端の水路に架かる橋(A地点)

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堤防道路との合流点(B地点、北方向)

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ゴルフ場の横(C地点、三角点は矢印の林の際)

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ゴルフ場の縁を歩いて近づくと見える

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反対側から堤防道路方向を見る

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全景(白杭は境界柱)

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標石

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位置図(国土地理院地図(電子国土web)に一部記入

2024年4月22日 (月)

三等三角点「苗穂道」

 札幌の北東部、苗穂から豊畑へ延びる三角点通をさらに北上し、モエレ沼の横を通って中沼から福移を過ぎると、ちょうど石狩川と豊平川の合流点に到達する。その堤防下にあるのが三等三角点「苗穂道」。大正時代からの由緒ある三角点だが、残念ながら成果異常で公表停止になっている。わが家からは石狩川堤防をまっすぐ上手と近いので気になって何度か訪問しているのだが、夏場は草がぼうぼうで見つけられなかったので、今回は春先の草のない時期に行ってみた。探訪日は2024年4月13日。

 北区あいの里にあるわが家からは、「東篠路」踏査時と同じ石狩川左岸堤防に登り、そこから堤防道路を2.5キロほど遡るとD地点に到達する。ここは豊平川が石狩川に合流する地点で、左岸サイクリングロードの終点になっているので、そちらからアクセスすることもできる。三角点はその堤防下の溝の向こう側になる。公共交通機関で行くには、地下鉄環状通東駅とあいの里教育大駅を結んでいるバスを「福移入口」バス停で下車し(A地点)、道道128号を少し南東に進んで大きく右にカーブしているところ(B地点)から左手に分れる小径をたどる。小径の突当りが豊平川との合流点あたりの石狩川堤防で、右手が中沼墓地、左手が鎖を張った空き地になっている(C地点)。ここまで1キロくらいだ。三角点は空き地の中心当たりから右手に溝に向かって一段下がった段の草むらの真ん中にある。夏場はひどい藪で下段に下りられないので、行くなら初冬か早春がおすすめだ。

 点の記が非公開なので設置日は不明だが、1916年の地形図にはすでに存在するので、大正時代以前であるのは間違いない。灰色の柱石は古びて当時から変わっていないようすだ。三等表記が西面を向いているが、これが成果異常の事由だろうか。ただ、同じねじれは「御茶ノ水」「美唄」にも見られるのでそうとも言い切れない。「苗穂道」という点名は、ここが三角点通の延長の事実上の終点にあることを意味しているのだろう。とすると、逆に三角点通という諸説ある通り名の由来がここであるのかもしれないが、さて。

〇三等三角点「苗穂道」(参考値)
 北緯 43.149794278
 東経 141.446016389
 標高 (m) 3.38

 

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道道128号のバス停「福移入口」(A地点)

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三角点通方面へ折れる交差点(B地点)

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左折した北方向(B地点)

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堤防へ突当たる手前(C地点)

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左手の広場入口(C地点)

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広場右手の溝に沿った下段に三角点(矢印)

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広場からは一段下がった段

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標石

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堤防上から豊平川合流点を見る(D地点)

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位置図(国土地理院地図(電子国土web)に一部記入)

 

2024年4月15日 (月)

詰将棋パラダイス2024.4月号

 詰将棋パラダイス4月号、到着は4月3日。結果稿は1月分。学校はまた新しい年度が始まった。昨年は不出来だったが今年はどうかな。新年号はまあ易しいはずというわけで、なんと大学院で初めて全題正解者に名前が載った。やさ院では前にあったけど、本校では初めての快挙だ。もちろんぼくに解けるくらいだから担当者の言のとおりやさしかったので、全題正解者は31名もいた。これは大学(30名)、短大(31名)に匹敵する多さだ。そうか、それなら大学や短大も全部できてもおかしくないはずなのに、そうはいかないところが難しいものだ。

 大学院の2作はいずれもおもしろかった。しかしぼくにはスラスラとはいかず、特に院1はけっこう考えた。まず導入が難しい。なんとか龍で追う形にして右下のループへはいると、そこでぐるぐる回って出られない。駒配りから右上へ追うのかなと思うがどうもそうでもない。馬鋸で91歩を取りに行くのを発見して、それで49歩が打てて左へ追い出したもののなかなか広い。そうか馬の位置を少しもどすのだ、と気づいてなんとか解けた。終わってみれば要所に手探りの場面転換があって、まるでRPGのような楽しさだ。対する院2は一見してはがし趣向だがどうやって。はがし駒まで自前調達しなければならないのだが、そのサイクルを発見さえすれば難しくない。

 その他の学校は高校まではできていたが、短大は短4が解けなかった。どうやっても上に逃げられる。短大は新年号というのに短1以外は無解者続出で難しかったのでは。あと今月は昨年下期の半期賞の発表がある。なんと小学校にしか名前がない。高校はともかく中学校くらいは年間正解したいものだけど、落とし穴があったんだな。まあ前期は幼稚園すら間違えたし。作品の方は高校で高12がはいったのは妥当として、他の受賞作は申し訳ないけどあまり印象に残っていない。

 推理将棋は2題。登場100回の中村さんの567はおもしろかった。100通りの指し手のある局面という条件で、何度も盤面を数えさせられる。1種の駒打では足りないし2種では多すぎる。そうか角の成不成で数が増やせるのだ。そして99回まで行ったところで先手の飛を不成にすれば後手玉の可動域が増えてちょうど100回となった。うまいことつくったものだ。最後の詰め方も気が利いている。ところで、解説の縦に100手、横に100手というのはなんだろう。フェアリーランドも新年特集でやさしい象形作だったので、幸先よく全題正解。さんじろうさんの四銀詰、今号にもあるがよくこんなにつくれるものだ。

 今月の1作はなんにしようかと考えたが、デパート2番の久保紀貴氏作27手詰。こんなに簡単でいいのという軽い趣向詰。力のある作者でいつもおもしろい趣向を見せてくれる。これは新年のお年玉だろう。

 

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詰将棋パラダイス2024年1月号デパート2番久保紀貴氏作

2024年4月 7日 (日)

パズル通信ニコリ186号

 3月発売のニコリ186号は植物特集。といっても、庭に花を植えましたとか観察記録とかの特集パズルは低調だ。前にも書いたけど、こういうパズルの本質にかかわらない特集って意味あるのだろうか。次号はオリンピックにあやかってフランス特集だそうだ。いつまでこんなの続けるのだろう。そんなことより、忘れられている昔のパズルを1種か2種に光を当てて、解説と問題を載せてゆくとかのほうがいいのでは。たとえば、ニコリのwebページの数字のパズル一覧には50種以上のパズルが載っているが、お、これはおもしろい、もっと解いてみたい、と思ってもマイナーなパズルは入手できないものも多い。これはもったいない。そういうのを特集として順番に取り上げたらどうだろう。植物やフランスより実があるように思うが。

 今号の巻末応募ハガキの質問事項は、「パズル通信ニコリ」のカラーページでどんなことを行ってほしいですか?、というのだった。これも似たような意味で、現状はいまひとつカラーが生かされていない。今号ではスリリンやへやわけの解き方解説があるが、カラーにする意味がまるでない。間違い探しでたとえば183号の美しい写真のやつはよかったし、カラーを生かしたトリプルチョコ(182号)もよかった。せっかくコストをかけるのであれば、もっと有効に使ってほしい、というようなことはハガキに書けばいいのだな。

 今号の大盛りはカックロ。ニコリの三大メジャーパズルのひとつであり、単行本もたくさん出ているので今さら大盛り解説は不要な気もするが、結構得手不得手が分れるという話だからてこ入れも意味があるのだろう。ちまちま足し算をやっていると大変なので、どうしてもきまった数字の組み合わせを暗記する必要がある。そこが敷居が高いのだろう。そこを乗り越えるとスラスラとおもしろいようにマスが埋まっていくのは快感なのだが。かと思うと今号の10番のように、9マスの45が縦横に組み合わさっていると暗記法は使えないので、今度は数独的なセンスが必要となったり、結構奥が深い。ぼくは好きだ。

 レギュラーパズルで〇がついたのは、スリザーリンク4, 5, 8番、へやわけ6番、ペンシルズ4番、ジグソークロス2番。よみどおり6番。そしてなんといってもスーパージャイアントのスリリン9番。これは難しいこともさることながら、盤面象形のうえに解き終わった盤面にも文字があらわれるという立体曲詰じゃないか立体象形になっているという離れ業。こんなことができるのか。さすがはももたろうさんあっぱれだ。あと、ほおと思ったのが脱帽パズルのスケルトン。パズルはいうほど難しくはないが、海自艦てこんなに紛らわしい名前がいっぱいあるのかと驚いた。ものがものだけに間違えて大変なことにならないかと心配になる。

 オモロパズルのコーナーは、昇格後の後ろのコーナーがこれまで小さい盤面で解きにくかったのが、大盤になってみやすくなった。ぼくもハガキに書いたことがあるがきっとそういう声が多かったに違いない。これはグッドだ。そこに載っているシンカミノは相変わらずトリッキーでおもしろい。4番にはだまされた。そして忘れてならないのが前号からはじまったマンガにパズルあり。前号も難しかったけど、今号もずいぶん考えた。1,2,3,5は簡単で答えはわかるんだけど、4は一週間くらいかかってやっと気がついた。ひらめきだからな、ちゃんとヒントがあるのに。

 最後になったが、Xに書いたようにカエデちゃんネタがニコリランドに掲載されていた。巻頭カラーページに大きなカエデちゃんのイラストが載ったのは、偶然だろうか。

 

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ニコリ186号

2024年4月 2日 (火)

新幹線函館駅乗入れ計画

 昨日に続いて鉄ネタをもうひとつ。新幹線の函館駅乗り入れ計画について。現在は新函館北斗駅で在来線に乗り換えて函館駅へ到達しているのを、この区間を新幹線規格に改良して函館駅まで乗り換えなしで直通させようというものだ。昨年の市長選挙で公約に掲げて当選した現市長の肝いりで実現へ向けての調査が行われ、このほど調査報告書が公表された。その内容はタビリスに3本の記事にわたって詳しく解説されている。

 内容はいくつかの案を例示してそれぞれの分析を行っているが、基本的には新函館北斗~函館間の一線を標準軌との三線区間とし、在来線と共用する。この区間は17.9 kmあるが、ほぼ平坦であり、支障になるようなトンネルなどの構造物もないので、それほど問題はなさそうだ。問題は、どういう車両をどういパターンで走らせるかだ。これはいろいろな案が想定されているが、ぼくはタビリスの2本目の記事で鎌倉さんが提案している「こまち」方式がすぐれていると思う。というかこれしかないんじゃないか。

 これは、こまち編成(7両)を東京から盛岡まで主編成(10両)と併結して走り、盛岡で分割して7両で新函館北斗経由函館まで直通させる。函館に着いた編成は函館~札幌間を何往復かした後に、函館から盛岡にもどって主編成と併結して東京へ向かう、というもの。実際は車両はJR北海道もちになるので、札幌~函館間を往復するうちの一部を函館から盛岡経由東京へ出し入れするといういい方が妥当だろう。東京~札幌間直通列車は10両主編成で別運用とする。東京~函館、函館~札幌の旅客需要を考えれば、フル規格10両は過剰であり、ミニ規格7両で十分という考えだ。しかも新函館北斗での分割併合という面倒をしなくてもすむ。

 さらに函館~札幌をこまち規格で走らせるのであれば、将来的に札幌~旭川を三線化すればそのままミニ新幹線として旭川まで延長することも視野に入ってくるのでは。つい先日、JR北海道から札幌~旭川を1時間という高速化計画が突如でてきたが、それをやるならいっそのことと思わないでもない。ただ、こちらは距離も長いし、長大トンネルもあるし、そう簡単ではないだろうけれど。

 というように風呂敷はいかようにも広げられるが、さて実現性はとなると微妙だと思う。函館市だけでできる話ではなく、JRをはじめ、国や道の賛同が得られなければ進まない。JRとしては、「はやぶさ」用のH5系だけ増備すればすむところを「こまち」相当のH6系(?)を別途準備しなければならない。たかだか18キロの新函館北斗~函館間だけのためにだ。

 函館は25万都市であり、人口規模からすれば山形や秋田とそう変わらないから、ミニ新幹線を直通させる話はありえなくはないが、ただ東京との往来が多い県庁所在地とは一概に比較はできない。かといって札幌~函館の需要も、乗換えをなくして10分程度の時間短縮だけのために車両込みで300億円もの投資が見合うかどうか。それなら、いまの新函館北斗駅をもうちょっと使い勝手よく改良して在来線との対面乗換を可能にし、そのうえで各方面へリムジンバスを走らせれば十分ではないか。みんながみんな函館駅が目的地というわけではないのだし、そもそも函館空港に飛行機で着いたことを思えば同じことだ。

 このあとJRと函館市の話し合いがあるそうだけど、さてどうなるか。

 

2024年4月 1日 (月)

根室本線の分断

 今日から新年度。昨日をもってJR根室本線(滝川~根室)の中間部分の富良野~新得間(81.7 km)が廃止になった。正確にいうと、新得側の上落合信号場~新得間(23.9 km)は石勝線との二重戸籍区間だったので、実際に列車が走らなくなるのは富良野~上落合信号場間(57.8 km)ということになる。いずれにせよこれで根室本線は西と東に分裂してしまったことになる。

 前にも書いたように、この区間は昔は道央と道東を結ぶメインルートで、特急列車や貨物列車がたくさん走っていた。それが1981年の石勝線開通とともに列車経路がそちらに変更になり、特に富良野から新得までの区間は優等列車の走らない閑散区間になってしまい、とうとう廃止になってしまった。しかし、札幌方面とのアクセスが石勝線経由に変更になっても、帯広から旭川への最短ルートとして富良野経由で快速列車が走っていたこともあるし、存在価値が失われたわけではなかったのだが、不運にも2016年の台風10号によって東鹿越~上落合信号場間が壊滅的被害を受けて、復旧には多額の費用がかかることから現在に至るまで運休が続き、それが廃線への主要因となった。不通区間がなければこんなに早く廃止にはならなかっただろうと思うと本当に残念な気がする。日高本線の鵡川~様似間も同じことだったけど。周知のように、JRの路線は幹線と地方交通線に分かれていて、後者は割高な運賃が設定されている。これまでに廃止されたローカル線はすべて地方交通線だったが、今回の区間は幹線区間廃止の初めての例じゃなかろうか。

 国土地理院の電子国土web地図は即日変更が反映されるので、今回の廃止区間も今日からは旗竿模様の鉄道路線記号が消えてしまっている。あらためて地図の空白をながめると、ネットワークぶつ切れ感が半端ない。もう取り返しがつかないが、返す返すも台風被害が惜しまれる。

 

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旗竿マークの消えた廃止区間(矢印の間、国土地理院地図(電子国土web)に一部記入)

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