根室本線の分断
今日から新年度。昨日をもってJR根室本線(滝川~根室)の中間部分の富良野~新得間(81.7 km)が廃止になった。正確にいうと、新得側の上落合信号場~新得間(23.9 km)は石勝線との二重戸籍区間だったので、実際に列車が走らなくなるのは富良野~上落合信号場間(57.8 km)ということになる。いずれにせよこれで根室本線は西と東に分裂してしまったことになる。
前にも書いたように、この区間は昔は道央と道東を結ぶメインルートで、特急列車や貨物列車がたくさん走っていた。それが1981年の石勝線開通とともに列車経路がそちらに変更になり、特に富良野から新得までの区間は優等列車の走らない閑散区間になってしまい、とうとう廃止になってしまった。しかし、札幌方面とのアクセスが石勝線経由に変更になっても、帯広から旭川への最短ルートとして富良野経由で快速列車が走っていたこともあるし、存在価値が失われたわけではなかったのだが、不運にも2016年の台風10号によって東鹿越~上落合信号場間が壊滅的被害を受けて、復旧には多額の費用がかかることから現在に至るまで運休が続き、それが廃線への主要因となった。不通区間がなければこんなに早く廃止にはならなかっただろうと思うと本当に残念な気がする。日高本線の鵡川~様似間も同じことだったけど。周知のように、JRの路線は幹線と地方交通線に分かれていて、後者は割高な運賃が設定されている。これまでに廃止されたローカル線はすべて地方交通線だったが、今回の区間は幹線区間廃止の初めての例じゃなかろうか。
国土地理院の電子国土web地図は即日変更が反映されるので、今回の廃止区間も今日からは旗竿模様の鉄道路線記号が消えてしまっている。あらためて地図の空白をながめると、ネットワークぶつ切れ感が半端ない。もう取り返しがつかないが、返す返すも台風被害が惜しまれる。
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