詰将棋パラダイス11月号、到着は10月30日。結果稿は8月分。詰棋校は今月は(も?)出来が悪かった。小中はともかく、問題は高校10番。よく見ると上に利く駒があれば25に追って詰むことがわかる。持駒の角で合駒を入手すればいいのだな、そうか57香があるから馬筋をずらせてこっちへ転回するのもあるか、とあれこれ考えるとなかなか複雑だ。さんざん考えて、52角と捨ててから87馬でその角を入手して43に打って歩を入手というからくりがわかった。それはいいのだが、25への追い方の手順を間違えた。最初と最後は合っているのに無念。お次の短大はもう大苦戦のうえ、6番しか解けなかった。7番がまた高10と同じ作者。いろいろ考えて初手76銀だろうなとは思ったのだがその後が続かない。これで曲詰にはびっくり。しかし最近見かけるこの作者うまいなあ。
なんか最近は普通の詰将棋があまりにも解けないので、逃避気味に色物(言葉が悪いけど)に時間を割くことが多くなった。その筆頭が年4回の将棋パズル。今月の目玉が103番の創作問題。曰く、持駒が香(あるいは歩)1枚なら詰むが、他の駒1枚なら詰まない詰将棋を作れというもの。担当者はずいぶん力が入っていたようだが、まずこれパズルなのと疑問になる。ある条件の詰将棋を作れという課題創作は、ヤングとか創棋会とか同人室とかでいつもやっているやつだ。つまり色物ではなくて本線ど真ん中ではないか。こういうのはそっちでやったらどうだろう。だいたい詰将棋なんて自分で作ったことなんてないし、とぶつぶつ言っても仕方ない。出されたものは解かざるを得ないのでうんうん考える。まあなんとかでっちあげて、正解者に名前を連ねることはできたけど、なんだかな。して、結果稿をみてびっくり。難度の高い歩バージョンの最高作として挙げられている虹霓さんの作品。なんとエレガントな。香バージョンの馬屋原さん作もそうだが、手練れの作家の底力を見せつけられた思いだ。
さて推理将棋。こちらは今月はいろいろ問題があって。問題文脱落で訂正がはいった588は非限定があって変だなと思ったらそもそも余詰作だった。最初の586は問題文表現に不備があったということだが、こちらはぼくは気づかなかった。唯一無傷の587が、手数非表示という推理将棋にあるまじき問題だったので、これもなんかのミスではと思ったが、これはそこまで意図された問題できちんと解けたので、それはそれでびっくりだった。それはともかく、推理将棋はこれで連続全題正解が5ヶ月まで伸びた。が、これもここまで。先月号は1題解けなかったし、今月出題分はまだひとつも解けてない...。続いて、フェアリーランド。こちらは7題中4題正解。苦手の自玉詰が2題解けたからよしとしよう。解けた中では3番の金子氏作には感心。スマートで美しい。
今月の一作は前述の将棋パズル雑談103番Bの解答虹霓氏作9手詰。上記のように、1枚の持駒が歩以外だと詰まない。なぜか。初手に48歩以外を打つと利きが強すぎて後に打歩詰になるからなのだが、それをたった9枚配置の9手詰で仕上げるところが匠の技というものだろう。
詰将棋パラダイス2024年11月号将棋パズル雑談103B解答虹霓氏作