カテゴリー「ゲーム」の記事

2024年12月 2日 (月)

ザ・ペンシルパズル2025

 10月発売のこのニコリ別冊ザ・ペンシルパズル(PP)2025をようやっと解き終わった。パズル・ザ・ジャイアントVol.37をやっつけてから取り組んだので、かれこれ2ヶ月近くかかっている。お世辞にも早いとはいえないが、とりあえず本誌12月号到着には間に合ったのでよしとしよう。と、ここまでの文章は昨年(12月8日)と全く同じ(2025→2024、37→36)というのは内緒。いかに毎年自転車操業かがわかる。これでは買いためてあるバックナンバーが減らないのも道理だ。

 さて、本号はレギュラーパズル10種が計254題掲載されている。内訳は以下の通り。

・美術館(S16,M10,G1)
・スラローム(S16,M6,G1,SG1)
・波及効果(S16,M8)
・シャカシャカ(S16,M10,G1)
・ダブルチョコ(S16,M8)
・シンカミノ(SS4,S16,M1)
・ヤジリン(S16,M10,G1)
・へやわけ(S16,M10,G1,SG1)
・スリザーリンク(S16,M15,G1)
・カックロ(S3,M16,G1)
SS/S/M/G(ジャイアント)/SG(スーパージャイアント)は盤面サイズ(スリザーリンク、カックロ以外は定型)

 特筆すべきはこの5年連続出題されていたナンバーリンクの落選だ。これで6年連続出題はダブルチョコ・へやわけ・ヤジリン・スリザーリンク・カックロの5パズルとなった。それ以外のエントリは以下。波及効果がやっと初登場を果たした。あと出そうで出てないのは、四角に切れ、ぬりめいず、のりのりあたり。来年はどうなるかな。

・2020 ペンシルズ・美術館・ましゅ・(ミッドループ)
・2021 ペンシルズ・ましゅ・フィルオミノ・(ドッチループ)
・2022 シャカシャカ・ぬりかべ・(チェンブロ・ドッチループ)
・2023 スラローム・美術館・(チョコバナナ・チェンブロ)
・2024 ぬりかべ・ましゅ・フィルオミノ・(チョコバナナ)
・2025 美術館・スラローム・波及効果・シャカシャカ・(シンカミノ)
カッコ内はニューパズル枠

 今号で気になった作品は、美術館27、スラローム20(おもしろい)、24(意外とやさしい)、波及効果17、20、22、シャカシャカ26(対称配置、おもしろい)、27(これはうまい)、ダブルチョコ20(おもしろい)、24(おもしろい)、シンカミノ18(ひえ~)、ヤジリン16、19(対称配置、やさしい)、21(おもしろい)、へやわけ16(おもしろい)、20(対称配置)、22(ひっかかった)、28(超絶難しい、15マスの6には手こずる)、スリザーリンク24、27、28、カックロ16、19、というところ。へやわけ28(SG)は、これまでで一番難しかったかも。スラスラ進むところがなく、考えに考えの連続で5日くらいかかった。あと、盤面対称性が要求されていないパズルを対称配置にしたシャカシャカ26、ヤジリン19、へやわけ20は技能賞ものだと感心。

 

241202
ザ・ペンシルパズル2025

 

2024年11月17日 (日)

詰将棋パラダイス2024.11月号

 詰将棋パラダイス11月号、到着は10月30日。結果稿は8月分。詰棋校は今月は(も?)出来が悪かった。小中はともかく、問題は高校10番。よく見ると上に利く駒があれば25に追って詰むことがわかる。持駒の角で合駒を入手すればいいのだな、そうか57香があるから馬筋をずらせてこっちへ転回するのもあるか、とあれこれ考えるとなかなか複雑だ。さんざん考えて、52角と捨ててから87馬でその角を入手して43に打って歩を入手というからくりがわかった。それはいいのだが、25への追い方の手順を間違えた。最初と最後は合っているのに無念。お次の短大はもう大苦戦のうえ、6番しか解けなかった。7番がまた高10と同じ作者。いろいろ考えて初手76銀だろうなとは思ったのだがその後が続かない。これで曲詰にはびっくり。しかし最近見かけるこの作者うまいなあ。

 なんか最近は普通の詰将棋があまりにも解けないので、逃避気味に色物(言葉が悪いけど)に時間を割くことが多くなった。その筆頭が年4回の将棋パズル。今月の目玉が103番の創作問題。曰く、持駒が香(あるいは歩)1枚なら詰むが、他の駒1枚なら詰まない詰将棋を作れというもの。担当者はずいぶん力が入っていたようだが、まずこれパズルなのと疑問になる。ある条件の詰将棋を作れという課題創作は、ヤングとか創棋会とか同人室とかでいつもやっているやつだ。つまり色物ではなくて本線ど真ん中ではないか。こういうのはそっちでやったらどうだろう。だいたい詰将棋なんて自分で作ったことなんてないし、とぶつぶつ言っても仕方ない。出されたものは解かざるを得ないのでうんうん考える。まあなんとかでっちあげて、正解者に名前を連ねることはできたけど、なんだかな。して、結果稿をみてびっくり。難度の高い歩バージョンの最高作として挙げられている虹霓さんの作品。なんとエレガントな。香バージョンの馬屋原さん作もそうだが、手練れの作家の底力を見せつけられた思いだ。

 さて推理将棋。こちらは今月はいろいろ問題があって。問題文脱落で訂正がはいった588は非限定があって変だなと思ったらそもそも余詰作だった。最初の586は問題文表現に不備があったということだが、こちらはぼくは気づかなかった。唯一無傷の587が、手数非表示という推理将棋にあるまじき問題だったので、これもなんかのミスではと思ったが、これはそこまで意図された問題できちんと解けたので、それはそれでびっくりだった。それはともかく、推理将棋はこれで連続全題正解が5ヶ月まで伸びた。が、これもここまで。先月号は1題解けなかったし、今月出題分はまだひとつも解けてない...。続いて、フェアリーランド。こちらは7題中4題正解。苦手の自玉詰が2題解けたからよしとしよう。解けた中では3番の金子氏作には感心。スマートで美しい。

 今月の一作は前述の将棋パズル雑談103番Bの解答虹霓氏作9手詰。上記のように、1枚の持駒が歩以外だと詰まない。なぜか。初手に48歩以外を打つと利きが強すぎて後に打歩詰になるからなのだが、それをたった9枚配置の9手詰で仕上げるところが匠の技というものだろう。

 

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詰将棋パラダイス2024年11月号将棋パズル雑談103B解答虹霓氏作

 

2024年11月 2日 (土)

パズル・ザ・ジャイアントVol.37

 今さらという感じだが、相変わらず難しいパズル・ザ・ジャイアント(PG)、Vol.37を解き終わった。解き終わってないのだが、もうそういうことにしてしまおう。昨年のVol.36も難渋して、やはり解き終わった報告は10月にはいってからだったが、今年はそれより遅い。PGはVol.31-35が手つかずのうえに、先日出た傑作選5を買ってしまい、そちらも1-5がまるまる残っているから、合計10冊もある。年明けには新しいVol.38が出るだろうから、これはもう人生の残り時間に解き終わる気がまったくしない。少し方針を変えねば。

 さてそのPG37、どんな具合だったかというと記録に残ったのは以下のごとし。

スリザーリンク7
チョコバナナ1(難)
ダブルチョコ1(難)、3(トラップ)、4
美術館3、4(最後まで難)
へやわけ4(最強難)、5(ラスト難)
ナンバーリンク5(未完)
ぬりかべ3(難)、4(最強難)
ましゅ1(2回破綻)、4
のりのり1
ヤジリン4(2回破綻)、5
ペンシルズ1
フィルオミノ1(START→GOAL)、3(難)
スラローム3、4
カックロ5(難)、6

スーパージャイアント
カックロ おてごろ
スリザーリンク 島がいくつもできたが修復
美術館 パッチワークみたいで楽しい
ダブルチョコ 大技が楽しいが少し底が浅いか
ましゅ 白丸連続

 惨憺たるありさまで、連続して破綻するとさすがに折れる。ナンリン5はVol.36でも最後にやっと解けた花谷陽一さん作。もう名前を見るのもいや(笑)。

 

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パズル・ザ・ジャイアント Vol. 37 

2024年10月16日 (水)

詰将棋パラダイス2024.10月号

 詰将棋パラダイス10月号、到着は10月1日。結果稿は7月分。詰棋校は後期の開始。小中高とできて短大は3題だけのはずが、あれ高校に名前がないぞ。高1は13手詰だと思ったらなんと15手詰だったというおそまつ。初手68桂に86玉ではなくて一旦77玉とよろけるのか。あとはあっているのに不注意きわまりない。半期のトップバッターだし13手でピッタリだという思い込みもあるかな。きっと27人もの誤解者の相当は同類の御仁がいるに違いない(いないか)。それはともかくこれすばらしい作品で、ひとしきり考えさせられた。さすがの赤羽さんうまいものだ。うまいといえば、いつもながらおもしろい作品で楽しませてくれるのが上谷さんの中2。97龍でどう応じても3手詰にみえるが、唯一87角の逆王手でギャフン。それを避けるために、一瞬だけ駒台の角をなくしておいてから技をかけ、角をもどして原型復帰。それをたったの9手で仕上げるという至芸にはため息しかない。なんでこんなに点数低いんだろうか。

 今月は上半期の半期賞の発表。作品の部は今期は大学院以外全部自力で解けた作品だったので、納得感が大きい。難しいばかりが能ではなく、こういう明確なストーリーがある作品は解きがいがあって楽しいものだ。で、解答の部はというと、小中とともに久しぶりに高校が全解だ。調べてみたら2021年上半期以来3年6期ぶりだった。このときは小学校に名前がないので、小中高とそろったのはいつ以来だろうかというくらい。うんうん今年はけっこう頑張ってるではないのと思いきや、上記のように下半期の初っぱなでチョンボしたからまったく情けない。

 推理将棋は最近好調で今月も難しかったものの全問正解できた、が、いずれも条件が細かくて解くのに難儀した。おぼえられなくて何度問題文を見返したかわからない。そこへいくと、〇手目85飛成で詰みみたいな単純な条件はおぼえやすくていいのだが、どちらが解きやすいかというと、限定条件が多い方がかえってやさしい面もあるので痛しかゆしだ。それはともかく、583番は問題文欠落で余詰と。先月も問題文欠落でwebページに修正が載っていたし、校正がきちんと行き届いていないのかな。実は今月の591番も最初あれれと思ったが、こちらはきちんと読み直して納得。あぶないところだった。フェアリーランドは出題がなかった月なので結果はなし。今号の問題は6題中4題が自玉詰で、はあ...。

 今月の一作は前述の高校1番赤羽守氏作15手詰。赤羽氏といえば、中空に投げ出されて時間が止まったかのような詰上りの印象が強い。これはまた寸分の隙もない名作と思う。

 

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詰将棋パラダイス2024年7月号高校1番赤羽守氏作

 

2024年10月12日 (土)

パズル通信ニコリ188号

 9月発売のニコリ188号、1ヶ月かかってほぼ解き終わった。だんだんペースが遅くなるな。最近は懸賞の〆切が早くなって15日なので、うかうかしていられない。もうペンシルパズル2025が出ているし、その前にパズル・ザ・ジャイアントVol.37がまだ解き終わっていない。難航しているという話は187号のときにも書いたけど、それから3ヶ月たっているというのにだ。

 それはともかく188号は本屋さん特集。本屋さんとあってか、本屋さんがらみのパズルだけではなく、読み物がはいっていて特集っぽくなっているのが珍しい。次号の特集は山だからといって、山の話が載るとは思えないけど。そういう名ばかり特集はさておき、特集パズルというべき大盛りコーナーはフィルオミノだ。数字の初期配置や埋まっていくパターンで図形を浮き上がらせたりという妙技ができてなかなか味わい深い。ぼくはわりと好きだ。今回に限らないが、せっかく大盛りで解説もつけるのだから、近い数字はくっつけないとか袋小路の処理とかもうちょっと解き方の手筋とかトリビアを載せたらどうだろうか。

 定番パズルでおもしろかったのは、フィルオミノ14,15、カックロ4、スリザーリンク4,5、美術館6、波及効果5というところ。あと、脱帽パズルのスリリンは超手こずった。斜め配置ばかりというのは初めて解いたかもしれない。定番の入口の03とか辺の02とかがないのでなかなかつながらないし、だいたいが斜め連鎖の手筋ってあまりない気がする。それでも最後にはちゃんとつながって、確かにこれは脱帽だ。それとは真逆なのがスーパージャイアントのスリリン。こちらはほとんど斜めがなく縦横連鎖ばかり。これなら大丈夫だぞと取り組んだはいいものの、こっちはこっちで難渋した。久々に難しいスリリンを解いた気になる。半泣きマークがついてるけど、大泣きでは。同じ作者の裏のダブルチョコの方は、大したひっかけもなくすらすらと気持ちよく解けた。こっちの方が半泣きだと思う。

 ふだんは解けた問題の答え合わせはしないので答えの欄は見ないのだが、気になっていた前号のおあずけ答えが、5つのつながりというやつ。だいたいわかったのだけど、2番と4番の共通点がわからなかった。それぞれ、日本発祥と埼玉ゆかりときた。いわれればなるほどだけど、これはわからないでしょ普通。あとは巻末の謎解きパズル考。この連載はいつもおもしろく、付されるパズルにも感心させられる。よくこんな手の込んだことができるものだ。前号のも最後の変換がわからなかったし、今号の問題も途中までしか解けていない。理詰めではない発想の転換が必要なところが難しい。

 ちょっともどって珍し文字言葉コンテストの結果発表。1位がピチゾヘキ2位がピザゴペソって、これは言葉なのか。意味なくてもいいんだったのか。単なる5音の羅列ならあまりおもしろくない気がするけどな。それはともかく、5位がタカサキシには驚いた。こんないかにも多そうな文字の組み合わせでしかもありふれた言葉とは。裏をかくというかこれは多いだろうと敬遠されそうな字がねらい目なのだ。ぼくは4文字駅名コンテストで稀府(まれっぷ)で撃沈したのでよくわかる。

 最後に、オモパコーナーの串団子ボックス3って別解あるのでは?って思ったら、webページに訂正記事が載っていた。

 

 

2401012
パズル通信ニコリ188号

2024年9月15日 (日)

詰将棋パラダイス2024.9月号

 詰将棋パラダイス9月号、到着は9月2日。結果稿は6月分。詰棋校がお休みで、順位戦が行われた月だ。順位戦は力の入った力作ぞろいで、以前は頑張って解いて全題正解者に名前を連ねた時期もあったのだが、最近はパスしてばかり。手数は15手と短いのだけれど、とっつきにくそうで解く気が起こらない。それに引きかえ、同じ月にある同人室はより手数が長いにもかかわらずなぜか解きたくなる。テーマが決まっていてヒントがあるからというわけでもない気がする。不思議なものだ。ただし、手数順と書いてありながら初っ端から4手も長いのをもってくるのはいただけない。ずいぶん考えさせられた。

 学校は休みでも年間休みなしなのが保育園と幼稚園。ブラックなわけではなく貴重な初級コーナーなので休めないのだろう。この二つと表紙詰将棋だけは数少ないメール解答不可の常設コーナーだ。10月から郵便料金も上がることだし、ぼくはもうメール解答だけにしようと思い、下半期の7月号からは郵送解答は取りやめにした。というわけで6月号が最後の解答送付で卒園のつもりだったのだが、なんと幼稚園でまた間違えて最後を飾ることができなかった。そう、あの問題だ。某氏の短評に「この手順前後トラップはヤバい」とあるとおり、26人の誤答者にはいってしまった。手順前後の罠にはよくはまるな。注意力不足としかいえない。作品は例によって末尾に。それはともかく、解答ハガキはさみ込みをやっているニコリですら前号からweb解答を開始したし、そろそろ詰パラも全コーナーメール解答可にしてくれないかな(できればwebページから一回の送信ですめばいうことない)。さしあたってはもうじきやってくる短コンをどうするかだ。ぜひ解答参加したいがこれだけ郵送というのもな。

 あと6月号にあるものはというと、神無一族の氾濫だ。今回はなかなか多彩で楽しめた。結果は5題中4題正解だったから上出来だ。ひとつだけ無解だったのが3番の取禁協力自玉詰。自玉詰はほんとに苦手だ。相手玉に王手をかけ続けて自玉を詰めるという非論理性に頭がついていかないのだ。科学的思考力ではない別の能力が必要としか思えない。しかもこの作品は双裸玉。舞台を一からすべてつくらねばならないとは途方に暮れるしかない。発想力かなあ。あとはなんとか解けたし、1番の長手数協力詰は正解者5名にはいって、お見事ですとほめられたのでうれしい。しかしこのコーナー、あまりにマニアックなせいか今回も解答者がたったの13名しかなく、その錚々たる顔ぶれの中に自分の名前があるのは違和感しかない。敷居を下げるよりは孤高感こそがウリなのだろうか。

 続いては推理将棋。ここは今月も全問正解。これで3ヶ月連続というぼくにしては快挙だ。久しぶりの殿様将棋?は楽しかった。こんな制限された条件でよく詰むものだ。ところで今月の問題が問題。588番の問題はなんか変だと思っていたら、詰パラのwebページに以下の修正情報が載っていた。「・41ページ、推理将棋出題588番、出題文冒頭は「3回連続で指した駒」が正(「3回」が脱落)」。連続と3回連続では大違いなので、知らないと首をひねることになりそうだ。Webページはどのくらい見られているのかわからないけど、公平性の観点からは全員正解扱いになるのだろうな。そういえば、以前将棋パズル雑談の問題に条件脱落があり、担当者から直接メールで訂正情報が送られてきたことがあった。常連メール解答者へのありがたい配慮だが、このときももちろん結果稿は余詰扱いだったと記憶する。

 今月の一作は前述の幼稚園3番19枚目の歩氏作7手詰。いかにも怪しげな配置。ぼくは初手25金から詰めてあえなく沈没。

 

240915
詰将棋パラダイス2024年6月号幼稚園3番19枚目の歩氏作

 

2024年8月16日 (金)

詰将棋パラダイス2024.8月号

 詰将棋パラダイス8月号、到着日失念。たしか7月中に届いた記憶がある。結果稿は5月分。期末モードだったせいか惨憺たる結果だった。小学校は驚きの個展。藤原氏の狙いのある作品は好きだけど、全5題となるとさすがに飽きる。企画として否定的な意見がならんでいたのもうなずける。中学校は期末にしては低調だなと解いていって最後の25番にぶちあたる。しかしものすごいなこれ。無解者20名は他の学校を含めても最多だ。やっとこ解けたもののえらく苦労した。高校も24番はしんどかったがなんとか全解。最近の室門氏作は難しいよ(中高結果稿の問題番号が間違っている)。と、ここまではたどりついたが、短大はあえなく全敗。手も足も出ないとはこのことだ。短大クラスになるとぼくには荷が重いのだが、いつも2,3題だけ解けるのではなく、全部解けたり全部解けなかったりと極端なことが多い気がする。作品との相性だろうか。

 2ヶ月ぶりのフェアリーランドは妖精賞の発表だ。なんといっても中編の青木氏作。何度見ても素晴らしい作品で、受賞もうなずける。結果稿は4月分と5月分の2ヶ月分。それぞれ8/10と6/8正解とまあまあだった。楽しかったのが5月号4番の上田氏作。攻め駒38枚配置の全駒無防備玉なのに、手順を進めていくとどんどん駒が減っていって、最後には指す手がなくなってステイルメイトという冗談みたいな作品。自玉がないのに自殺というのもへんなものだが。

 そして上田氏作といえば将棋パズル雑談。通算出題100問目という記念作品がまた疑似ステイルメイト問題だった。歩以外の駒を動けなくするということで、効きの多い玉や金の配置に苦労しそうだが、意外と難しいのが斜めの効きの角銀だ。半面使い勝手のいいのが飛車で、1枚しかないのが残念。もっとあると便利なのに。上辺へ追い込むのは手数が足りないのはすぐ気がつき、左辺中段の効率配置はわりとすぐ見つかった。だがしかし、右辺も同様にしようと思うとうまくいかない。そこから苦心惨憺して、右上の簡素効率配置を見つけ出してやっと解決。しかしうまくつくるものだ。

 続いては推理将棋。これは579番がちと問題だった。余詰多数というが、その前に問題文が問題な気がする。「7回の駒取りで全7種の駒が駒台に乗るのを見た」で、駒取り回数は見た時点で7回だから最終的にはもっと多くても可、というのは担当子の説明でわかったが、全7種の駒が同時に駒台に乗っている必要があるのかどうかが紛らわしい。普通に読めば「乗っている」ではなく「乗る」なので同時である必要がないように思えるが、そうすると条件が緩和されるので簡単すぎてしまう。そんなはずはないから同時の意味なんだろうなと、ぼくの解答は「76歩32飛33角成52玉32馬99角成31馬89馬41馬同玉51銀79馬42金迄13手」。駒取り8回だけど条件には合っている。ところが作意解は同時になっていない。ということで余詰多数。うーむ、この作者にしてはちょっとおそまつだったのでは。

 今月の一作は前述の中学校25番加藤義信氏作11手詰。力ずくというか、すごい配置にすごい手順。暑い夏をさらに暑くさせること請け合い。

 

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詰将棋パラダイス2024年5月号中学校25番加藤義信氏作 

2024年7月22日 (月)

パズル通信ニコリ187号

 6月発売のニコリ187号の記事を書くのを忘れていた。かといってとっくに解き終わっていたかというとそうでもなく、たっぷり1ヶ月はかかっている。最近どうもペンシルパズル解きが低調だ、というか食傷気味。パズル自体に飽きたというわけではなく、この前に解いていたパズル・ザ・ジャイアントVol.37が破綻に次ぐ破綻で頓挫していることが原因だ。そんなこんなで、先日発売になった傑作選5もまだ買えないでいる。ジャイアントのシリーズはたまる一方だ。。

 それはともかくなんとか解いた187号、大盛りはましゅだ。ましゅって前にやらなかったかな。解いて〇がついているのは定番では、ダブルチョコ3、7、ヤジリン4、6、波及効果1、3、推理クロス3。スーパージャイアントイアントのカックロは、長枠が少なく細断された眩暈がするような盤面で、これは簡単だろと思いきや、なかなか手ごわかった。定番コーナーではないが、フランス特集の中の天体ショーもおもしろかった。オモロパズルでは、みちなり4、5、フェイクアロー4、ツインエリア4というところ。シンカミノは期待しているんだけど確かに今号のは低調だったな。もっともっとトリッキーなのができそうだと思うんだけど、作る方は大変なのかも。

 あとは特段書くこともないなあと考えて思い出した。忘れてならないのが54ページ下にある告知。なんとパズルの応募やコメントがハガキではなくオンラインで試行的にできるようになった。これは多くの人に朗報だろう。郵便料金も10月から値上げになるし、今どき綴じ込みハガキに切手を貼ってでもなかろう。パスワードを入れて応募ページにいってみると、巻末ハガキにある項目はもちろん、すべての解答欄がずらりと並んでいて、ここですべて完結できるシステムだ。これは便利。試行といわず、ぜひ正式運用してください。関係ないけど、詰将棋パラダイスもこうならないかなあ。メール解答はできてもコーナーごとに違うアドレスに出し分けなければならない、というのも結構大変なのだ。

 というわけで、いつもはハガキにちまちまと書き込む小言幸兵衛のような暇爺の寝言もオンラインで書き込めるのでラクだ。さっそく、オモロパズルの「みちなり」コメントの文章への難癖を書いておいた。ですます体なのに「多かった」の反復、これはいただけない。「多かったです」もこなれないので、言い換えに困るのも理解できるけど、もう一工夫ほしいところ。これしかも編集人が書いているんでしょ。あ、最後に制作した文章ってこれか。時間切れ?

 ヒマネタをひとつ。どことはいわないけれど、片隅に載っていた三善英史「雨」の話、ご同類ですなあ。20年以上前、千歳から羽田へのフライトのオーディオサービスに70年代懐メロ特集があって、この曲を久しぶりに聴き、ほとんど落涙したのを思い出す。懐メロの絶大な過去喚起能力。若い人にはなんのことやらだろうけど、ニコリの読者層の広さがうかがえる。鍜治さんも天国でうんうんとうなずいているに違いない。

 

240722
パズル通信ニコリ187号 

2024年7月17日 (水)

詰将棋パラダイス2024.7月号

 詰将棋パラダイス7月号、到着は7月2日。結果稿は4月分。今月は短大の最後が無解だったものの、大学が1題解けたからまあまあだ。今年前半もあと1月、さて来月はどうかな。なんといっても驚きだったのは小16だ。びっくりの初期配置もそうだが、解答者総数163名のうち誤解者53名、無解者16名とは。4割以上の人がつまずいたわけだ。小学校でこれは珍しいのでは。左端の駒柱をみれば合駒制限だなと予想はつき、そうなれば双玉だし打歩詰がらみとしか思えない。なるほど4手目に歩が打てないのかとそこで思考停止してしまったのだろう。

 それはともかく、それよりぼくが違和感をもったのは9筋の駒配置だ。これ美しくないよね。こんなことしないで後手持駒制限すればすむのに。後手の持駒制限はフェアリーでは普通にあるけれど、普通詰将棋では御法度のようだ。なんでだろう。全駒が盤面か駒台にある指将棋のルールに則っているというのなら、そもそも単玉詰将棋なんてありえないだろう。攻方玉を駒箱にしまえるなら、他の駒だってよいと思うが。自陣小駒成駒や指将棋的に不自然な配置を嫌う意見をときおり目にするが、後手持駒残り全部なんてほうがよほど不自然だと思う。

 その点、フェアリーは自由で楽しい。なのにそのフェアリーランドが今月は事情により休載ときた。いやあ残念すぎる。担当の片岩さん、体調を崩されたとかじゃないといいけど。毎月毎月のことだから、選題から結果発表まで、定期コーナーの担当者は大変な労力だろうと思う。普通の3ヶ月後結果稿ならまだしも、表紙や推理将棋は2ヶ月後だから目が回ることだろう。ご苦労さまですほんと。そういえば昔の詰パラにはスピード詰将棋というのがあって、確か当月の10日頃が解答〆切で、結果は翌月掲載だった記憶がある。違ったかな。すべて郵送の時代にとんでもないことをやってたものだ。

 今月は看寿賞発表。受賞作は見事な作品ばかりでおめでとうございます。と、他人事のように書くしかない。毎年書いているように思うが、こういう評価は人それぞれだし、どれか1作を合議で選ぶなんてのは意味があるのかないのか...。貴重な誌面を26ページも割いて大々的に発表される賞なので、詰パラ(全詰連)としても力の入った企画なのだろうというのはわかるけど。

 今月の一作はその看寿賞受賞作、ではなくて谷川浩司十七世名人の表紙作にした。表紙なので5月号掲載の作品で15手詰。先の小16とは違ってこちらは誤解者が9名。なのにぼくはその中にはいってしまった。8手目要注意という短評があったが、まさにここを逃げ間違えて11手で詰めてしまい、そのせいで2手目16玉の13手の変化を作意と誤認したというおそまつ。どう考えても谷川さんらしからぬ手順だなと思っていたのだから、穴があったら入りたいとはこのことだ。失礼しました。

 

240717 
詰将棋パラダイス2024年5月号表紙詰将棋谷川浩司氏作

 

2024年6月15日 (土)

詰将棋パラダイス2024.6月号

 詰将棋パラダイス6月号、到着は6月3日。結果稿は3月分。先月、珍しく保育園から短大まで全題正解できたと書いたばかりなのに、今月はなんとそれに加えて大学も全題正解。どうなっているんだろう。いやもちろん易しかったのだろうな。大学の全解者32名は短大の36名に匹敵する多さだった。易しかったとはいってもぼくにとってはそれなりに苦労したのだが、いずれも趣向がはっきりしていて考えやすいのは確か。作者名を見ただけでよし解いてみようかという気にもなった。こういうラインナップも時おりはやってほしいものだ。他校もそれなりに考えさせられたものがあって、たとえば、小11、中14、高12、短12というところ。小11は3手詰じゃないんだよな、こういうのがトップバッターにおかれるから油断ならない。

 今月は昨年の解答順位戦成績発表があって、ぼくは414点で43位だった。一昨年の435点38位からまたまたダウンして解答力低下に歯止めがかからない。500点30位を目標にしていた頃もあったのになあ(遠い目)。しかし、三段格の420点を切ってしまってはさすがにまずいな。今年はもう少し頑張らねば、といってももう半分終わってるんだけど。同時に発表があった門脇賞は今年は受賞者があって、風みどりこと小泉潔さん。昨年ここで提案した「良質な詰棋書を制作販売している人」のまさに受賞で、うれしい。本の制作もそうだけど、おもしろいブログで詰将棋の裾野拡大への貢献も大だと思う。おめでとうございます。

 さて、今月号の出題の方はというと、詰棋校がお休みでやれやれだ。最近解く方はほんとにしんどいので、一息というところ。数年前は頑張って順位戦を解いていたこともあったが、最近はもう見ただけでげんなり。たったの15手なのにね。それに比べるとやや解きやすい同人室も今月はまだ半分しか解けていない。しかも、手数順のはずが...。そして極めつけの神無一族の氾濫。これ、客寄せ1題しか解けなかった前回に続いて難解で、今回はどれが客寄せなのという感じ。しかし、ネコネコ鮮詰ときた。ネーミングセンスはおくとしても、まあよく考えるものだよ。

 もう書くことがなくなってしまったので、またヒマネタを。加藤徹さんのおもちゃ箱だよりは毎月ちゃんと読んでいる。今月はコンピュータ将棋選手権の話で、将棋は強くなるほど先手勝率が高くなるという話がおもしろかった。プロ同士だと52-53%だが、タイトル戦にかぎると57%となるそうだ。こうなると最終局の振り駒が重大だ。そしてコンピュータ将棋選手権決勝ではなんと先手勝率72%。つまりコンピュータどんだけ強いんだという話。また、このレベルになると初手は76歩より26歩が圧倒的有利だと。いったいどういう世界だよ。

 今月の1作は油断のならない小11長谷川雄士氏作5手詰。いやほんとに5手詰。

 

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詰将棋パラダイス2024年3月号小学校11番長谷川雄士氏作

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