カテゴリー「ゲーム」の記事

2023年12月 8日 (金)

ザ・ペンシルパズル 2024

 10月発売のニコリ別冊ザ・ペンシルパズル(PP)2024をようやっと解き終わった。パズル・ザ・ジャイアントVol.36をやっつけてから取り組んだので、かれこれ2ヶ月近くかかっている。お世辞にも早いとはいえないが、とりあえず本誌12月号到着には間に合ったのでよしとしよう。

 毎年1冊出るこのPP、現在の様式になって5年目で、本号はレギュラーパズル10種が計257題掲載されている。内訳は以下の通り。

・ダブルチョコ(S16,M8)
・ナンバーリンク(S16,M10,L1)
・ぬりかべ(S16,M10,G1)
・ましゅ(S16,M10,G1)
・フィルオミノ(S16,M6,G1)
・チョコバナナ(SS4,S16,M1)
・へやわけ(S16,M10,G1,SG1)
・ヤジリン(S16,M10,G1,SG1)
・スリザーリンク(S16,M15,G1)
・カックロ(S3,M16,G1)
S/M/L/G(ジャイアント)/SG(スーパージャイアント)は盤面サイズ(ナンバーリンク、スリザーリンク、カックロ以外は定型)

 このうち、ダブルチョコ・ナンバーリンク・へやわけ・ヤジリン・スリザーリンク・カックロの6つは5年間連続して掲載されているので、バリバリの人気レギュラー枠とみていいだろう。それ以外のエントリは以下のようだ。

・2020 ペンシルズ・美術館・ましゅ・(ミッドループ)
・2021 ペンシルズ・ましゅ・フィルオミノ・(ドッチループ)
・2022 シャカシャカ・ぬりかべ・(チェンブロ・ドッチループ)
・2023 スラローム・美術館・(チョコバナナ・チェンブロ)
・2024 ぬりかべ・ましゅ・フィルオミノ・(チョコバナナ)
カッコ内はニューパズル枠

 ニューパズル枠を除くと、ましゅが3回、ペンシルズ・美術館・ぬりかべ・フィルオミノが各2回、シャカシャカ・スラロームが各1回となっていて、このあたりが準レギュラーという位置づけなのだろう。数独は別格としても、波及効果、ひとりにしてくれ、四角に切れ、ぬりめいず、ノリノリあたりが出てこないのがちょっと意外だ。

 それはともかく、今号で気になった作品は、まずダブルチョコ19、大技はないものの細かい切片で考えさせられる。ナンバーリンク27、数字ペアの動きが美しい、ペアで動く部分が多く複線ラインが決まるので難しくはない。ぬりかべ27、結構難しい。ましゅ27、細かい折衝がめまぐるしくつい間違え、破綻した。フィルオミノ22、末端処理の連続がおもしろい、最後も小分割。チョコバナナ18、一瞬どこから手をつけていいか考えた、こういうことできるんだ。へやわけ16、分断縛り不使用が斬新。ヤジリン27、これも結構難しくてあえなく破綻。スリザーリンク30、なぜか解きにくい。カックロはあまり特徴ない感じ。巻末のSG(ヤジリン、へやわけ)は、いずれも大判の特性が生かされていておもしろかった。特にへやわけは、盤面一杯に波及する大技が見事。

 

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ザ・ペンシルパズル2024

 

2023年11月13日 (月)

詰将棋パラダイス2023.11月号

 詰将棋パラダイス11月号、到着は10月30日。今月は早いなと思ったら封筒が少し厚い。ははーんと開けてみると、案の定解けてうれしい詰将棋が1冊同封されていた。表紙詰将棋の解答に当選したのだった。たぶん3回目だ。表紙当選分はたぶん別送になるせいか通常より早く到着するのだ。ありがとうございます。

 結果稿は8月分。この月は出来が悪かったのであまり書くことがない。あれ先月もそう書いたような。しかし今月はさらに輪をかけて出来が悪かった。なんかもうどん底という感じ。なんせ詰棋校25題中12題しか解けなかったうえにその中で1題が誤解。当地は8月は記録的な暑さでじっくり考える気力もなかったしなと、暑さのせいにしてしまおう。あまりの暑さに重い腰を上げてわが家もやっとエアコンを導入することにしたくらいだ。設置は来年だが、これで来夏は同じ言い訳が効かなくなるというわけだ。

 間違えたのは中6。担当者の言のごとく初手47金とやったのはぼくのことだ。仕組みが大仕掛けなだけに、ああこういうことねと気づいた時点で精査を放棄して手順前後に罠にはまるという絵にかいたような誤解だ。それはそれとして、名誉挽回したのが高校で、こちらで誤解者多数を出した高7と高9はいずれも合っていた。高9はおもしろい問題で楽しめた記憶があるが、なんでこんなに誤解者がでたものか不思議。しかし高校で解けたのがこの2題だけというのもなんだかな。全然名誉挽回になってないという話も。

 さて暑い夏でも将棋パズルはまじめに取り組んだのだから、季節のせい説は怪しいもんだ。まあ夏向きのやさしい問題ではあった。なかで一番考えたのが80番のツイン。担当子の予想に反してなぜか(b)が先に解けた。結果稿をみると同様の人が多かったようだ。玉位置から11角打ちを考えるのはごく自然だと思うが。あとは、推理将棋は易しかったせいかなんとか2題。フェアリーランドも4(b)を間違えたけど5題できたので、今号にしてはまあよしとしよう。4(b)で☆の順を答えたのがまさにぼく。わざわざの解説に感謝。

 今号の話題はなんといっても藤井聡太八冠達成。藤井八冠はいうまでもなく詰将棋の作者・解答者としてもつとに知られ、詰パラとの縁も深いので、誌面では誰も彼もがわがことのように喜んでいる。長老陣にとっては孫の活躍のようにかわいいのだろう、ってさすがにそんなトシではないか。今号も八冠達成記念祝賀詰と題して錚々たる顔ぶれのあぶり出し曲詰が8題。以前にも藤井祝賀詰があった気がするがあれはなんの祝賀だったかな。いずれにせよこれはぜひ応募しなくては。字面をみるとフジイソウタとあと2つは何かな。

 今月の1作は、だいたい解けた作品が少ないのでその中でということになるが、まあこれだろう。中10藤原俊雅氏作11手詰。文句なしに楽しい。こういうのは好きだ。

 

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詰将棋パラダイス2023年8月号中学校10番藤原俊雅氏作

2023年10月15日 (日)

詰将棋パラダイス2023.10月号

 詰将棋パラダイス10月号、到着は10月2日。結果稿は7月分。この月は出来が悪かったのであまり書くことがない。小中はなんとか無事だったが、高5がカラクリは合っていたのに手順前後的間違い。相変わらず詰めが甘い。短大も解けたのは3題のみ。後期の出だしがこれだし、前期の半期賞の発表で顔を出したのは中学のみでは年間400点も危ういのでは。それはそうと、半期賞の作品の部はなぜかあーこれこれというのが一つもなく、印象に残っていないものばかり。前期は眠っていたのかい。

 最近低調な推理将棋もまた1題しかできなかった。なんとか健闘したのはフェアリーランドくらいで、こちらは5題中4題正解できた。最後の点鏡はずいぶん考えたのだけど残念。手が広くて、まさにこういうのはひらめきなんだよな。しかし、今月の問題は苦手なクイーン詰が4題もある。はあ。

 というわけでもう書くことがなくなってしまった。これだけではなんなので、ヒマネタを少し。まずちえのわ雑文集の關半治さん。本名はこんな難しい字なのか。詰将棋はいつも難しいが、文章は軽妙で楽しめた。こういうご当地の話はなかなかおもしろい。しかも武豊線界隈の鉄分も豊富。明治時代の古い遺構がいろいろあるのは有名だが、乙川駅が最小画数の漢字駅というのは初耳だった。うーん他にないかなと考えてみて、小海線乙女駅を思いついた。つまり1位タイということだな。して漢字以外ならもっとあるのだろうかとまた考える。お、予讃線みの駅が3画。なるほどね。

 話が逸れすぎたので軌道修正して、詰将棋さろん。山葉桂さんの金づくしの図面がずらりと並んで壮観だ。しかも持駒も桂香でそろっているのがすごい。しかし、毎月の大学院だけでは飽き足らずこんなものまでひょいひょいと作ってしまうなんて、すごい人だ。こういうのを人間が作れるのなら、eurekaなんていらないんじゃね。

 今月の1作もずいぶん迷ったすえに、大御所に登場してもらってお茶を濁すことに。高校4番谷川浩司氏作15手詰。やさしくて軽快。解後感すっきり。詰棋校もこういう作品があるとなごむなあ。

 

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詰将棋パラダイス2023年7月号高等学校4番谷川浩司氏作

2023年10月12日 (木)

パズル・ザ・ジャイアント Vol. 36

 昨日はもうはやザ・ペンシルパズル(PP)2024が届いたというのに、今年1月発行の2023年版パズル・ザ・ジャイアント(PG)Vol.36を今頃解き終わった。1月から解き始めたわけではないが、それにしても3ヶ月近くはかかった気がする。実はPG本、バックナンバーはたくさんもっているが、解いたのはこれが初めてだ。1年に本誌が4冊、別冊のPGとPPが1冊ずつ、隔年にパズルボックス(PB)、これを余裕をもって解かないとバックナンバーがたまる一方だ。そうか考えて精出して解きだして今年の分はPB以外は解き終わった。

 だいたいどんなパズルでも大判になると難しくなるものだが、そんなジャイアントサイズが約100題。ぼくのような暇爺でも3ヶ月くらいはかかる。その間に本誌も解いているわけだし。そういえば、今季号のニコリにPGだけを毎年買っている人が結構いるという話が書いてあった。たしかに忙しい毎日を送っている人なら1年楽しめるだろうし、それで1500円だから本誌買うよりコスパもいい。なるほどな、そういう需要もあるんだ。

 そのPG36、解き終わって〇がついているのがヤジリン5、ナンバーリンク5、波及効果2、ぬりめいず3、ダブルチョコ4、ペンシルズ3,4、美術館2,3、フィルオミノ3、四角に切れ3といったところ。なかでも難しかったのはなんといってもナンバーリンク5だ。理詰めで解けないナンバーリンクは好きなパズルで、まるごと本も何冊かもっている。パッとひらめいてぴったりラインが埋まっていく快感はなんともいえないものだが、ひらめかないといつまでも解けない。他のパズルのように中終盤でハタンしてあ~あということはないかわりに、入口すらわからないと取り付く島がない。本問も誘い手がことごとくトラップで打つ手がなく、何日考えたかわからない。

 楽しかったのは、これはもうダブルチョコ4。これどうやってつながるのという遠路をくねくねたどっていく楽しさは格別だ。しかもそれが二つあるのだからびっくり。こういうのはジャイアントサイズならではの問題だな。パズルのなかには大きさが相加的にしか効かないものもあるが、相乗的に効いてくるものあって、ダブルチョコやスラローム、ぬりかべ、天体ショーなど意表をつくつながりをつくれるパズルはPGがおすすめだ。

 ところで、最後のモチモチメイロ。迷路はもともとあまり解かないが、これはまったく手も足も出ない。これ解き方ってあるんだろうか。試行錯誤?まさかね。

 

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パズル・ザ・ジャイアント Vol. 36

2023年9月25日 (月)

パズル通信ニコリ184号

 今月10日発売のパズル通信ニコリ184号。今回は2週間でだいたい解き終わった。今号の大盛りは、スラローム。すらすら解けるので大好きだ。遠回りの意外性がキモなので盤面が大きいほど面白い問題がつくれると思う。今回は大きいのでも17×17なのでその点いまひとつ。13番はちょっとおもしろかった。大盛りなのだからスーパージャイアントにも取り上げてほしかったな。いやスラロームのSGってこれまであったっけ。今号のSGはスリザーリンクと美術館。スリリンは3をどっちへ回すかがなかなか決まらず、間違えるとガラッとつながりが変わるので緊張した。でも慎重につないでいけば大丈夫。美術館の方は、最後の最後に破綻して目の前が真っ暗になったが、なんとか部分修正で乗り切れた。あってるかな。

 レギュラーパズルのコーナーはどうも低調な感触。特にインパクトのあるものがなく、可もなく不可もなしで解けてしまった。オモロパズルのシンカミノは意外なつながりの発見がダブルチョコ的なところがあるな、これ大判にしたらおもしろいかも。巻頭の特集は今回は理科ということでちょっと期待だったけど、なんだかな。毎回書くけど、特集といっても独自のパズルになるわけではないので、あまり意味がない。リトマス試験紙なんて全然パズルになってないし。あ、特集からはずされたという天秤の古典パズルはおもしろかった。こういうのを考えるのは好きだ。

 そういえば、理科ということで分子模型が紹介されていたのにはびっくり。紙で作る分子模型はいろいろあるが、PuzMolというのは知らなかった。んーでもこれ基本的にsp2の平面炭素モデルなのがちょっと残念。やはり模型が威力を発揮するのは立体モデルなので、sp3炭素をつくってほしい。ぼくは昔現代化学誌に載っていたテトラポッドみたいなのを楊枝でつないていくやつを愛用していたけど、あれはその点優れものだった。それはともかく、分子模型なんてものを取り上げてくれたこと自体は大いに評価したい。前号の詰将棋パラダイスといい、なかなか攻めてるなと思う。

 気になる巻末はさみ込みの懸賞応募はがきの質問事項、今号のは「今号の「パズル通信ニコリ」を、あなたはどのように入手しましたか?」だ。サブスク分は把握できてるだろうから、それ以外といったら書店かネット通販しかないのでは。それとてそれぞれの配本数はわかっているはず。返品不可の買い切り制なので、出荷した分のうちどれだけ売れたかがわからないのかな。何が気になるのだろう。売り方を再検討中とかか。

 

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パズル通信ニコリ184号

2023年9月13日 (水)

詰将棋パラダイス2023.9月号

 詰将棋パラダイス9月号、到着は8月30日。え、もう来たの。全然解き終わっていない8月号を前に嘆息。結果稿は6月分。そうか学校はお休みの月だ。代わりに順位戦と同人室がある。順位戦をガシガシ解いていたこともあったけれど、最近は難解作は敬遠することにしているので、今年もまったく並べてすらいない。なんで順位戦てこんなに難しいのばかりなんだろうね。15手以内なのに各クラスとも全解者がせいぜい30人くらい。ふだんの高校の半分だ。難解作が高評価されるのってどうなんだろうと思ってしまうが、それはできないものの僻みだな。

 そこへいくと同人室は楽しい、というようなことを毎年書いている気がする。今回のお題は「邪魔駒消去2枚以上」とわかりやすい。解くうえでも大きなヒントになるかというと、いったいどれが邪魔駒なんだかわからないものもあって、そうともいえないか。なかでもぼくが感心したのは10番山田康平氏の作品。これは今月の1題として末尾に取り上げたい。しかし、評価基準は人それぞれとはいえ、この作品が13題中10位の得点で、C評価が4名もいるんだから驚きだ。

 学校休みの月のお楽しみがもうひとつあった。神無一族の氾濫だ。しかし今回は奇抜なルールすぎて手も足も出ずに一つも解けなかった。解説を読むとなるほどなあと思う。「ルール名は複雑でも狙いは明快。フェアリーではそんな作も多いので、ややこしそうな作でも一度は解図を試みてください」とは担当者のことば。まったくおっしゃる通りでぐうの音も出ない。次回の12月号でがんばろう。

 そういえば忘れちゃいけない末尾のデパート。またこれがもう頑張って解くしかないでしょというすごいラインナップ。順位戦をパスしたので時間はたっぷりある。いや期待に違わぬ好作ぞろいだった。なんといっても4番岩村氏作、まず32歩生と開き王手すると33歩合が打歩詰で打てないというカラクリに気づいてびっくり。そこで受方は歩が打てるように攻方に利き駒を発生させる、という攻防に二度びっくり。どうやったらこういう笑っちゃうような発想が出てくるのだろう。奨励会三段にしておくにはもったいない才能だ(冗談)。

 今年は何年ぶりかで詰将棋全国大会が開催されて、そのレポートが今号に掲載されている。相変わらずおっさんの写真ばかりが並ぶ。参加者名簿が載っているが女性らしき名はほとんどない。詰将棋が男の世界だというのがよくわかる。ニコリで同じことをやったら女性比率はもっとずっと高い気がする(先日届いた185号の投稿者を数えてみたら全体の1/4くらいが女性と思われる)。同じ頭脳パズルでなんでこんなに違うのだろう。あと、作者側と解答者側を分けると作者側の人が圧倒的に多いように思った。もっとも、こういう会は出たい人と出たくない人が分れるので、これで全体を推し量ることはできないのだが。

 さて今月の1作は、上に書いた同人室10番山田康平氏作29手詰。手数からいっても、短大の最後におかれそうな自然な配置の一作だ。普通に解いてみると、玉がどんどん上部に逃げ出していって、龍で追っていくのだが詰みそうで詰まない。変だな。よくみると自駒の桂と香が邪魔になっているのだ。これがなければ詰むのに。というところで今回のお題に思い至る。そうか、このいかにも自然な置き駒が実は邪魔駒だったのだ。たしかにとうてい邪魔駒に見えない必要そうな駒が実は邪魔駒だったという作品はあるけれど、これはまた初期配置がきれいすぎて、まったく気がつかなかった。邪魔駒作品というお題でこういうのをサラリと作るセンスと技術、これぞ同人作家。

 

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詰将棋パラダイス2023年6月号同人室10番山田康平氏作

 

2023年8月29日 (火)

初手14の8

 タイトルをみて、あああれかと思った人は同好の士だろう。いささか旧聞に属するが、8月20日に放映になったNHK杯囲碁トーナメントの大西竜平七段対林漢傑八段戦。ビデオ録画しておいたものの、先週の札幌は猛暑日3日という連日の暑さで、とても暑い部屋で録画を観る気がしなかったので、延び延びになっていて昨日やっと見た。そしてびっくりというわけだ。

 衝撃の初手が打たれて一瞬おいて、司会の星合三段「これは何という位置でしょうね」、解説のレドモンド九段「いや名前はないですね」というとぼけた掛け合い。辻二段の棋譜読み上げの声もずいぶん遅れていた。必死でマス目を数えていたに違いない。初手天元は見たことあるし、大高目だの五の五だのも過去にはあった。しかしこの中途半端な位置はなんだ。局後のインタビューで大西七段は、あまり考えて打ったわけではないと言っていたが、たしかに考えて打てる手ではないだろう。二手目に林八段が気合で16の8にかかったので局所戦がはじまるかと思いきや、数手打ったあとは空き隅に着手して普通の進行になっていった。結果は大西七段の二目半勝ちだったが、初手の効果はどれくらいあったのだろう。

 初手に奇抜な手を打ったからといって変わった碁になるわけでもないのなら、結局どこに打ってもそう違いはないのではないか。極端に隅や辺に偏っていなければどこに打っても一手の価値はあるのかもしれない。将棋でも、初手に端歩を突いたり金を上がったりする人がたまにいるが、盤が狭くて駒の配置が決まっているので、大したバリエーションはない。それに比べて碁の自由気ままさといったら、まさに変幻無比で奥が深い。奇抜な初手に対する応じ方もいろいろ考えられるし、それらの組み合わせは膨大だ。どう打っても一局となると人智の及ぶところではない。AIがもっと進化したら答えが出るのだろうか。

 

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驚きの瞬間 

2023年8月13日 (日)

詰将棋パラダイス2023.8月号

 詰将棋パラダイス8月号、到着は8月1日。結果稿は5月分で、詰棋校は高校までは解けたものの、短大は後ろの2題しか解けなかった。ところでそのうちの一つ短25。さらさらと解けて爽快なのだけれど、解説をみていて13手目23角成にあれれと引っかかった。11玉には12歩21玉31銀成以下早いと。なるほどそうなのだ。ぼくはここでなぜか23角生と凝った解答をしていた。もう記憶にないが打歩詰がみえたのだろうか。そのあとは22玉32角成として作意に合流する。23角生に11玉12歩22玉としても同手数で詰む。すなわち23角生だと手順前後的な変同が発生するのだ。23角成だとそれがない。この場合の23角生はどういう扱いなのだろうか。単なる非限定の小キズなのだろうか。もう点数争いはしてないからどうでもいいけど。

 さて今月は楽しみな将棋パズル雑談がある。前回分は全問正解できていた。87番は結構難しくて、先手後手の違いを出すためにはと考えて、なんとか飛打限定を見つけ出した。88番は帽子の色当てみたいなよくある推理パズルで、将棋でこれができるとはよく考え出したものだと感心。こういうのはニコリストにも受けるんじゃないかな。今月の問題もそれぞれおもしろくて、90(a)はずいぶん考えさせられた。将棋パズルがある月は他のコーナーがおろそかになるのが問題だったりして。推理将棋は先月に続いて2問解けた。最近全題正解から遠ざかっている気がするが、このくらいが実力だろうな。あとは飛んでフェアリーランドが8問中4問。後半4問は無解者続出だったので、誰しも難しかったとみえる。というかこういうのを毎月解ける人の頭はどうなっているのだろう。

 いつも感想を書いたりしないけれど、読み物のページもとりあえずは読んでいる。今月のちえのわ雑文集は中学生の坪倉さん。しっかりした論旨と文章で感心した。いまどきの中学生ってこうなのか。ぼくも中学の頃詰パラを読んでいたけど、とてもこんな立派な文章は書けなかった。たしかに「跳ね玉兎」はすばらしい作品だ。タイトルの桂馬の動きだけとっても美しいのはその通りだけど、詰将棋のすごいところは「手順がすべて必然だ」という点ではないかな。必然性を理解するにはやはりルールの理解が必要な気がする。

 さて今月は夏向きの1作。ヤング・デ・詰将棋1番高木秀夫氏作11手詰。持駒がなくて考えやすいし、攻め駒が強力なので簡単そうにみえて結構手こずった。うまくつくるものだ。思わず首位投票してしまったが、手数が短いトップバッターは投票では不利なのを忘れていた。それにしてももう少し票がはいってもいいんじゃないかな。

 

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詰将棋パラダイス2023年5月号ヤング・デ・詰将棋1番高木秀夫氏作

2023年7月13日 (木)

詰将棋パラダイス2023.7月号

 詰将棋パラダイス7月号、到着は7月4日。結果稿は4月分で、今年はもう低調でも驚かないが、今月は高校までは解けたはず、なのに名前が載ってない。よくみたら高17で後半の飛打合を見落としていた。う~ん油断ならない。でもこういうトリッキーな作品は好きだし、落とし穴にはまっても納得感がある。負けてさわやかというのは負け惜しみだけど。あとは力不足で解けない作品ばかり。今年は手元の点数集計すらしていないけど、あんまりのんびりしていると400点もおぼつかないかな。今月から下半期にはいるし少し頑張らねば。

 さて7月号は看寿賞発表の月。例によって24ページに渡って特集記事が掲載されている。今年は短編2、中編3、長編2の計7作受賞という大盤振る舞い。ぼくは例によって短編1作しか自力で解いていないのでなんとも評価のしようがない。唯一解いた相馬慎一氏作は確かにこんなことできるのかと驚いた記憶がある。あとは、はあそうですかというしかない。前にも書いたように、ギャラリーとしては、この人がホメているのだからいいのだろうとしかいいようがないのだ。まあ賞というのはみんなそんなものだ。でも、そこへいくと客観的点数計算ですべてが決まる七條賞なんかの方がずっとすっきりするな。文句のつけようがない。

 あとは、久しぶりに推理将棋が2問解けたのはよかったけど、フェアリーランドが2問しか解けなかった。この月は難しかった。そういえば妖精賞も発表。こちらは短編・中編の2作を解いているのでなるほど感が大きい。まあそれもぼくの主観ではあるのだが。

 今月の出題の方はというと、錚々たるプロ棋士のオンパレード。奨励会員も含めると8作?掲載は特別企画以外では初めてかな。なんといっても表紙が藤井七冠だ。7月号に掛けたわけね。その表紙作品は作者の言葉通りやさしくて暑い夏にぴったりの涼しい作品。

 さて今月の1作。どうしようが迷ったが、たまには変わったものをということで、フェアリーランド2番の大野孝氏作安南詰9手。安南ルールというのは、駒の直下に味方の駒があったときにその駒は下の駒の動きに変わるというもの。詰手順は、14金同歩24歩25と同銀24飛16歩同飛24銀まで。初手14金を同歩と取ると玉が歩の上に乗って歩の動きしかできなくなる。次の24歩は角の上の位置なので角の利きとなり王手がかかる、という寸法だ。最後まで思わぬ駒の利きを利用した安南の魅力満載。

 

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詰将棋パラダイス2023年4月号
フェアリーランド2番大野孝氏作(安南詰9手)

2023年7月 7日 (金)

パズル通信ニコリ183号

 先月10日発売のパズル通信ニコリ183号。前号でサブスクが終わってしまったので、ちょっと入手が遅れて手にしたのは16日。3週間かかってほぼ解き終わった。

 今号の大盛りは、ダブルチョコ。これレギュラー化したばかりのせいか売り出しに力がはいっているようで、つい何号か前にも大盛りがあったような。けっこうトリッキーな部分もあって確かにおもしろい。特に大判の作品では縦横無尽のつながりがあって、しかも回転や裏返し可能なので考えさせられる。今号のスーパージャイアントもおもしろかった。これ、入口になりやすい数字の1がひとつもないのだ。どっから手をつけるんだと思ったら、ちゃんとわかりやすいハートマークがあるという親切設計。かと思えば小さい枠でも18番のような切り分けの妙でてこずらされるものもあったり、なかなか奥が深い。将来有望だな。

 スーパージャイアントといえばカックロの方はスラスラ解けてとても気持ちよかった。パズルは難しいばかりが能ではないという見本だ。あと定番パズルでおっと思ったのは、スリリン6、美術館6なんかかな。そうだ、着順発表問題の波及効果にはやられた。見てのとおりねぇ。いつのまにか苦手な某パズルをやらされているという。こういうことできるんだと感心しきり。特集が踊りということでそのパズルが8ページにわたってあるけれど、この特集というのが今一つだと毎号思う。パズルも大したことないし、テーマとパズルのつながりの必然性も薄い。毎号やる意味あるんだろうか。

 そうそう、前にも書いたように楽しみにしていたのが詰将棋パラダイス編集部訪問記。しかしこういうのがニコリに載るとはねえ。両誌に共通性あるかなあ。共通読者はいるだろうけど、読み飛ばしてしまう人の方がずっと多いんじゃないだろうか。冒険したな。逆に詰パラにニコリの記事がというのは到底考えられない。今号にはカラーページには将棋がらみのパズルがあったりして、ひょっとして編集部に将棋好きがいるのだろうか。

 巻末はさみ込みの懸賞応募はがきの質問事項、今号のは「現在の「パズル通信ニコリ」のページ数、発行頻度、定価についての感想をお願いします」ときた。なにか見直しを検討中なんだろうか。定価は上がったばかりだし、発行頻度も一時月刊化してもどした経緯があるし、ここで変える必要性は感じられないけれど。そういえばなぜか今号いっぱいで編集人の菱谷さんが辞められて、編集スタッフの入れ替えもあったらしい。鍜治真紀さん亡きあとの方針転換があるのだろうかね。

 

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