カテゴリー「ゲーム」の記事

2022年9月13日 (火)

詰将棋パラダイス2022.9月号

 詰将棋パラダイス9月号、到着日は9月1日。結果稿は6月号分。この月は詰棋校がお休みで、その代わりに年に一度の順位戦があった。順位戦は15手以内だから高校クラスなのだけど、力のこもった作品が多いのでなかなかに手ごわい。まともに全部解けたためしがない。それにしても今年は成績が悪く、A級が5題中4題、B級が8題中5題、C級が10題中5題しか解けなかった。ついでにいえば手練れの作品で複雑怪奇な難問が少ないので好きな同人室も16題中10題、こちらも楽しみにしているやさしい大学院にいたってはひとつも解けていない。今年の不調ぶりがうかがえる。

 というわけで感想を述べるほど自力解答ができていないので個々の感想は割愛。となるともう書くことがない。いやいやちゃんとある。6月は神無一族の氾濫の月だ。これも楽しみの一つ。5題中2-4の3題はそれぞれ楽しめた。5題目のたくぼんさん作の長編はいつも眺めるだけだが、1題目の神無三郎さんの「スガレ狩」は、狭いところの追い回しでおもしろそうなのでずいぶん考えた。ふむふむ合駒で歩を稼いで突歩詰にするのだなと予想して、角で追い回す。あれ簡単じゃんと思いきや、あああ二歩だ。2筋に攻方、3,4筋に受方の歩が立たないのだ。というわけで格段に難しくなる。どうやって歩合させるんだ。半月くらい考えたけどギブアップ。おかげで順位戦まで手が回らなかった、ということにしておこう。
 そういえば、推理将棋もなかなかだった。510番中村雅哉氏作。これもずいぶん考えた。月が明けてもまだ考えていた。どうやっても生銀だけの連続王手で詰めるのは不可能というのが結論だった。結果稿の最終図を見て驚嘆。ああこの手があったか。なるほどねぇ。頭固いなあまったく。

 あとは、ちえのわ雑文集にヤン詰の昨年度成績が載っていた。首位予想は12回中10回的中で3位タイだった。全的中者はなく最高が11回だからなかなかの成績ではないか。といいつつ今月号掲載の6月号結果でははずしてるし。しかし2位を16ポイントも引き離して40%もの解答者が首位予想に投票したダントツの作品が首位をとれなかったというのも珍しいのでは。首位は予想者の多寡ではなくあくまでABC評価で決まるのでこういう逆転もありえるのだ。

 今月の1作は、詰将棋デパート1番ローマ在住のブルータス氏による「カエサル手筋」。まったく作者名から作品名まで人を食った作品だ。ブルータス手筋のパロディだなと思ったが、そもそもブルータス手筋をよく理解していないので、解いてもいまひとつ意味がわからない。伊佐間氏の短評を読んで実によくわかった。なるほどそういうことか。考えつくだけでもすごいがつくっちゃうってのがすごい。誰ですかこれ。

 

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詰将棋パラダイス2022年6月号詰将棋デパート1番
ブルータス氏作「カエサル手筋」

2022年8月13日 (土)

詰将棋パラダイス2022.8月号

 詰将棋パラダイス8月号、到着日は8月2日。久々に誌代切れ通知が同封されていた。当選記録を確認したら9月号分までははいっているはずだが一ヶ月早かった。まあいずれ支払うものだから早々に振り込んできた。

 結果稿は5月号分。とりあえず保育園から高校までは無事だった。短大は山田修司氏作が残念ながら無解。どうも桂香の使い方がわからなくて枚数の多いのは苦手だ。しかも4枚しかないのに5回使うなんてひどい。その代わり、大学の齋藤光寿氏作が解けたからよしとしよう。相変わらずおもしろい。最後に歩が足りなくなるのを補充するところなどなんてうまくできてるのだろう。あとは、推理将棋が2問にフェアリーランドが3問はこんなものだろう。ばか自殺詰だけでも難しいのに対面とか背面となるととてもができる気がしない。こういうのを正解できる人の頭の中を見てみたい。

 将棋パズル雑談はいずれもおもしろい問題だった。74番の「全て挙げよ」というのは曲者で、いくつ見つけてももう他にないだろうかと疑心暗鬼になる。簡単な詰将棋でもすべての余詰を挙げよといわれたらとたんに難しくなるようなものだ。実は、メール送信直前に13龍を発見して冷や汗をかいたのだ。それはともかく、今月号の問題は盤面図がひとつもなくすべて文章題だ。これは読解力が要求される。特に79番。ゴシックの出題文だけでは何いってるのかわからず、その後の補足文を再読してやっと理解できた。大学の文学部の先生がこれではいかんと思うが。

 その他のページでは第9回春霞賞の発表というのがあった。詰工房という限られた有志?による投票ということなのでどの程度オーソライズされているかは疑問だが、対象が構想作なのでぼくとしては看寿賞や半期賞よりも共感できる作品が多い。今年も納得の結果といえるだろう。春霞賞とはどういう由来なのか知らないが、名前もいい。

 さて、先月号から詰棋校も後期が始まって、中学と高校の担当者が変わった。それにともない、メール解答の宛先も変更になった。せっかく小学校から高校まで、tsumepara****という統一感のあるアドレスだったのにまたバラバラになって残念だ。担当者が代わってもメルアドはそのままにしてくれるといいのに。転送機能使えばなんてことない気がするが。しかも、tsume~(小学、高校、デパート)とtume~(大学院)というトラップまである。そんなことだから、今月号では高校の出題稿にtume~と誤植があるという、ほらみたことかになってしまっている(webページに正誤表)。

 今月の1作は、中25小林敏樹氏作11手詰。いまやバッテリの組替えはめずらしくないが、この意表を突く雄大さ。ああこうなるのかと収束を発見したときは感動した。

 

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詰将棋パラダイス2022年5月号中25 小林敏樹氏作

2022年7月23日 (土)

3手収束

 最近ちょっと気になっている用語がこの3手収束。主として短編詰将棋について好ましくないニュアンスで使われる。昔はあまり聞いた覚えがないし、その定義が判然としない。たとえば次の作品。

A) 詰将棋パラダイス2022年4月号中学校18海老原辰夫氏作11手詰(左:初期配置、右:収束3手前局面、以下同じ)

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 ぼくは5手目23金がなかなか発見できず、海老原さんらしいスキのない好作だなと思っていたが、解説によると「好手が1つと3手収束というバランスは現代感覚だと甘く見えてしまう」とのことだ。
 この最終3手は馬で合い利かずの王手をして玉が逃げて馬が入るという手順だ。確かに冗長といえばいえるが、作品全体の流れからすると23金の味わいからの余韻といってもいい気がする。この手の飛角で合い利かず逃げて駒成という一連の手順は確かに頻出で、紛れる余地もなく安易なので現代詰将棋の感覚だと緩みという評価になってしまうのだろう。

 最近の詰パラからもうひとつ。

B) 詰将棋パラダイス2022年3月号高等学校14佐藤勝三氏作17手詰

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 こちらも解説文に「3手収束もあまり評判がよくなかったようです」とある。ワンクッションある龍での追い詰め。これもよくあるパターンではある。
 こうしてみると3手収束というのは一連のパターン化された追い手順という意味なのだろうか。

 気になったのでネットで少し検索してみたところ、次のような例が出てきた。

C) つみき書店詰将棋つくってみた(73)課題15:結果発表(後編)第18問negitarou氏作7手詰
 「7手で3手収束になるのは残念です」

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D) TETSU詰将棋作品集おもちゃ箱第44番9手詰
 「最後は3手収束ですが、序と対応しているので、これでいいか、と」

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E) 詰将棋サロン名作選p.344 389番(将棋世界2007年2月号初出)妻木貴雄氏作17手詰
 「作者には珍しい3手収束だが、最善形だろう」

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 う~む、わからなくなってきた。いずれも簡単な追い詰めか並べ詰めではあるけれど、パターン化されているようには思えない。収束の緩みというだけのことで、ことさら3手収束などという用語でひとくくりにする意味はない気がするが。なにかぼくの気づかない共通点があるのだろうか。

 

2022年7月20日 (水)

勝ちました

 将棋というゲームは変わっていて、負けることはできても勝つことはできないことがある。相手の王将を詰めれば勝ちだが、この場合自動的に勝ちではなく相手が負けましたと投了するから勝ちになる。囲碁なら相手が投了しなくても地を数えて多ければ自動的に勝ちだ。
 双方の王将が相手の陣地に入玉して、詰ますどころか王手すらかからなくなることがある。そんなときのために持将棋ルールがあって、王将以外の大駒5点、小駒1点として双方24点以上もっていれば、合意の上引き分けとなる。で、片方が24点未満しかなかったら負けなのだが、自動的に負けにはならず投了しなければ終わらない。すなわち24点未満の相手が指し続けて投了しなければ、いつまでたっても勝つことはできない。
 そう思っていたら、そういうことが起こらないように入玉宣言法というルールが2013年10月から導入されたのだそうだ。宣言の上設定された点数等の条件を満たしていることが確認されれば自動的に勝ち、満たしていなかったら負けとなる。
 一昨日のマイナビ女子オープン戦予選で野原未蘭女流初段がこの宣言を行って勝ちをおさめた。男女含め公式戦での初めての適用例だそうだ。さすがに「勝ちました」とはいえないから、「宣言します」と言って駆け付けた連盟職員が確認して決まったとか。タイトル戦なら立会人がいるが、一般棋戦では審判がいるわけではないからそういうことになるのだろう。万が一数え間違ってたら負けなのでドキドキものだったそうだ。

 

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持将棋の例(Wikipediaより)

 

2022年7月12日 (火)

詰将棋パラダイス2022.7月号

 詰将棋パラダイス7月号、到着日は7月4日と遅かったが、これは郵便の土曜配達がなくなったせいなので致し方ない。

 結果稿は4月号分。まず幼稚園を確認するのが習慣になってしまった。ちゃんと上半期2回目のところに名前が載っていて一安心。4月号で2回目だからやっと勝率5割になった。あとは、あれ高校に名前がないぞと思ってよく解答を見返したら、高19の12手目同飛寄の「寄」を書き落としていた。この作品、取れる飛車をわざわざ逃がして反対方向に桂馬を跳ぶというのを2回繰り返すおもしろい作。同飛引だと飛車取って余ってしまうから「寄」と限定しないと不正解なのだ。相変わらず不注意だ、ほんと最近こういうの多いな。

 短大は19が無解だった。初手24龍だろうなと思ったんだけど下辺へ追い出してからがわからなかった。そんなに難しい手順じゃないのにな。あとは推理将棋は易しかったので全問正解、フェアリーランドも苦手なばか自殺詰の5番以外はできていた。驚いたのがデパート。ぼくは1番の斎藤慎太郎氏作が解けて満足していたのだけど、4番の岩村凛太朗氏作がすごいすごいと褒められていたので、並べてみたらほんとにすごくてびっくりした。こんなことできるのか。こういうのが自力で解けたら楽しいだろうな。今号の目玉である看寿賞発表を見てもわかるように、最近のデパートはほんとに目が離せない。

 さてその看寿賞、ぼくが自力で解いたのは短編賞作品だけなので、これしか評価のしようがない。いやこれはおもしろいなと思ったので受賞は納得だ。それはともかく毎回思うことだけど、選考過程の各委員のことばを見ていると、もう個人個人の感じ方考え方というしかない。絶対に客観的な評価基準があるわけではないので、それは仕方のないことだ。ノーベル賞などどんな立派な賞だってそれは同じで、結果がすべてで文句をつけてもしかたがない。なので長々と25頁(全108頁の約1/4)も誌面を割くのは無駄だと思う。選考経過はwebページにでも載せればよいのでは。

 そういえば今号では妖精賞の発表もあった。フェアリーランドの作品みたいだけど、こちらは誰がどういう基準で選んでいるのか一切書かれていない。これも極端だな、もうちょっと説明があってもいいと思うけど。ぼくとしては、こっちは短編部門と長編部門作品をリアルタイムで解けたのがちょっとうれしい。長編は繰り返し手順の切り分けに感心したし、短編はあまりのばかさ加減に感心した。ふだんは「ばか詰」より「協力詰」の語の方が好ましいと思ってるけど、こういう作品はまさに「ばか詰」だなと納得してしまう。

 というわけで、今月の1作は妖精賞短編部門の青木裕一氏作ばか詰11手(フェアリーランド2021年8月号フェアリーランド3番)。持駒を順に打つだけ、ぜひ究極のばか詰を味わってください。

 

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 詰将棋パラダイス2021年8月号フェアリーランド3番
青木裕一氏作 ばか詰11手
(第33回妖精賞短編部門受賞作)

2022年6月12日 (日)

詰将棋パラダイス2022.6月号

 詰将棋パラダイス6月号、到着日は6月1日。結果稿は3月号分。先月号では3ヶ月ぶりに幼稚園を全題正解してよしよしと思ったばかりなのに、なんとまた今月も1題間違えた。直近4ヶ月で全題正解が1回しかないという惨状。問題の間違えた作品はまた末尾に。

 あとは小中と3ヶ月分まとめて掲載された高校までは無事通過。短大は難しかったうえに短11でずっと桂馬の位置を間違えて並べていたというおそまつ。解けるわけがないわ。短12はさすがの井上さんでスラスラ解けたと思いきや間違えたし、いいところなかった。ほんと最近ミス多いな。気をつけないと。

 推理将棋はなんとか全題解けていた。難問501が解けたのはちょっとうれしい。フェアリーは5/8だったけど、難しいQばか詰が2題あったのでしようがない。短評にQばか詰が克服できるようにと書いている人がいて、みんなそうなんだなと苦笑してしまった。今月の問題は「濃い」神無一族の氾濫なので簡単には手が出ない感じだけど、久々登場の天使詰だけはさらさら解けた。天使詰おもしろいのでぜひおすすめ。

 さて、今月は解答順位戦七條賞の結果発表。ぼくは506点で34位だった。自己採点では502点だったので、やはり大12の変別解が救われていたようだ。申し訳ない感じ。しかし502点でも順位は変わらないから大勢に影響はないのか。ところで今回は700点満点者が4人もいた。たしか七條賞には賞金がでるはずだけど、こういう場合賞金配分はどうなるんだろう(下世話ですみません)。今年はというと、半期が終わったところで自己採点219点と、これではトータル450点もおぼつかない。幼稚園のミスといいもう脳の劣化が進行しているのかも。

 その脳の劣化のせいかどうかわからないが、今月号の順位戦問題には苦戦しきり。もともと難問が多い順位戦は毎年苦労させられているが、今年は特に駒配りを見ただけでゲンナリして解く意欲が起こらない。手数は15手以内だしふだんの高校レベルだから解けてもおかしくないのだけれど。解答者の評点を競う順位戦で悪形の難問ばかりそろうというのは、形よりも手順の難しさが高評価につながるという理由なんだろうな。ぼくは難問には評価を下げる変人なので理解できないが。

 今月の1作は幼稚園の板倉強氏作。12桂成同玉13銀同玉24角23玉32飛成34玉35金迄9手で詰めたつもりの愚か者はぼくです。はあ。

 

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詰将棋パラダイス2022年3月号幼稚園5 板倉強氏作

2022年5月14日 (土)

厳選スーパージャイアントvol.1

 ついに出たニコリのスーパージャイアントだけを集めた傑作選。ニコリのパズルをやっていると、やはりより大きいサイズのものをとエスカレートしていき、1ページ大の大判パズルを集めた別冊パズル・ザ・ジャイアントシリーズを買うようになる。それでも飽き足らなくなると、2ページ大のスーパージャイアントということになるのだが、これは本誌の付録にしかないので欲求不満が募ろうというものだ。そんな声に応えて満を持しての発売だ。

 さてどういう体裁になっているのかなと開けてみると、ニコリ本誌と同じサイズの紙の折ケースに通常は巻末に二つ折りで綴じられているスーパージャイアントの色印刷紙が。綴じないままでバサッと20枚はいっていた。大判地図を折って紙カバーに差し込んで本の体裁にしてあるやつがあるが、ちょうどあんな感じだ。ぼくはいつも本誌から切り取ってA4紙にコピーしてから解いているので、切り離す面倒がなくてうれしい。

 裏表印刷が20枚で計40問。パズルの内訳はニコリのwebページにも載っているが、ニコリ本誌既発表作の再録ということなのに、初出の一覧が見つからなかったので以下に書き出してみた。バックナンバーをたくさん持ってるよという人や、過去に解いた問題はすべて暗記してるぜというスーパーな人は参考にしてほしい。

 カックロ(126-5, 140-5, 128-5, 138-5, 116-5, 124-5, 94-5, 118-5, 120-5, 90-4)
 スリザーリンク(139-7, 131-8, 143-7, 113-8, 119-7, 97-7, 117-7, 103-7, 89-7, 109-8)
 ぬりかべ(139-7, 97-6, 93-6)
 へやわけ(100-7, 144-7, 115-6)
 美術館(138-7, 105-19, 116-6)
 天体ショー(107-6, 112-4, 136-7)
 ましゅ(141-7, 121-6, 110-6)
 ナンバーリンク(111-21, 99-7)
 フィルオミノ(101-6, 123-20)
 浮き出しメイロ(92-2)

 時期でいうと、89号(2000年冬)から144号(2013年秋)までが収録範囲となっている。ぼくの手持ちのバックナンバーでは1題だけすでに持っているのがあった。10年以前ということで、最近のパズルではシャカシャカ、のりのりあたりの新しいのがラインアップから外れているのはわかるが、ましゅがあるのなら同時期登場のヤジリンもいれてほしかったな。あと、カックロとスリリンが定番で収録数も多いのは納得だけど、この値段(税込み1760円)なら欲をいえばこの2種についてはハイパージャイアント(4ページ大)の新作を裏表で収録してくれてもよかったのでは。それはともかくこれからしばらく楽しめるぞ。

 

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ケースと内容物

2022年5月12日 (木)

詰将棋パラダイス2022.5月号

 詰将棋パラダイス5月号、到着日は5月2日。結果稿は2月号分。3ヶ月ぶりに幼稚園を全題正解して、ちゃんと上半期1回目のところに名前が載った。これからもミスしないようにがんばろう。それはともかく保育園と幼稚園は解答者が多いので、毎月毎月解答を送っていてもなかなか各3人の当選者に選ばれない。今月は解答者が140名くらいなので倍率は45倍、ということは4年連続応募していれば1回くらいは当選する確率だ。ぼくが解答応募を始めたのは2018年1月号からだから今年が5年目。そろそろ当たってもいいころだ。

 小学校、中学校は無事通過、高校はとみると今月も結果稿が休載だ。2ヶ月連続となると担当者はどうしたのだろうと心配になる。毎月の選題はされているのだが、そちらには今月で担当を交代するとの言葉が載っていた。手数順問題でずいぶん消耗されていたみたいだし、毎月毎月の原稿に追われて大変だったのだろうな。お疲れさまでした。
 短大の前半は名前を見ただけでぜひ解いてみたくなる作者が並ぶ。斎藤仁士さんは相変わらず軽快で楽しく、青木裕一さんはたくらみのある手順でつい間違えた。初手34飛だと当たり前すぎるよなあ、ストロボ合なんて初めて聞いた。そしてもうひとりのサイトウさん、齋藤光寿さんには脱帽という話はすでに書いた。後半はうって変わって名前を見ただけで敬遠したくなる作者が...(すみません並べてもいません)。

 あとの単発コーナーはほとんどパス。どうも今年は気合が入らないな。フェアリーランドはがんばったけど、2題のばか自殺(協力自玉)詰ができなかった。どうも自玉詰は苦手だ。なんで相手玉を王手で追いながら自玉を詰むようにもっていかねばならないのか、論理の倒錯が性に合わないのだよな。トリッキーなキルケは好きなので最後の6番はおもしろかった。
 推理将棋と将棋パズル雑談はどちらも全題正解。推理将棋の今月の問題には久しぶりに(3年ぶり?)殿様将棋が出題されてうれしい(王様将棋になってるけど)。いつもながらの独善的手順で楽しめる。ぜひどうぞ。将棋パズルの出題分75番は「先手玉は18に配置する」という条件が脱落というメールが担当者からきた。ご注意を。

 今月の1作は短大の齋藤光寿氏作はもう別エントリを立ててしまったしどうするかな。たまにはこんなのはどうですかねということで、谷川浩司九段の光速流双玉ルームの問題を。この連載、3月号が第9回なのだけれど恥ずかしながらこれまで1問も解けていなかった。初めて解けたのがこの問題。時々はこれくらいやさしいのもお願いします。

 

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詰将棋パラダイス2022年3月号谷川浩司の光速流双玉ルームより

2022年5月11日 (水)

もうひとりのサイトウプロ

 詰将棋パラダイス5月号の話は別に書くとして、結果発表にあった齋藤光寿奨励会三段の作品のお話。サイトウプロの詰将棋といえば、まずは名人戦七番勝負真っ盛りの斎藤慎太郎八段が浮かぶ。この間の第三局は渡辺名人の見損じでの逆転勝利だった。まだ内容はあまりよくないのかもしれないが、これをきっかけにしてなんとか盛り返してほしいものだ。話が逸れた。その斎藤八段に勝るとも劣らないのが、もうひとりのサイトウプロ齋藤光寿三段の詰将棋(厳密には奨励会員はまだプロではないのかな)。このへんの話は前にも書いたことがある。

 さて、詰将棋パラダイス2022年2月号短大8出題の25手詰。これが詰みそうで詰まない。ぼくは2月の半分くらいはこればっかり考えていた気がする。結局解けなかった。解答をみると、ああ何で気づかなかったかなあ、決して難しい手順じゃないのにとがっくり、そして感心した。なんてうまいんだろう。

 

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(A)詰将棋パラダイス2022年2月号短大8齋藤光寿氏作

 

 図Aが出題図。持駒がないので初手は34飛か54桂くらいしかない。飛車は左に使いたい気もするのでまずは54桂と跳んでみる、とすかさず48歩中合がくる。これは取るしかないが次いで47歩と連続の中合だ。これも取るしかないが馬筋が二重にブロックされてしまうので、順序としてまず34飛43玉を効かせてから連続中合を取ることにして、53玉と逃げた局面が図Bだ。

 

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途中図B

 

 図Bから62銀生64玉と追うと、歩2枚しかないので65歩同玉くらいで後続手がない。このとき47の香車が飛車だったら67飛の両王手で詰みだ。そうかそうか、図Bのときに43香成同玉47飛とすればよいのだ(図C)。53玉と逃げればこんどこそ62銀生64玉以下詰む。

 

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47香を飛に変えた図C

 

 ところがそうは問屋が卸さない。図Cでは45歩という小癪な中合があって、同飛ととると53玉62銀生64玉となったときに馬筋が通ってしまったので65歩が打歩詰めだ。さりとて55歩が邪魔で飛車が回れない。これで香を残すと詰まないし、飛に変えると打歩という寸法になって手も足も出ない。凡人のぼくは気づかなかったが、経験を積んだ人ならここでははーんとなるのだろう。図Bへもどって47香をおいたまま62銀生64玉65歩同玉の局面でさらに66歩と打つ手がある(図D)。取られて詰みそうもないと思ってしまったが、同玉には39馬と寄る手があって詰んでしまうのだ。

 

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途中図D

 

 なので66歩には64玉ともどるよりない。そこで73銀生53玉ともどすのが二の矢だ。73銀生を同玉なら82飛成64玉62桂右成以下簡単だ。62銀生64玉の局面では54の桂馬を動かせないのでついこの順が盲点になり玉を戻すという発想が浮かびにくくなっている。この2点に気づけばあとは簡単なのだ。53玉ともどったところでこんどは43香成同玉47飛と回ることができる(図E)。

 

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途中図E

 

 図Cとの違いは66歩があること。なので図Eで45歩と中合しても、取って6筋に追ったときに65歩突きで詰んでしまう。というわけで図Eからは単に53玉と逃げて、62銀生64玉65歩同玉67飛までのきれいな両王手詰みとなる。わかってみれば打歩詰解消のために事前に歩を置いて突き歩にするというよくある手筋のひとつに過ぎないのだった。わかってみれば、ね。恐れ入りました。

 

 

2022年4月16日 (土)

詰将棋パラダイス2022.4月号

 詰将棋パラダイス4月号、到着日は4月4日。結果稿は1月号分。あれまた幼稚園に名前がないぞと思ってよく見たら、なんと3番で手順前後の間違いをしてた。誤解者17名にはいってしまった。このトリッキーな作品は最後に紹介するとして、そうなると先月号に名前がなかったのももしやと思ってよくよく見なおしたら、なんと先月号も幼稚園で誤解していたのだった。なんで名前がないんだろう、ミスじゃないの、などとあらぬ疑いをかけて申し訳ありませんでした(先月号のエントリに追記済)。まったく自分の粗相を棚に上げて恥ずかしい。しかし幼稚園で連続つまずくとは...、はあ。

 あとは小中学校は大丈夫。短大はもともとできてなかったし、あれ高校はどこ行った。結果稿が休載だった。これは来月のお楽しみだ。短大はやはり短1斎藤慎太郎八段作が解けそうで解けなかったのが残念だったな。こういう桂馬が成ったり成らなかったりというのはやはり苦手だ。まあ苦手なものはいっぱいあるけれど。あとは短5、筋に入った感はあるのにどうしても詰まない。15手目の32龍がなぜか見えなかったのだ、もう一息。あとは、新人コンクールとか短期段位認定とか多彩なコーナーはほとんどパス。1月号からこれでは先が思いやられるが、どうも今年はいまひとつ気合が足りないな。なんでだろう。まあ、フェアリーランドの全題正解はうれしいし、推理将棋も2題解けたから満足だ。今年はこっち系で生きのびるかな。

 その他のページでは、今月は2021年下期の半期賞発表がある。受賞作でぼくが解けたのは高校までだけど、納得のラインアップというところだ。中学の三輪勝昭氏作とか高校の山路大輔氏作とかさすがにうまいなあ。解くのは苦労したけれど解けたときの達成感は抜群だ。ところで、その山路氏の受賞の言葉に「最近の創作では変化まで創り込むことを意識しています」と恐ろしいことが書いてある。変化が簡明に割り切れているとよしよしこれが作意順なのだと安心するが、変化が難解だとこの手順で合っているのだろうか、ひょっとして紛れ順ではと不安になる。同氏くらいになると自由自在なのだろうが、変化を創り込むのもほどほどにしてほしいものだよ。

 今月の1作は問題の幼稚園3番西村章氏作。作意は52金43玉45香以下の9手詰なのだが、手順前後して45香からはいって間違えた。45香には31玉と逃げられて以下52金41桂合で詰まないのだ。41の地点には香のほかに龍と金が利いているので詰むと即断したのだろう。当然ながら合駒を同金なら21玉だし、同龍なら同馬と取られてしまう。初級コーナーだからと甘く見たわけではないと思うが、不注意としかいいようがない。

 

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詰将棋パラダイス2022年1月号 幼稚園3番 西村章氏作 

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