カテゴリー「書籍・雑誌」の記事

2023年9月25日 (月)

パズル通信ニコリ184号

 今月10日発売のパズル通信ニコリ184号。今回は2週間でだいたい解き終わった。今号の大盛りは、スラローム。すらすら解けるので大好きだ。遠回りの意外性がキモなので盤面が大きいほど面白い問題がつくれると思う。今回は大きいのでも17×17なのでその点いまひとつ。13番はちょっとおもしろかった。大盛りなのだからスーパージャイアントにも取り上げてほしかったな。いやスラロームのSGってこれまであったっけ。今号のSGはスリザーリンクと美術館。スリリンは3をどっちへ回すかがなかなか決まらず、間違えるとガラッとつながりが変わるので緊張した。でも慎重につないでいけば大丈夫。美術館の方は、最後の最後に破綻して目の前が真っ暗になったが、なんとか部分修正で乗り切れた。あってるかな。

 レギュラーパズルのコーナーはどうも低調な感触。特にインパクトのあるものがなく、可もなく不可もなしで解けてしまった。オモロパズルのシンカミノは意外なつながりの発見がダブルチョコ的なところがあるな、これ大判にしたらおもしろいかも。巻頭の特集は今回は理科ということでちょっと期待だったけど、なんだかな。毎回書くけど、特集といっても独自のパズルになるわけではないので、あまり意味がない。リトマス試験紙なんて全然パズルになってないし。あ、特集からはずされたという天秤の古典パズルはおもしろかった。こういうのを考えるのは好きだ。

 そういえば、理科ということで分子模型が紹介されていたのにはびっくり。紙で作る分子模型はいろいろあるが、PuzMolというのは知らなかった。んーでもこれ基本的にsp2の平面炭素モデルなのがちょっと残念。やはり模型が威力を発揮するのは立体モデルなので、sp3炭素をつくってほしい。ぼくは昔現代化学誌に載っていたテトラポッドみたいなのを楊枝でつないていくやつを愛用していたけど、あれはその点優れものだった。それはともかく、分子模型なんてものを取り上げてくれたこと自体は大いに評価したい。前号の詰将棋パラダイスといい、なかなか攻めてるなと思う。

 気になる巻末はさみ込みの懸賞応募はがきの質問事項、今号のは「今号の「パズル通信ニコリ」を、あなたはどのように入手しましたか?」だ。サブスク分は把握できてるだろうから、それ以外といったら書店かネット通販しかないのでは。それとてそれぞれの配本数はわかっているはず。返品不可の買い切り制なので、出荷した分のうちどれだけ売れたかがわからないのかな。何が気になるのだろう。売り方を再検討中とかか。

 

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パズル通信ニコリ184号

2023年7月 7日 (金)

パズル通信ニコリ183号

 先月10日発売のパズル通信ニコリ183号。前号でサブスクが終わってしまったので、ちょっと入手が遅れて手にしたのは16日。3週間かかってほぼ解き終わった。

 今号の大盛りは、ダブルチョコ。これレギュラー化したばかりのせいか売り出しに力がはいっているようで、つい何号か前にも大盛りがあったような。けっこうトリッキーな部分もあって確かにおもしろい。特に大判の作品では縦横無尽のつながりがあって、しかも回転や裏返し可能なので考えさせられる。今号のスーパージャイアントもおもしろかった。これ、入口になりやすい数字の1がひとつもないのだ。どっから手をつけるんだと思ったら、ちゃんとわかりやすいハートマークがあるという親切設計。かと思えば小さい枠でも18番のような切り分けの妙でてこずらされるものもあったり、なかなか奥が深い。将来有望だな。

 スーパージャイアントといえばカックロの方はスラスラ解けてとても気持ちよかった。パズルは難しいばかりが能ではないという見本だ。あと定番パズルでおっと思ったのは、スリリン6、美術館6なんかかな。そうだ、着順発表問題の波及効果にはやられた。見てのとおりねぇ。いつのまにか苦手な某パズルをやらされているという。こういうことできるんだと感心しきり。特集が踊りということでそのパズルが8ページにわたってあるけれど、この特集というのが今一つだと毎号思う。パズルも大したことないし、テーマとパズルのつながりの必然性も薄い。毎号やる意味あるんだろうか。

 そうそう、前にも書いたように楽しみにしていたのが詰将棋パラダイス編集部訪問記。しかしこういうのがニコリに載るとはねえ。両誌に共通性あるかなあ。共通読者はいるだろうけど、読み飛ばしてしまう人の方がずっと多いんじゃないだろうか。冒険したな。逆に詰パラにニコリの記事がというのは到底考えられない。今号にはカラーページには将棋がらみのパズルがあったりして、ひょっとして編集部に将棋好きがいるのだろうか。

 巻末はさみ込みの懸賞応募はがきの質問事項、今号のは「現在の「パズル通信ニコリ」のページ数、発行頻度、定価についての感想をお願いします」ときた。なにか見直しを検討中なんだろうか。定価は上がったばかりだし、発行頻度も一時月刊化してもどした経緯があるし、ここで変える必要性は感じられないけれど。そういえばなぜか今号いっぱいで編集人の菱谷さんが辞められて、編集スタッフの入れ替えもあったらしい。鍜治真紀さん亡きあとの方針転換があるのだろうかね。

 

2023年6月29日 (木)

著者検印

 今月も終わりに近づいて、また読んだ本のレビューのブクログ投稿がたまってきた。本を読んだらすぐに感想を書いてそのつどアップすればいいのだが、うーんこれはどう書こうかなと考えているうちに、次の本を読み始めてしまい、ずるずるとたまってしまうことになる。ただ、読んですぐの感慨が新たなうちに書けばいいかというとそういうものでもないのは、ラブレターと一緒で、どんな文章でも一晩寝かせて見直せというのは一理も二理もあるのは確かだ。時間がたつと、いやそれほどでもないか、とか思い直すことも多々あるし。

 ただしとまたひっくり返すと、文句なしの★5個とかめったにないが★1個とかの場合に、矢も楯もたまらずペンをとって、ではなくキーボードを叩いて、一気呵成に感想を書き上げることもまれにある。さすがにそのままアップはしないでちゃんと寝かせて読みなおすのだが、そういうのはたいていこれだこれしかないとそのまま公開してしまうことになる。落ち着いて考えても評価がぶれないというのは、自信をもって推せる(推せない)本だということだろう。そういう作品に出会えるというのは幸せなことだ。

 ところで、最近図書館で借りた古い本で、奥付に著者検印を捺したシールが貼られているのをみつけた。いや懐かしいな。昔はずいぶんこういうのがあった。刷られた分に一冊一冊著者が検印を捺していた時代があったのだ。印影が移らないように丁寧にパラフィン紙をはさんでいるものもあった。そのうち検印省略と書かれるようになり、その表記すら今ではなくなってしまった。というか、最近の本は奥付そのものすらどこにあるのかわかりにくいものもある。手間やコストを考えたら今の本にそんなことできないだろうけど、なんとなく著者(訳者)とつながっているようで、こういうのもいいものだな。

 

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著者検印のある奥付 

2023年4月25日 (火)

鉄道・バス共通時刻表

 交通新聞社の北海道時刻表5月号を買った。昔は弘済会や交通公社からも出ていた道内時刻表、いまはこれだけだ。5月号は5月20日からの室蘭線への737系電車投入による時刻変更が掲載されているというのもあるが、もうひとつの目玉は宗谷線と石北線のJR・バス共通時刻表の掲載だ。

 JR北海道が、地元負担を前提に存続を目指す赤字8区間で、列車に加え、並行して運行するバスのダイヤも掲載した共通時刻表を作成することにしたもので、まずこの2線について北海道時刻表の5, 6月号に掲載されると発表されていた。JRの本数の少ない線区で並行するバス時刻と併載することによって利用者の利便をはかるねらいだ。こういうことが今までやられていなかったのが不思議なくらいだ。

 ただ、実際の誌面をみるとお世辞にも見やすいとはいえないのがちょっと残念。見慣れていないというのもあるが、並行するといっても発着区間がJRとバスとでは違っているので、そういう情報を詰め込むと誌面がごちゃごちゃしてしまう。少なくとも特急列車・高速バスと普通列車・ローカルバスとで掲載面を分けるとかしたほうがよい気がする。でも、そうすると特急からローカルバス乗継ぎ等が見にくくなるか。

 初の試みだからこれから少しずつ改良してゆけばよいと思う。高速バスのほうが安いけどやっぱりJR特急は速いんだな、とか再認識してもらえるかもしれないし。

 

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交通新聞社北海道時刻表5月号より

 

2023年4月 5日 (水)

パズル通信ニコリ182号

 先月10日に届いたパズル通信ニコリ182号。今号でサブスクの誌代切れとなり、継続案内の紙切れがはいっていた。2022年12月からの新料金は、前にも書いたように本誌年4冊で6500円もするのでサブスクは中止することにした。うちから徒歩5分のツタヤが店内改装してニコリをおくようになったので、入手が楽になったし。

 さてその182号、ほぼ一月かかってやっとだいたい解き終わった(全部ではない)。自分でもずいぶん遅いとは思うが、ぼくはいつもこれくらいのペース。季刊誌なのだから急いで解いても次の号は3ヶ月後にならないと来ないのだ。

 今号の大盛りは、のりのり。単純なルールだけど結構奥が深い。10,12などなるほどねえと考えさせられた。今号は着順発表問題ものりのりで、これもおもしろかった。定番パズルでは、ダブルチョコ3、フィルオミノ2,5,6、ナンバーリンク7、ペンシルズ4といったところに〇がついている(解いて感心したやつに〇をつける)。懸賞パズルのヤジリン7は顔マークほど難しくないが、なんといっても輪の中の黒マスを数えるのが難儀。ジャイアントサイズはマス目が小さいし、輪が入り組んでいるので、目がチラチラして年寄りには酷だ。懸賞にするならせめてある列の個数とかにしてくれないかな。

 あとスーパージャイアントのペンシルズは結構面白かった。ニコリブログによればこのサイズのペンシルズは2回目だそうだ。前回のは確か鉛筆の図柄のやつで、サクサク解けた記憶があるが、今回のはちょっと勝手が違った。いつも通り端から手を付けていくと、なかなか決まらない。よくよく全体を見渡すと、超長尺鉛筆が随所にあってそれが画面を仕切っていることに気づいた。なるほど、そうしておいて局所戦にもちこむわけだ。広い枠面を生かしてペンシルズではこういうことができるのだ。

 オモロパズルコーナーでは、なんとミッドループが今号で終了だと。ザ・ペンシルパズルやパズル・ザ・ジャイアントにも載って、もうほぼ定番化していると思っていたのに。ぼくはなぜか輪を作る系パズルが好きで、これもそのひとつなので残念だ。それと対照的にボンバーワーズがレギュラーに昇格というのも意外や意外だった。こっちは逆に毎号そろそろ終わりだろうなと思っていた。定番のよみどおりに似ていてそれより劣る気がするけどな。ことば系パズルは希少なので残ったのかも。たしかに新味のあることば系パズルは久しく出てない。いいアイディアはないものか。

 スケコンの結果発表。今回からプログラミング部門が別になった。自力で試行錯誤するのとプログラム組んで最適化するのを、同列に競わせるのは不公平ということだ。結果的に応募数は自力部門64、プログラミング部門9だった。結果はプログラミング部門が優れているかというとそうでもなく、全体の1位こそプログラミング部門の方だったが、自力部門の1位はプログラミング部門なら3位、プログラミング部門の5位は自力部門なら12位だ。たいしてプログラミングの優越性はないのだ。これくらいなら分ける必要性もないような。しかも部分的にプログラムを援用したものはどちらの部門になるのかは自己判断に任されているなど、あいまいな部分もあるし。

 

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パズル通信ニコリ182号 

2023年3月 6日 (月)

JTB時刻表2023.3月号

 JTB時刻表2023年3月号。いつものように買ってしまったけど、あまり読みどころがなかった。毎年3月はJRグループのダイヤ改正で、表紙にデカデカと書かれているようにに3月号はそれが売り物の号なんだけど、なんか近年は内容的にときめかない。国鉄時代は毎年10月1日が全国ダイヤ改正で、それが載っている10月号はわくわくして読んだものだ。10月号だけは通常号よりも発売日が繰上げになってもいた。それだけ新情報の需要が大きかったのだ。そのうえ何年かに一度は一からダイヤを引き直す白紙改正というのがあった。ほんとに一から引き直していたかどうか知らないが、それくらい大きな改正だった。36.10とか43.10とか国鉄の栄光の時代だったな(年号は昭和、念のため)。いかんいかんまた年寄りの繰り言になってしまった。

 今でも新幹線開業など大きな変化があると、関連線区は白紙に近い大改正にはなっているのだけど、最近では西九州新幹線開業は昨年9月という中途半端な時期だったので、3月改正でお披露目というわけではない。地元北海道はというと、この春は留萌本線の部分廃止があるが、それは3月末日なので3月号では変わってないし、そうだ室蘭本線に737系電車投入という変化があるはずだと思ったら、それは5月からなのでこちらもまだ反映されていない。3月改正では石北線特急が183系から283系に変わったとか、浜田浦駅が廃止になったとか、それくらいだな。そういえば、183系DCのお別れ運転臨時列車のダイヤが誌面各線区の欄に載っていて、ちゃんと愛称名も「キハ183系オホーツク」、「キハ183系サロベツ」、「キハ183系北斗」、「キハ183系ニセコ号」となっていた。最後の花火だ。

 

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表紙はなぜか東海道新幹線

2023年2月21日 (火)

えほん図書館

 一度行きたいと思っていた札幌市のえほん図書館にやっと行ってきた。場所は地下鉄白石駅直結の白石総合庁舎の6階で、2016年に開館したばかりといいたいところだが、もう7年近くたつのか。でもまだまだ新しくきれい。すぐ隣が白石区民センター図書室だが、そちらとは入口から別で完全に独立している。

 行ってきたといってもわざわざ出向いたのではなく、本の返却・借り出しにいく孫娘のお供でくっついていっただけだ。子供向けの低い書架が並ぶ中は予想よりこじんまりとしていたが、それでも25,000冊の蔵書があるそうだ。館内では声を出して絵本を読むことができますとなっているので、あちこちに配されたイスに座って本を2冊ばかり読んでやる。その後、ちょうど午前の読み聞かせ会がはじまって、孫は楽しそうに聞いていた。

 こういう施設が身近にあって利用できる人はいいなと思う。地下鉄駅直結とはいってもうちからは結構遠く行きにくい。市内には各地区ごとに区民センターや地区センター図書室があって、おとな向けの本は結構充実しているし、web検索・予約と回送サービスで便利に利用させてもらっているが、こういう小さいこどもが自由に本を選び、声を出して本を読めるところというのはほかにあるのだろうか。各区にひとつとは言わないまでももう2,3個所あるといいのでは。

 

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エントランス

2023年2月16日 (木)

袋とじ本

 懐かしい物に出くわした。
 袋とじ本といっても、某大手出版社の週刊なんちゃらのグラビアページの話ではない。しかしあれはなー。立ち読み防止という名目なのかもしれないが、伝統ある出版社の部数を伸ばしたいだけのための扇情的な企画にはあきれる。創業者は草葉の陰で泣いているだろう。

 話がそれた。そういう低次元の話ではなく、バリンジャーの小説本の話だ。昔、創元推理文庫の「歯と爪」を読んだのがこの袋とじ本。結末部が袋とじになっていて、封を破らないで返品すれば代金を返してくれるというものだ。ふつうのミステリでも途中まで読んで結末を読まずに返すということはありえないが、そこはバリンジャーだ。とうてい止められるはずもなく封を破って最後まで読んだ。期待に違わずおもしろかった。

 今回再会したのは、同じバリンジャーの「消された時間」。こちらはハヤカワポケットミステリの1冊でやはり同じ様式だ。これは図書館で借りたものなので当然封は切られているし、だいたいが古い本で返金有効期間が昭和34年となっている。読者への告知文を読むと、もともと原書がアメリカでこの返金保証という企画を始めたもので、それを邦訳版の出版社が踏襲しているのだとわかる。創元も早川もそういう愛すべき稚気があったのだな。上記某出版社とは大違いだ。

 ただしアメリカとは違って、本書では封を破らずに出版社まで持参したときのみ代金を返金するとなっていて、なかなか条件が厳しい。アメリカでは小売店で返金してくれたようだがそれもすごい話だな。しかし、神田の早川書房まで出かけて実際に返金してもらった人ってどれくらいいたのだろう。

 

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表紙見返しのお知らせ

2023年1月11日 (水)

2022年の一冊

 恒例の前年読んだブクログ登録本の振り返り(→2021年版2020年版2019年版)。

 2022年に読んだ本は計100冊(実数)。すべて紙媒体で、上下巻をまとめた実タイトル数でいうと80タイトルになる。2021年は96冊で69タイトルだったから、少し増えてかろうじて100冊をクリアした。内訳は以下の通り(カッコ内は前年比)。

 総冊数 100(+4)
 タイトル 80(+11)
  ★5 10(+1)
  ★4 25(-2)
  ★3 41(+8)
  ★2 4(+4)
  ★1 0(0)

 ★5個をつけたのは次の10タイトル。毎年書いているように、これは2022年にぼくが読んだというだけで、出版年月とは関係ない。古い作品も新しい作品もまじっているので、客観的な比較の意味はなく、個人的なものだ。

座席ナンバー7Aの恐怖(セバスチャン・フィツェック)
ヨルガオ殺人事件(アンソニー・ホロヴィッツ)
ストーンサークルの殺人(M・W・クレイヴン)
風の万里 黎明の空 十二国記 4(小野不由美)
図南の翼 十二国記 6(小野不由美)
プロジェクト・ヘイル・メアリー(アンディ・ウィアー)
黒牢城(米澤穂信)
塞王の楯(今村翔吾)
のぼうの城(和田竜)
鬼神の如く: 黒田叛臣伝(葉室麟)

 このところ評価が甘くなっているようで、昨年同様冊数のわりに★5個が多い。一旦甘めに★5をつけてしまうと、その後似たような本を読んだときに、相対的に引きずられてしまうということがあるかもしれない。今年でいうと後半に立て続けに読んだ歴史ものがまさにそうだ。黒牢城が悪いというわけではないが、あれが★5ならこれもだなとなって4冊がランクインした。しかしどれも感心したのだからまあいいか。ただ、こうして並べてみるとやはり葉室麟が抜けているなとは思う。
 まとめ読みした十二国記はどれもおもしろく、ここには2タイトルだけ選ばれているが、壮大絵巻ひとまとめで評価すべきものかもしれない。全部合わせてなら文句なく★5だろう。
 それに比してミステリ系が相対的に不振だ。常連のスティーヴン・キングがないし、ジェフリー・ディーヴァーもない。好きでたくさん読んでいる北欧ミステリもひとつもない。水準は高いが今一つ突き抜けたものがないのかな。
 さてベストワン選び。2022年度junkchem大賞は「プロジェクト・ヘイル・メアリー(アンディ・ウィアー)」で決まり。一粒で二度おいしいまさかの展開にあれよあれよと引きずられてゆく。そして笑いあり涙ありで読んでいて元気が出る抜群の読後感。ほんとこの作者はうまい。

 

230111 
2022年に読んだ本(ブクログより)

 

2023年1月10日 (火)

パズル通信ニコリ181号

 先月10日に届いたパズル通信ニコリ181号。予告通り税込み1210円に値上げされた。泣かされたのがなんといってもシャカシャカ7のジャイアント。何回破綻してやり直したことか。注意深く一からやり直しているのに同じところで行き詰まる。もうできないかと思った。一点一画を揺るがせにできないのは当然なのだが、随所にトラップがあって、思い込み見切り発車がまったく通じない。注意の上に注意を重ねてなんとか最後の大海原が埋まったときには感動した。いや参りました。これが懸賞問題というのだから大変だ。しかしこれ難易度が泣き顔レベルだけど顔バッテンだと思う。

 懸賞問題ではないが着順発表問題のヤジリン4もけっこうおもしろかった。少し変わった考え方が必要ということだが、平行ラインの読みでこういうことできるんだ。顔×ほど難しくはないと思うけど。ヤジリンは全マス埋めなきゃならないので、矢印の少ないところの手筋がいろいろあってまだまだ新鮮だ。顔×といえばあとは波及効果6で、こちらは恐る恐る取り掛かったわりにはあっさり解けて拍子抜け。難易度判定てのは難しいな。

 今号の大盛りは美術館。黙々と解く地味なイメージがある。大判のは見落としが恐いが、小さいのはやさしいと思っていたけど、8,9なんかは結構考えさせられた。奥が深い。あとの定番パズルはそれほど難しいのはなかった気がする。久々登場というキンコンカンは新鮮で楽しめた。もう少しこういうマイナーパズルも取り上げてほしいと思う。マイナーパズルといえばパズルBOX15が夏までに出るという告知があった。昨夏に出なかったのでどうしたのかと思っていた。楽しみだ。

 そういえば、鍜治真起さんの評伝「すばらしい失敗」をいま読んでいる。つくづくニコリは変わった雑誌だなと思う。数独がオリジナルじゃないのは知っていたが、三本柱のもうひとつカックロもニコリ発祥じゃないんだ。スリリンは確かニコリオリジナルのはず。埋もれていたパズルに光をあてて時流に乗ったというか、パズル人口を掘り起こしたのだ。直販オンリーで配本書店が限られているうえに、誌面にまったく広告がない。よくやっていけるものだと思うが、競合類誌が絶無という完全独走態勢なのがすごい。

 

230110 
ニコリ181号

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