カテゴリー「書籍・雑誌」の記事

2023年1月11日 (水)

2022年の一冊

 恒例の前年読んだブクログ登録本の振り返り(→2021年版2020年版2019年版)。

 2022年に読んだ本は計100冊(実数)。すべて紙媒体で、上下巻をまとめた実タイトル数でいうと80タイトルになる。2021年は96冊で69タイトルだったから、少し増えてかろうじて100冊をクリアした。内訳は以下の通り(カッコ内は前年比)。

 総冊数 100(+4)
 タイトル 80(+11)
  ★5 10(+1)
  ★4 25(-2)
  ★3 41(+8)
  ★2 4(+4)
  ★1 0(0)

 ★5個をつけたのは次の10タイトル。毎年書いているように、これは2022年にぼくが読んだというだけで、出版年月とは関係ない。古い作品も新しい作品もまじっているので、客観的な比較の意味はなく、個人的なものだ。

座席ナンバー7Aの恐怖(セバスチャン・フィツェック)
ヨルガオ殺人事件(アンソニー・ホロヴィッツ)
ストーンサークルの殺人(M・W・クレイヴン)
風の万里 黎明の空 十二国記 4(小野不由美)
図南の翼 十二国記 6(小野不由美)
プロジェクト・ヘイル・メアリー(アンディ・ウィアー)
黒牢城(米澤穂信)
塞王の楯(今村翔吾)
のぼうの城(和田竜)
鬼神の如く: 黒田叛臣伝(葉室麟)

 このところ評価が甘くなっているようで、昨年同様冊数のわりに★5個が多い。一旦甘めに★5をつけてしまうと、その後似たような本を読んだときに、相対的に引きずられてしまうということがあるかもしれない。今年でいうと後半に立て続けに読んだ歴史ものがまさにそうだ。黒牢城が悪いというわけではないが、あれが★5ならこれもだなとなって4冊がランクインした。しかしどれも感心したのだからまあいいか。ただ、こうして並べてみるとやはり葉室麟が抜けているなとは思う。
 まとめ読みした十二国記はどれもおもしろく、ここには2タイトルだけ選ばれているが、壮大絵巻ひとまとめで評価すべきものかもしれない。全部合わせてなら文句なく★5だろう。
 それに比してミステリ系が相対的に不振だ。常連のスティーヴン・キングがないし、ジェフリー・ディーヴァーもない。好きでたくさん読んでいる北欧ミステリもひとつもない。水準は高いが今一つ突き抜けたものがないのかな。
 さてベストワン選び。2022年度junkchem大賞は「プロジェクト・ヘイル・メアリー(アンディ・ウィアー)」で決まり。一粒で二度おいしいまさかの展開にあれよあれよと引きずられてゆく。そして笑いあり涙ありで読んでいて元気が出る抜群の読後感。ほんとこの作者はうまい。

 

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2022年に読んだ本(ブクログより)

 

2023年1月10日 (火)

パズル通信ニコリ181号

 先月10日に届いたパズル通信ニコリ181号。予告通り税込み1210円に値上げされた。泣かされたのがなんといってもシャカシャカ7のジャイアント。何回破綻してやり直したことか。注意深く一からやり直しているのに同じところで行き詰まる。もうできないかと思った。一点一画を揺るがせにできないのは当然なのだが、随所にトラップがあって、思い込み見切り発車がまったく通じない。注意の上に注意を重ねてなんとか最後の大海原が埋まったときには感動した。いや参りました。これが懸賞問題というのだから大変だ。しかしこれ難易度が泣き顔レベルだけど顔バッテンだと思う。

 懸賞問題ではないが着順発表問題のヤジリン4もけっこうおもしろかった。少し変わった考え方が必要ということだが、平行ラインの読みでこういうことできるんだ。顔×ほど難しくはないと思うけど。ヤジリンは全マス埋めなきゃならないので、矢印の少ないところの手筋がいろいろあってまだまだ新鮮だ。顔×といえばあとは波及効果6で、こちらは恐る恐る取り掛かったわりにはあっさり解けて拍子抜け。難易度判定てのは難しいな。

 今号の大盛りは美術館。黙々と解く地味なイメージがある。大判のは見落としが恐いが、小さいのはやさしいと思っていたけど、8,9なんかは結構考えさせられた。奥が深い。あとの定番パズルはそれほど難しいのはなかった気がする。久々登場というキンコンカンは新鮮で楽しめた。もう少しこういうマイナーパズルも取り上げてほしいと思う。マイナーパズルといえばパズルBOX15が夏までに出るという告知があった。昨夏に出なかったのでどうしたのかと思っていた。楽しみだ。

 そういえば、鍜治真起さんの評伝「すばらしい失敗」をいま読んでいる。つくづくニコリは変わった雑誌だなと思う。数独がオリジナルじゃないのは知っていたが、三本柱のもうひとつカックロもニコリ発祥じゃないんだ。スリリンは確かニコリオリジナルのはず。埋もれていたパズルに光をあてて時流に乗ったというか、パズル人口を掘り起こしたのだ。直販オンリーで配本書店が限られているうえに、誌面にまったく広告がない。よくやっていけるものだと思うが、競合類誌が絶無という完全独走態勢なのがすごい。

 

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ニコリ181号

2022年12月 2日 (金)

二度読み

 数日前に話題にした「ゴミと罰」。読み終えて感想を書き、ブクログに登録しようとして、あれ。すでに登録済みとなっている。変だなとみてみると2013年8月5日に読み終えている。そこで初めて気づいた。昔読んだんじゃん、これ。全然覚えていなかった。ぼくは粗忽者なので、以前にも一度読んだ本をまた買ったり借りたりしたことは何度かあるが、そういうのは読んでみると気づくものだ。今回のように読み終わって感想を書いてもまだ気づかないというのはさすがに記憶にない。
 いや記憶にないだけかも。ブクログに登録してある分などたかだかここ13年ほどだし、それ以前に何十年もの間読んだ本の記録は散逸している。当然記憶もあやしい。まあこういうのは割り切るべきなのだろうな。しかし、インパクトのある作品だったらさすがに覚えているだろうから、忘れてしまうほどしょうもない作品だったわけで、そのしょうもない作品を時間かけて二度も読んでしまったというのはなんだかなあ。
 せっかくなので2回分の感想を並べてみた。上がブクログ登録済みのもの、下が今回書いてお蔵入りしたもの。いかにどうでもいい作品かがわかって落ち込む。

2013年8月5日★★★☆☆
 主婦ミステリ?そんなジャンルあったかな。家庭ものというわけではないし、ご近所ものか。主人公のジェーンと相手役の隣家のシェリイの他に6人の近所の主婦が登場。そのさなかに派遣掃除婦が掃除中に殺されるという事件が起こる。通り魔殺人でないとしたら、犯人はこの界隈の住人、というわけで警察そっちのけでジェーンとシェリイが探偵のまねごとを始める。その過程で次々に明るみに出る意外な事実。
 もっとも怪しくない者を探せという定石通りの結末はあまりに見え見えで、そこへいたる筋道もあまり感心しない。ユーモアミステリというほど笑わせてくれるわけでもなし、万事に中途半端。名作をもじったタイトルも浮いてるとしか思えないんだけど。

2022年11月21日★★★☆☆
 人を食ったタイトルは原題の直訳というから振るっている。私生活を嗅ぎ回っていた派遣掃除婦が殺されるという事件だから内容とも合っているし。最近老人施設だの地方大学だのの狭い社会でみんな知り合いの中での事件を、警察そこのけで住人が首を突っ込んで突っつきまわすと、いうストーリーを立て続けに読んだけど、これもまさにそのパターン。ここでは主婦が主役で奥さんたちが警察を尻目に、独自の捜査に乗り出す。終わってみれば、あ、やっぱりねというお約束の犯人で、丸見えとはいわないが伏線も弱いし、ミステリとしては平凡。というか何度も書いているように、こういうのは素人探偵たちののん気な警察を巻き込んだドタバタが読みどころなのだろう。シリーズものだから連続ドラマみたいなお手軽ものというわけだ。

 

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2013年8月頃のブクログ本棚

 

2022年11月20日 (日)

文庫解説目録

 続いて今読んでいるのがジル・チャーチルの「ゴミと罰」。こいつは老人ものではなくて主婦ものというべきか。こういうのも結構多いジャンルな気がする。日常生活が主題になるから捜査中心の警察小説などより書きやすいのかな。それはともかくこのタイトル。もちろん「罪と罰」のパロディだ。で、原題はというとこれが「Crime and Punishment」ならぬ「Grime and Punishment」ときた。原作者の茶目っ気はもとより、洒落を洒落として訳した邦訳の秀逸なこと。この人もぼくは初読なのだが、このシリーズものすべてがこの調子の名作パロディタイトルだというから驚く。おそらく訳者が最も頭を悩ませたのがタイトルの訳に違いない。

 ところで、昨日といい今日といいこういう変わったタイトルの本をどうやって選んでいるかというと、東京創元社解説目録というのを最近入手して、そこから選んだものだ。文庫解説目録というと、昔は各社それぞれのが書店の書棚の横とかに吊り下げられていたものだが、最近とんと目にしない。検索はwebページで手軽にできるようになったので、冊子体のはなくなってしまったのかと思っていた。それが、たまたま大型書店(コーチャンフォー新川通り店)で文庫の棚に数冊おいてあるのを見つけた。文庫サイズ500頁を越える厚さで、勝手にもらっていいものか迷ったので店員さんに確認してもらってきた。昔と変わらない体裁で、1頁に5冊分が収録され、それぞれ細かい字で30字×5行の内容説明がつく。どれもぴったり150字前後でまったく余白がないという芸にも驚くが、なによりパラパラ読んでいるだけでも楽しいし、選書には絶好だ。創元を入手したからあとハヤカワ文庫のがあれば鉄板だな、どこかにないかな。

 

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座右の書

2022年11月19日 (土)

老人たちの読書

 コリン・ホルト・ソーヤーの「老人たちの生活と推理」読了。感想はそのうちブクログのページに公開するとして、タイトルが中身を表すといえばまあその通りなのだが、それにしても身もフタもないタイトルだ。原題はとみると、「The J. Alfred Prufrock Murders」となっていた。J. Alfred Prufrockなんて登場人物は出てこないので、いったいなんぞやと無知丸出しで調べてみたら、T. S. エリオットの詩「The Love Song of J. Alfred Prufrock」から採られたものだった。確かに冒頭にその詩が引用されていた。その格調高いタイトルがなんで「老人たちの生活と推理」になるかね。海外小説の邦訳タイトルはかなりいいかげんなものも多いが、もうちょっとなんとかならなかったものか。

 それはともかく、読んでいてなんか既視感にとらわれる。前に読んだか、いやそんなことはない。で、ブクログの書棚を見直してみたら「木曜殺人クラブ」を思い出した。介護老人施設に入居している元気なじいさんばあさんが探偵ごっこを始めるあれだ。シチュエーションがよく似ていて、こちらも似たような施設でおこる殺人事件をばあさんたちが突っつきまわす。今の時代ならではというか。そういえば「もう耳は貸さない」の御年89歳の食えないじじいバック・シャッツも施設に入居していたし、エーランド・サーガ4部作の探偵役イェルロフ老も施設入居者だった。別に自分が爺だからといって、こういうものを好んで読んでいるつもりはないのだが、類は友を呼ぶのだろうか。

 同じ本を読むのでも、若い時と歳を取ってからではおそらく印象も変わるだろう。出てくる年寄りたちは元気とはいっても、あちこちに老いによる問題を抱えている。ストーリーはおくとしてもそういう周辺の描写に共感できるかどうかで、評価も違ってくる違いない。つまり、ぼくはいま極めて妥当な選書をしているわけだ。なるほどね、アルフレッド・プルーフロックなどと気取らないストレートなタイトルは、読者のセレクションに役立っているのかも。

 

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創元推理文庫版「老人たちの生活と推理」より

2022年11月10日 (木)

マックロ

 以前、「最後の一冊」というエントリでニコリのナンバーリンクの問題集をポチった話を書いた。どうもぼくは限定版とか残り僅かという惹句に弱く、もう手に入らないかもと思うと衝動的に買ってしまう傾向がある。今日もそれだ。同じニコリのペンパ本マックロ1、1991年発行だから31年も前の本だ。よくも今まで在庫が残っていたものだが、その最後の1冊を直販ショップで購入(なのですでに表示はSOLD OUTになっている)。

 マックロは今ではニコリ本誌にもほとんど登場しない忘れられかけたパズルだが、昔よくやった記憶がある。真っ黒ではなく、たしかmathematical crossの略だ。たまたまニコリのバックナンバーを解いていて久々に出くわし、懐かしいなと思った。やってみるとおもしろい。名前の通り計算が必要なのがいい。昔はそれほど思わなかったが、この歳になってみるとこのくらいの計算を暗算で解くのがボケ防止に格好だ。これはいいぞもっと解きたいと思ったが、今ではマイナーなこのパズル、本誌には出てこないし残念だ。そうあきらめかけていたら、なんと直販ショップでこの最後の一冊を見つけたというわけだ。いやあ探してみるもんだ。

 

2022年10月19日 (水)

四国遍路ひとり歩き同行二人[地図編]第13版

 そういえば、四国遍路歩き必携の地図書の新版、へんろみち保存協力会四国遍路ひとり歩き同行二人[地図編]第13版が9月に発行されていたのに気づいて、先日入手した。この地図編、3年ごとに改版されていて、ぼくがもっているのは、5版(1997.5)、10版(2013.3)、11版(2016.4)、12版(2019.10)、13版(2022.9)の5冊。

 最初の5版は四国遍路に興味を持ち始めたころに買って、眺めているだけだった。それから15年後に一念発起歩き始めたときのが10版で、区切り打ちの途中で11版を入手してアップデート。その後の別格を回ったときもこの11版で、ちょうど歩き終えたときに12版が出た。終わってから見直すと、難儀して歩いた出石寺への道が新版には「通行困難、自己責任で対処してください」と書き加えられていて苦笑しかなかった。こういうことがあるから、歩くには最新の情報が必須だ。今は近々に歩く予定があるわけではないのだけれど、眺めているだけでも歩いた道を思い出したりして紙上遍路をしているようで楽しい。

 今回の13版も、かなりこれまで書かれていなかった歩きへんろ道が記載されているし、それ以上にへんろ宿の改廃というか多くは廃業が多い。保存会のwebページなどネット上で情報がはいってはくるものの、こうして全体像を縦覧してみるとその変化の早さには驚く。巻頭の索引図が充実して増ページになっているほか細かい改良がなされているが、なかでも目を引いたのは地図上に現れた[EV]という記号だ。凡例に記載が落ちているので定かではないが、充電ステーションではないかと思う。いまや電気自動車で回る時代なのだ。

 

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先年の台風で甚大な被害を受けた歯長峠あたりの変化(左13版、右12版)

2022年10月11日 (火)

パズル通信ニコリ180号

 先月10日に届いたパズル通信ニコリ180号、1ヶ月かかってほぼ解き終わった。今号もなかなかおもしろい問題があったな、カックロ4、スリザーリンク6、ダブルチョコ6、ナンバーリンク7、そしてフィルオミノ5, 6などなど。特にフィルオミノ6の美しい対称性で一気に閉じるフィナーレには感動した。頭を抱えたのが特集問題の3つの三角関係。苗字と名前が混乱する。力ずくで解いたものの、これ理詰めで解けるのだろうか(どうやって?)。

 それはともかく、全体をパラパラと見直していて180.60ページの価格改定のお知らせに気づいた。本誌の価格が次号から改定され、現行の1000円(本体)が1100円(同)に値上げされるとのこと。10%の値上げだ。前回900円から1000円になったのが2019年12月号だった。それから3年、このご時世だししかたないな。ぼくはサブスク(年間購読)を始めたので年4冊4400円(税込み)だが、それがいくらになるのかなと見たら、なんと今後は年4冊6500円だという。え、約48%もの大幅値上げだ、それって計算があわないのでは。

 よく見るとこれまでサービスだった送料も負担していただくと書いてある。んー、それにしても。年間6500円なら1冊あたり1625円。税込み1冊1210円だから差額は415円。最近第三種郵便物認可の記載がなくなっているので、定期刊行物扱いにならないのかもしれないが、ふつうに定形外郵便でも250 gまで250円、クリックポストなら185円だ。アマゾンなら送料無料でポイントがつくというのに、これではサブスクする人なんていなくなるのでは。そっか、これは手間ばかりかかって面倒だからやめてくださいというメッセージなんだろうか。

 

221011 
ニコリ180号

 

2022年6月10日 (金)

サブスク

 ニコリ179号が届いた。ニコリは街中の大きな本屋へ行かないとおいていないので、買いに行くのが面倒で、今号から定期購読することにして申し込んであったのだ。税込み1100円が年4冊で年間購読料が4400円だから得になるわけではないし、わずかでもポイントがつくネット通販で毎回買ったほうが得ではあるけれど、詰将棋パラダイスもそうだがだまっていても送ってくれる雑誌の定期購読というのは独特の魅力がある。

 定期購読定期購読と書いているが、いまどきはサブスクというのだそうだ。ニコリのwebページから申し込んだときもサブスクとなっていた。誰が言い出したのだろう。なんでも横文字略称にしてしまうのだな。雑誌の定期購読どころか、定額サービスはみんなサブスクだ。音楽、飲食からおむつなんてのまであるから驚く。ぼくは昭和の爺なので定期購読と言わないと感じが出ない。小学生のときに学校で買っていた学研の学習と科学もそうだったし、中学生になってとり始めた中一コースもそうだった。中一コースの定期購読は近所の本屋さんに申し込むと毎月配達してくれたのじゃなかったろうか。そんな時代もあったのだ。懐かしい。

 

220610  
サブスクはじめた

2022年5月29日 (日)

十二国記

 久しぶりにブクログの本棚を更新。このブログの開設当初はその都度読んだ本の感想を書いていたが、一昨年の再開からは本の感想はすべて専用サイトであるブクログに移行している。読み終わるとあまり間を開けないうちに感想の下書きは書いておくのだが、手直ししてアップするのがめんどうでいつもたまってしまい、最近は月末にその月の分をアップというのが通例になってしまっている。というわけで今回のは5月分。みると十二国記ばかりだった。

 小野不由美は好きなので前々から気にはなっていたのだが、さる人の紹介文にあってこの際えいやっと読み始めたものだ。読んでみるとおもしろい。いや、すこぶるおもしろい。たちまちのめりこんだ結果がこれだ。この壮大なファンタジーの魅力についてはいろいろな人がいろいろなところで書いていて、まさにその通りだと思うのでここには繰り返さない。実はあと最後の1作というか文庫4冊が未読なので、戴国の行方がどうなるのか興味津々というところなのだが、いずれにしても著者の意向としてはそれでどうも本編はお終いということらしいのが残念だ。

 せっかく十二国のシステムを構築したのに、ここまでの物語はほぼ北東3国のしかも日本から流れ着いた胎果・海客の話に限局されている。それが主題なのだといえばそれまでだが、それからはずれている痛快無比の恭の珠晶の話(図南の翼)がサイドストーリー扱いなのはもったいない。十二国のうちには舜などという得体のしれない国もまだあるし、山から流れてくる山客というシステムも生かされていない。まだまだ物語として広げようがあると思うけどなあ。いや、それは先走りというものだ。まずは最後の「白銀の墟 玄の月」を読んでからだな。

 

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