リュウグウのアミノ酸
はやぶさ2が小惑星リュウグウから持ち帰った砂から20種以上のアミノ酸が検出されたという数日前のニュース。これにはびっくり。わくわくして続報を待っていたけれど、それ以来なんの音沙汰もない。いろいろなニュースサイトを見てみたがいずれも大同小異で詳しいことがまったくわからない。単に生命活動に関係が深い有機物であるアミノ酸が20種類以上検出されたというだけだ。文部科学省への取材で分かったもので、生命の誕生に必要な材料がどのように供給されたか考えるうえで重要な成果とニュースでは持ち上げているが、しかしこれはちょっとフライングじゃないかな。
アミノ酸は生体を構成する重要なパーツであるのは間違いないが、仮に地球外で生成したとしてそれだけが特異的に検出されたとは考えずらい。アミノ酸が20種以上も見つかったのならば、他の生体成分である有機化合物がたくさん検出されてもおかしくないし、逆になければおかしいだろう。そもそもそのアミノ酸がどういう分析手段で確認されたのかも明らかではない。20種というのがどういう分子種なのか、タンパク質構成アミノ酸は含まれているのか、D体かL体かとか知りたいことがいっぱいある。
取材するにしてももうちょっと突っ込んで訊いてほしいものだよ。サイエンスコミュニケーターいなかったのだろうか。文科省の担当者も詳細は分かってないのかもしれないけれど。分析を行っている8チームが結果をまとめる段階に入っており、今後詳細データが論文で公表される見込みとのことなので、それを待つしかないのだろうな。