センバツの意味
春の選抜高校野球が話題だ。ある地区の代表校2校のうち、昨秋の大会優勝校とともに選ばれたのが準優勝校ではなく、ベスト4止まりの学校だった。このことについて、なんで逆転現象が起きたのか、納得できる理由を説明せよと疑問の声が噴出している。
しかしこれはなあ。そもそも春のセンバツというのはそういう大会なんだからしかたないんじゃないか。夏の甲子園は各地区予選優勝校がすべて出場する完全なトーナメント形式だ。春はそうではなくいろいろな要素を勘案して選抜された高校が出場する大会であるところが大きく違う。地区大会の成績順ですべてが決まるのなら夏と変わらないし、それなら年に2回も似たような大会をやる必然性がない。実際、戦後GHQの何で2つも大会をやるのかという疑問に、明確な違いがあるのだという理由で存続された経緯があると聞いた。
21世紀枠なんて風変わりなものがあるのもその特徴だ。あるていどの実力が担保されている学校の中から大会成績以外の要素を加味して選考する。つまりこれは一般入試に対するAO入試だと考えればいいんじゃないか。野球留学生で固めた私立強豪校ばかりじゃなくて、文武両道の公立校とか、地元の子ばかりの学校とか、ハンディのある雪国の学校とか、そういうところにもチャンスを与えるという意味は大きいと思う。というかそうしなければ夏と春と2回やる意味がない。
それをきちんと説明すればいいだけのことなのに、今回も選考委員会が変てこな釈明をするから叩かれる。そういえば、以前どこかの監督が21世紀枠校なんかに負けて末代までの恥だ、腹を切りたいとかいって物議をかもしたことがあったが、きちんとした理念を浸透させる努力が不足しているからそういう勘違い野郎が出てくるのだ。たしかに、すっきりしている夏の大会と違って、選考委員会を経る春はどうやったって万人が納得するようにはいかないだろう。しかしそれは、レコード大賞だって芥川賞だってノーベル賞だって同じことだ。選考あるところ不満も異論もある。それは仕方ないよ。
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