新型コロナ禍で遠出を封じられたことから始めた近場の三角点探訪も、いつのまにか6年目にはいった。やってみると思いのほかおもしろく、これまでに踏査した三角点は200点近くになった。さすがに近場の歩きやすいところはほぼまわり終えてしまったので、これからどうするかというところだ。それぞれ個性があるとはいっても所詮は十字を刻んだ石柱でしかないので、似たようなことを繰り返しているに過ぎないし、飽きたというわけではないがいつまでやってるのか、という気がしないでもない。三角点は全国に十万点以上もあり、まだまだ探訪先には事欠かないが、一方で実はそうもいってられない事情もある。
国土地理院は2014年の基準点分科会(V)報告で、今後10年を目途に測量基準を電子基準点へと移行し、標石三角点は離島などごく一部の必要なものについてのみ維持管理する、という方針を明らかにしている。それ以外は山頂の三角点などランドマークとなっているものを除き、用途を廃止するとのことだ。費用がかかることから標識の撤去は今後の課題ということだから、すぐに全部がなくなってしまうことはないにせよ、民有地などで邪魔になるものはどんどん撤去されてしまうことになりかねない。
その10年後のリミットがもう過ぎている。2023年夏の業界紙の記事によれば、「24年度には、外部への周知として再整理した三角点の役割への理解を促進するとともに、電子基準点を用いた測量のさらなる促進を図る。同年度以降に電子基準点を用いた測量を原則とする準則の改正等を予定している」とのことで、今のところ国土地理院からは正式な発表はきこえてこないが、そういう流れであることはまちがいない。ついでにいえば、この4月から国土地理院webページ上の基準点成果等閲覧サービスのリニューアルが行われた。これまで見られなかった成果不良点の写真が見られるようになるなど、廃止前提とは思えないようなサービス改善もあるのが不思議ではあるが、今後の動向は要注目ではある。
こんなほとんど顧みられることのないニッチな趣味を細々と続けても意味があるのかという話は、まあそもそも趣味というのはそういうものだし、人と同じことをやるのが嫌いな性分のぼくには合っているからいいのだが、こういう状況になると話が変わってくる。平地にある何の変哲もない路傍の三角点は、今記録しておかないと永久に失われてしまうかもしれない。すなわち、これは消えゆく文化遺産の貴重な記録ということになる。ということで、きわめて微力ながらもうちょっと続けてみるかなと思いだした。
そんなこんなで今年初めて探訪した三角点が、当別町にある四等三角点「十三線」だ。と、ここまではその長い長い前振りで、さすがに長いので別エントリを立てたというわけ。